第57話

  太郎とスートエースが、「自分のやるべきこと」のためにそれぞれ飛び去ったあと。

 ノーティは、満身創痍の自分に「此処を護れ」という命令の形で残ることを許可してくれた太郎たちに応えるべく、待つ以外の何ができるのか考えていた。

 近付けなくてもひかりの傷を治療できないか、とも試みた。結果としてはできなかったが、たとえ「ダメもと」であろうと、試さないという選択はなかった。

 柱に縛り付けられたひかりに話しかけ、様子を見ては少し休み、身体に障らなさそうならまた話しかける、という地道な行動も、その「考えたこと」のひとつだ。 

「っていうかね、今は考えてくれるってだけでも嬉しいんだってば。」

 あとは何ができるのか、なおも考えて難しそうな顔をしたノーティに、ひかりが言う。

「それって何ンかよォ、オレの方が慰められてねェ?」

「だってノーティ考えること苦手でしょ? なのにたくさん考えてるわけでしょ? すごい偉くない?」

「ソレさァ、褒めてんのかけなしてんのかどっちなンだよ。」

 ひかりの言葉に、片頬をぷッと膨らませる。何その顔、とひかりが笑ったところで、ノーティもプハッと笑いを噴き出した。

 考え込みからついついこわばりかけていたノーティの気分が、少し和らぐ。勿論、警戒の緊張を解くわけではない。むしろ、為すべきのために自分を落ち着かせることができる、そんな心地の和らぎだ。

「……何かよォ、いろいろ巻き込んじまってすまねェって気分だ。」

 言葉が少し途切れてから、ノーティはぼそりと言った。

 思えば、親善という意図の上ではあるものの、に課せられたのは「地球人」の護衛だったはずだ。それを果たしきれていない悔しさと申し訳なさが、ノーティに言葉を紡がせていた。

「んー、確かにとんでもない目には遭ってると思うけど……でもそれって今更じゃない? っていうか、そもそもの発端がうちのおじいちゃんに関わることで、しっちゃかめっちゃかのゴッチャゴチャで、巻き込まれたのか巻き込んだかなんて、もうほんと、今更でしょ。」

 いっそお互い様、というような顔で、ひかりがまた笑った。

「まぁ、オレたちも巻き込まれた側って言えばそうなんだけどよ……でもよォ、ひかりって何か、こう、やっぱ変だよなァ。」

「はあ? 言うに事欠いて変って何よ、変って! 大体それ今言うこ……いたっ!」

「あんまりわめくなって、傷にさわンだろが!」

「私が変なんて変なこと言うからでしょ……!」

「だって変だろ。こんな状況なンだぞ? それでもそんな笑っててさ……多分、オレよかずっと笑ってンぞ。」

「別に痛いとか苦しいとか言わないわけじゃないけど……でも、そう言ったってそれがなくなるわけじゃないんだし、何か損した気にならない? それに、そういうとき笑えるなら笑え、その方が気持ちが強くなる、って前におじいちゃん言ってたから。だったら私もそうしよって思ってるだけ。」

「イヤ、そこで損した気になるってのがまずんだって。でも、あ、ひかりのおじいちゃんって……そうか、だけのことを経験した……ンだよなァ……」

 ぼそぼそと重ねる会話で不意に行き着いたそれを、じわりと噛みしめるように呟いたノーティは、もう一度、「そうか」と納得の頷きをした。

 ひかりが、ナマートリュよりよっぽど脆弱な身体でありながら、どうしてそうものか。

 実際、痛いも苦しいも言っている。何もできないでいる自分自身に、しょげたり悲しんだり怒ったりもしている。けれど、それでもなお「笑う顔」が出てくるのが、この「早御田ひかり」なのだと、ノーティの中にすとんと落ちてくる。

 ナマートリュという種が、「地球や地球人に対して殊更強い保護心や愛着を感じている」というのはあるにしても、「今」「此処に」いるのは、間違いなく「ひかりという地球人」だ。

