第5話ダンジョン中ボスはじめました2

「二階までは特に罠も仕掛けもありませんが、三階に毒の道があるので気をつけてください」

「どくをうけると、からだがしびれてくるしくなるんですね」

「そうです。 よくご存じですね」

 ボーンジが振り向くと、ロストの顔が青くなっていた。

「さっきあるいたみどりのばしょがどくなんですね」

 ボーンジは慌てて懐に入れてた解毒薬をロストに飲ませる。

「気をつけてくださいね。 毒の床があるのはさっきの場所だけだから良いですけど」

 ロストの顔色が良くなったのを見てボーンジはダンジョンの説明を続ける。

「宝箱はどの階層にも置けますが罠や毒の床などは自然発生を除いて4階から下の階にしか設置できません」

「どくのゆかもじぶんでおけるの?」

「はい、値は張りますが炎の床、スリップさせる床などおけます。 くわしくはカタログに載ってます。 ここより先は仕掛けも特殊な床もありませんので5階の中ボスの間に行きましょう」


 最下層の中ボスの間は小さな椅子とヒビ割れた食器が置かれていた。

 ロストは早速その椅子に座るとダンジョン用のカタログを開いた。

 炎の床を見るがあまりの値段に驚きの声を上げた。

「こ、こんなにたかいのー!」

「はい。 ちなみにこのダンジョンの中ボスの給与はそのカタログの最後にメモ用紙が貼ってあり、そこに書かれていると思います」

 ボーンジの言葉を聞き、ロストはすぐにメモ用紙を確認する。

「こんなにもらえるの。 ちゅうぼすってすごいね」

「ダンジョン内の設置は後で考えるとしてロスト様の戦闘力を確かめさせてください」

「ぼくのせんとうりょく?」

「はい、中ボスですのでそれなりの腕はあるとお見受けします。 構えて下さい」

 腰にかけていた剣を抜き構えるボーンジ。

ロストも椅子から降り戦闘態勢をとる。

 そのあまりにも隙だらけの姿にボーンジは驚きを隠せずにいた。

(魔王様の気まぐれとはいえ、素人すぎる)

 ボーンジは剣を納める。

「ロスト様が中ボスになられた理由をお聞きしてもよろしいですか?」

「あのねー、ほんとうはとうちゃんがなるはすだったんだけど、よういされたおかねつかっちゃったの。 だからかわりになったの」

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