第2話 僕らのこと



俺たちの住む世界では、手に職を持たなければ酒場に依頼された仕事をこなす以外食っていけない。商店を営み、武器や防具、その他の身の回り品を売ることは一部の認められた人間しか行うことができない。商品の供給を王国直轄の商工ギルドが管理することで、流通する商品の価格を適正に保っている。その為に、おいそれと商店を持つことは許されない。

また、成人を迎えるとこの国の人間は強制的に親から独り立ちすることになっている。以前、過保護な親が働かない子供を養うことで、商品価格と世帯の収入に差が生じてしまい社会問題にまで発展した。そこで、手に職を持てない者にでも仕事を供給できるように酒場をベースにした職業斡旋ギルドが組織された。


とまぁ、小難しい事を説明したが、その中でも落ちこぼれ同士が集まって傷を舐めあっているのが俺たちだ。周りの同級生が立派に独り立ちしていく中、僕らは取り残されていた。


ユータは自分の趣味の食べ歩きと、理想の彼女に出逢う為の研究(人間観察)に時間を費やした。

ケイスケは魔法についての書物の研究に明け暮れ、必要最低限の仕事をしては、書物を読むことに余念がなかった。

そして、僕は…

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