 ひかりや蝦名以外の地球人について、ノーティはまだ何も知らない。地球人自体がそうなのか、ひかりだから特別なのか、其処のところはまだ全然わからない。

 それでも、守らない理由などない。いやむしろ、そんなことを「理由」にしなくたっていい。守りたいと思うこと、思えること、その気持ちには何の変わりもないのだから。

「やっぱだな、ひかりは!」

「はぁ? あとで覚えときなさいよ、もう!」

 ノーティはもう一度、「変」を繰り返した。言葉の上のだとわかるように、ニイイィ、と力いっぱいの弧を引いて笑いながら。

 だって変だろ。どうでもいい会話なのに、大事なことを気付かせるような相手が、「変」じゃないはずがない。

 上手く言い表せないけれど、その「変」は、変だけど、何かとても「大事なもの」 なのだ、という確信が、ノーティの中にある。

 こんな事態の中にあっても、不思議とあたたかなが、今この瞬間にあった。

 だが。

 次瞬、それは転ずる。

 ノーティの思考に、全く突然に、思念会話が飛び込んできた。その場のナマートリュ全てに、そして誰よりノーティに向けて発されているそれは。

「ァあ? 陰険クソヤロウが消えたァ?!」

 思念で受け取ったにもかかわらず、思わず声が出た。それがあまりに大きな声だったため、目の前のひかりまで驚いた顔をしている。

 戦闘後、警護員たちが監視していたアンティアヴィラタが、突如消えた。その直前に仲間と思しき存在が出現していた状況から、異次元勢力に「奪還」されたものと思われる。消える間際に報復を口走っていたことを鑑み、念のためそちらに連絡する──

 不穏というにはあまりに内容に、ノーティは顔を強張らせた。最後に聞いた「報復」という言葉に、強い危惧が波立つ。

 その対象は間違いなく自分だろう。もし今此処にアンティアヴィラタが現れれば、ひかりが巻き添えを食うことになる。

 ならば、別の場所に飛ぶべきか。けれど、もしここを離れたために、ひかりに万が一のことがあったら?

 口をゆがめ、ギ、と歯噛みする。その歯噛みは、判断に迷う自分に対してだ。

 ノーティは「此処を守れ」と命じられた。何より、「此処にいる」と言ったのは、誰でもないノーティ自身である。

 だが、是非をあざなうは、最早そのすら待つつもりはないらしい。

 柱の上部に、カラ、と微かな音がした。

 今受けたばかりの連絡のこともある、すわやと即座に身構えたノーティの視界に入ったのは、明るく美しい、空。

 見慣れた、当然のもののはずのそれを、けれど今だけは大きな違和感を以て見つめたノーティは、そしてすぐに気付いた。

「毀裂がねェ……!」

 カラ、カラ、と音は続いた。柱の其処彼処に、気付いた端からひといきに増えていく。やがてガラガラと、そしてガンガンと、気付いた端からあっという間に轟音となって鳴り渡る。

「えっ、ちょっと何っ……!」

 狼狽するひかりの声が、ノーティの意識と視界を引き戻した。

 その場に起こった「現象」は音だけではない。ひかりが拘束されている柱に、ギシ、ビシ、と大きな亀裂が奔り、瞬時に全体へと拡がり、ぼろぼろと欠け落ちて。

 ひかりの身体を柱に縛り付けていた触腕状の拘束が、だらんと緩み、もろりとほどけた。それはつまり、がなくなることを意味する。

「きゃあああああ!」

「ひかり!」

 ひかりが落ちる。ノーティは叫ぶ。叫んで、砕けていない方の手を伸ばす。だが、伸ばしきる前に、ガツンと大きくぶつかる衝撃がノーティの手を見舞った。

「毀裂はなくなったってのに、何ンでコイツは消えねェンだよ……!」

 ワケわかんねぇぞコンチクショウ! と、悪態も早々に落ちるひかりを追う。毀裂がなくなったなら、この柱だって消えていていいはずなのに、見えない壁は今以て忌忌いまいましくふたりを隔てている。 

