―――4
【GAME OVER】
『理解しがたい行動です』
「テンプレはどうした?」
『博愛主義にでも目覚めたのですか?』
「関係ない」
俺は不貞腐れていた。自分でも戸惑っている。
別に博愛主義という訳でも無い、声フェチと言って処理を投げ捨てた複雑な感情が頭を重くしていた。
俺は自分の感情に整理を付けられなかった。
自分の口から飛び出したツンデレ台詞も仕方なかった。
どうにも整理が付けられない頭の中、化け物とは言え命を奪うという行為、その二つに。
・・・・・・最初の一撃はショウガナイデスヨ?
『わかりますよ、ですが、あなたの行為は確実にこの世界のためになります、慮の出来事でこのような状況に居ますが、何かの役に立てる特別な存在というのは素晴らしいことではありませんか?』
「俺が心の底から何かを信用する人間なら、喜んでそうしただろうな、だが俺はただ普通の、何も特別な所が無い人間なんだ、世界を揺るがす選択も、誰かの命を奪う選択も・・・ただ戸惑うだけだ」
『あなたはこれから特別になれば良いのです、命を奪うことに戸惑い、世界を救うことに現実味が無くても・・・あなたはそのままで良いのです、それで特別なのですから』
「じゃぁ俺の選択なら、あんたの言うイレギュラーを殺さなくてもいいって事か?」
『そうです』
予想外の、優しい言葉だった。
「少し時間をくれ、俺は今までの人生で決断をした事がない、そういう弱い人間だから、時間を」
『いいでしょう、タクヤ、世界を任せましたよ?』
もう何度目かの黒い背景に神々しく輝くふざけた文字、それが白く消えていく光景もなんだか歪んで見えた。
『そうそう、一つ言い忘れていました、タクヤ・・・残機には気を付けるのですよ?』
「・・・・・・・・・・・は?」
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