 落ちる先は、砂礫のド真ん中だ。だが、いくら砂とはいえ、地球人がこの高さで落ちて無事であるはずはない。

「ひかり!」

 ひかりが落ちていく。ノーティはもう一度叫ぶ。必死に落下を追いかけるが、瓦礫や砕片が、まるでそれを邪魔するようにノーティの目の前に降り落ちてきて、近付くことも容易ではない。

 ひかりの背にあった大きな瓦礫の塊が、ひかりとほぼ同じタイミングで落下している。其処から推察するに、おそらくこれらの塊自体が、異次元から引っ張り出された力の残滓なのだ。それが、ひかりを今以て隔たりのに縛り付けているのだろう。

 これをどうにかしないと。

 あの塊を砕く、吹き飛ばす。ノーティの力なら、できなくはない。けれど、残った力ががどう作用するかわからなかった。吹き飛ばした際に砕けた欠片が、ひかりに当たってしまう可能性だって、当然ある。

 それでも、だったら、やっぱり、追う、追って──砕く。それしかない!

 実行するなら、自分に当たる瓦礫や砕片を、当たった端からひかりの方へように念動でカバーが必要だ。瞬時の、それも多量の対象に対して行う処理としては、複雑で煩雑で、とにかく面倒この上ないだろう。

 だが、やる。やらなきゃなんねェ。ノーティはひかりを助けるためにこそ、それを実行することをためらわなかった。

 細心に細心を払いながら、落下するひかりへ迫る。手を伸ばす。

 届かない、まだ。

 そうこうする間にも地はぐんぐんと迫っていた。隔たりは消えていない。

 で届くのに、で落ちてしまう。

 ダメなのか、ムリなのか。

「ンでも……諦めるのは……もっとムリ、なンだよ……ッ!」

 隔たりに、自分ごと全力でぶつかる。最早それは渾身の体当たりと何ら変わらない。ガツン、ガヅン、と何度もぶち当たり、その都度、甚大な衝撃が全身に奔る。

「うッぜェなァ! さっさと壊れ、……ッ!」

 それまでで最大の勢いをつけてぶつかった瞬間だった。このとき奔った衝撃は、それまでとは違う、衝撃の伝播の感覚、たとえば隔たり自体が砕けたような、みしりと鳴るような感触と共にあった。

「ひかり!」

 ノーティの口から出た三度みたびめの叫びは、ひかりの驚きに見開いた目を以て結実した。

 届く。ノーティは確信した。その確信は、伸ばした手がひかりに届いたあとから、ようやく言葉の形になった。

 その手はつまり、しっかりと届いていた。

 だが、ひかりと共に落ちていた巨大な柱の瓦礫がまだあった。ひかりの手を掴んだノーティの上から、物理法則を無視する加速度を以て、伸し掛かるように落ちて来る。

 砕くにはもう遅い。ならば、と、ノーティはひかりの腕を引き上げるように引っ張った。

 一瞬ひかりが苦しそうな顔をしたのは、削ぎきれなかった慣性が作用したせいだろう。だがこの際こまかい加減などしていられない。

「とにかく小ッさく丸まってろ!」

 轟音響く中、叫ぶようにひかりに言って、自分はひかりを覆うように抱え込む。更に球体のバリアを可能な限り厚く張った。

 これなら、少なくともひかりまで衝撃が及ぶことはないはず、と判断し、ぐっと歯を食いしばる。

 が。じんわりと時の過ぎる感覚。覚悟したはずの衝撃は、何故か一向に起こらない。それどころか、周囲の動きの一切が止まっているような──

「多少はマシになったようだが。」

 降るように聞こえた声に、ノーティは唖然の表情で顔を撥ね上げる。

 銀の天頂持つ稜線、金の陰影差す双眼。ノーティとひかりの位置より一段高い虚空に、頭上をめてゆうと構え、片手を挙げてゆうと立つのは、思い出すどころか見忘れようのないおの姿影体シルエット

「……オヤジ……」

 このときばかりはノーティも、「クソオヤジ」とは出てこなかった。

「が、マシになっただけだな。頭の回らなさは変わらんようだ。」

「テメェ……やっぱクソオヤジだな……?」

「態度の悪さは悪化したか。」

 返ってくる言葉の、相変わらずの容赦なさに、眉を吊り上げて悪態をつく。けれど、だからこそいっそ間違いなくだと、バカバカしいくらい盛大に安心している。してしまう。

 勿論、それはそれで悔しいことではあるのだが。

 ノーティは、改めて周囲を見た。虚空にひたりと停止する瓦礫、砕片。このとき、ダンウィッチが何をしたのかは、一目瞭然だった。

「そのまましばらく丸まっていろ。」

 言い置くように告げたダンウィッチが、タン、と虚空を蹴った。飛び上がりざま、高い上背がぐんと反り、撓り、戻る。その動きに合わせ、腕が、拳が、ぐんと降り抜かれた。

 空気が揺れた。拳が向けられた方向ではない位置の空気すら、激しく揺さぶられるように動いた。

 ビッ、と短く、裂けるような音がたつ。須臾しゅゆの間をおいて、虚空に停止していた瓦礫、砕片、それら全てが一斉に砕け、たちまちのうちに微塵と化した。

「……うッは……」

 微塵の残骸の幾許いくばくか、ばらばらと雨のように降る中、それを見上げ眺めるノーティは、またもや唖然とした表情になる。

 ダンウィッチの拳は振られただけで、当たったわけではない。にもかかわらず、数多の瓦礫や砕片の全てがひといきに砕け散っていた。

「……何ンだよ、イイトコ全取りかよォ……」

 ノーティの口からの言葉が洩れ出たときには、危難の事態は全て、終わっていた。

「お前のそのザマで、他に何ができたと?」

「うっせェ!」

 悠悠たる動きでノーティのところへ来たダンウィッチの態度は、やはり全く容赦ない。けれど、このやりとりを聞いていたひかりが、ノーティに抱えられて縮こまったまま、ぴょいと顔を上げて、くすすっと軽く笑った。

「なぁんだ。ダンウィッチさん、ちゃんとノーティのこと心配してたんだ。」

「は?」

「は?」

 ふたつの同音の疑問符が、同時に起こる。ひかりの言葉に意表を突かれたのがということを、ノーティはその疑問符から知った。

 自分たち親子の「些細ながら決定的な相似」に思い至り、思わず頭を抱えるように脱力するところまでだったのは、最早笑うしかない。

「おーい! おーい!」

 そんなノーティの聴覚に、待ちわびた、待ちかねた声が届いた。

 はじかれたように声のする眼下を見る。手を振るひとなりの形の、それを彩る亜麻色が視界に入った。

「フィニット!」

 返す声を張り上げて名を呼び、自分もまた大きく手を振る。今度は、欠けた方の手も一緒になって振る。

 終わったのだという実感を、その声を聞いたことで、ようやく得ることができた。

 ひかりを抱え、地上までゆっくりと降りる。

「遅ェじゃねェかよ。」

「いろいろあったんだよ。」

顔を合わせたのがずいぶん前のように思えて、彼等が交わす声の後にじんわりとした沈黙が漂う。その中で、ひかりがおそるおそるというふうに、問いかける声を発した。

「……それ、って、」

 言葉が向けられた先にあるものは、フィニットが抱える赤褐色の物体。

「うん、蝦名さんだよ。大丈夫、生きてる。今は生命維持が最低限可能って感じの状態だから、話すとかはまだちょっと無理だけど、大丈夫。」

 問いから一拍の間をおいてフィニットが答える。大丈夫、と念を押すように繰り返された答えに、ひかりは困り顔と笑顔が混ざったような形容しがたい表情で、「赤褐色の物体」をそうっと覗き込んだ。

 無理もない。

 バラトシャーデの「頭部」と其処に繋がる身体とその一部しかない、どう見たって「死骸のようなもの」。の状態と安全を思念で伝えられているノーティとは違い、見える外側しかわからないひかりにしてみれば、本当にただの物塊にしか見えないだろう。

 原型すらほとんど残っていないこの状態を「生きてる」と言われて困惑するのは、むしろ当然のことだと思う。それでも、ひかりにフィニットの言葉を疑う様子はなかった。

「よかった……って何処までよかったって言っていいのかわかんないけど……でも、そっか……ほんと、よかった……」

「ひかりのおじいちゃんだって、アイツに寄生されても生き延びたンだろ? だったら今度も絶対大丈夫だって。」

 覗き込んだ頭部に確かに残る「蝦名の顔」を見て、ひかりがしみじみと、ほっと安堵する声を洩らす。先のフィニットの言葉を後押しするようにノーティもまた、ひかりに答えた。

 三人の間で和らぎ、ほどける空気。それを上空から暫し見下ろしていたダンウィッチは、静かに無言のまま飛び去る。

 人手を呼びに向かったか、あるいは、今は彼等の語らいの邪魔をする気はない、と考えたか。

 緩やかな空気が、戻っていた。


 戻っていた、はずだった。


 限りなく薄れた気配、かすれた意識、寸毫すんごうの残滓として漂う悪霊の如き悪意の存在に、そのとき誰も気付かなかった。

 脆弱なはずの地球人を我が身として支配できなかった。それどころか、その身の内からるに至るという屈辱。

 フィニットに砕破される間際、微塵量の実体だけをからがらに分離させたバラトシャーデは、身体を砕かれ、形を保ち得るだけの力すら残せず、それでも今以て、消えず在った。

 己が敗北の明瞭な形として残る、抜け出た残骸からだを殺す機を。我が身に受けた屈辱を熾火とし、執念をねじくらせ一縷を縒り上げ、一矢として放ち得る機を狙う。

 だが、対象を死傷に至らせうる「一矢」を放てるのは、文字どおり一度のみ。バラトシャーデができる報復の体力の余地は最早それだけだ。

 無様をもたらしたものへの意趣返し、報復。殺意の輪郭も露わに研ぎ上げられた一矢は、そうして、赤褐色の、へ向け撃ち込まれた。

 悪意の一矢は、貫く。けれどそれは、狙い定めたはずの赤褐色の残骸ではなかった。

 誰ぞや知る。

 このとき、ねじれた悪霊の悪意のみならず、星の巡りもまた、何をか求め、を呈して寄越した。

 悲鳴とも叫びともつかない声が上がったのは、この直後のこと、

「ひかり……!」

 ひときわの驚愕と恐怖と悲痛に満ちて呼ばれたのは、地球人の少女の名。

 やわらかな有機の肉体の、心臓収まる胸の位置にくっきりと現れた穿孔。寸刻おくれて飛沫しぶく、鮮やかな赤。立位からゆっくりと背臥位あおむけの状態で倒れていく身体。その場は一瞬にして、狂騒と混乱とで覆い尽くされる。

 一矢を放った悪意すら予想だにしなかった、ひとつの結果。

 もっとも、悪意にとってはこのの方が、より喜ばしいものになると、すぐに気付いた。

 永に亘り己を灼きなぶっていた復讐の業火が、渦を巻いて天を衝く如き狂喜と共に噴き上がる。

 成せり、成せり! 見よ怨敵、ぞの歓喜!

 それは、残滓の如く薄く掠れてなおバラトシャーデが叫び上げた、高らかなる勝利宣言だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る