―――3
【GAME OVER】
ですよねーーー!!!!
転びそうになった瞬間、走馬燈的な物が見えたし。確実に致命傷ですよねー。
『あなたは残念ながら死んでしまいました、再度復活しますか?』
「おい、一夜過ぎたが俺が元の世界に戻る目途は立ちそうか?」
『無茶言わないでください、私はちょうど出勤してきたところですよ?』
「・・・まぁいいよ、今は俺の事よりミーニャだ、早く復活させてくれ」
『・・・・・ロリコン』
「ロリコン違うわ、お前と違ってあの子は俺の恩人なんだよ」
『まぁ待ってください、あなたにこの世界について少し説明したいのです』
え~、まだ面倒があるの?死にやすい上に言葉も通じない世界で頑張っている俺にさらなる試練なの?
「また今度じゃだめ?」
『ダメです、あなたは時間の心配をしているようですが安心してください、この場面は通常場面と時間の流れが違い、ここでの10分が向こうの1秒ぐらいです』
「一秒でも惜しいよ」
『わかりましたこうしましょう、後で時間を戻してあげますから、ですから聞いてください』
「・・・そんな事が出来るのに俺は元の世界に帰れないのか」
『まずこの世界はあなたが元いた世界より文明がだいぶ遅れています』
「無視かよ」
『すでにお分かりとは思いますが、あなたの記憶から言葉を借りるとこの世界は中世ヨーロッパの世界です、そしてこの世界には魔法や魔物・・・・分かりやすく言うとRPGゲームのような世界です、レベルやHP、MPなどの概念もありRPGその物ですね』
「レベル?」
『はい、あらゆる生き物は生涯様々な経験や修練を積むことでスキルを習得し、それらを一定水準まで習得するとレベルが上がります、あなたはすでに二人の野盗を倒し体術のスキルを上げたのでレベルが1上がっていますよ?』
あいつら野盗だったのか。どおりで柄が悪いと思ったわ。
「レベルが上がると・・・ステータスも上がるのか?だとしたらHP1以下ってのも何とかなるんじゃ」
『残念ながらあなたはイレギュラーです、HPおよび攻撃力のデータは不整合による産物でそのデータを弄ることが出来ません、それにステータスの上昇は習得したスキルに応じて値が上昇するためHPを上げるためには防御スキル、つまり防具などで攻撃を受けなければなりません』
「・・・それ一発で死ぬじゃん」
『そうです、だからあなたは防御スキルを習得上昇させることはできませんね』
どうしようもないって事か。すごいクソゲーだな。
『そしてこの世界は今存亡の危機に立たされています』
「おぅ・・・RPGでよくある魔王が復活して滅ぼそうとしているとか、世界大戦で破滅魔法が発動しようとしているとか、そういうのか?」
『いえ、実はあなたがこの世界にコピーされた事で不具合が拡大し、あなた以外にもイレギュラーな存在が生まれてしまいました、さらに悪いことにそれらは今も徐々に増えています』
「お前が諸悪の根源か」
『ち、違います!悪いのはあなたの居た世界のマスターです!』
「わかってるよ、んでその、不具合が拡大し続けるとどうなるんだ」
『・・・少々意地が悪い人のようですね・・・、最悪なのは不具合がバックアップまで浸食しており、デバッグも困難を極めて修正が追い付かないのです、このままではこの世界だけではなく、数多存在する他の世界にも影響が飛び火してしまいます、そうなる前に、私は私の責任でこの世界をデリートします』
「やっぱりお前がやるんかい!!」
『しょうがないでしょう!私だってやりたくないわよ!でもこのままじゃこの世界だけじゃなくてすべての世界が・・・うぅ・・・ぐすっ』
神のくせに泣くんじゃないよ・・・まったく。
「とにかくこの世界が消えるか消えないかの瀬戸際なんだな?で、それを防ぐにはどうしたらいいんだ?」
『あなたにデバッグを手伝ってもらいます』
おい、さっきまで泣いてんじゃないのか。普通の声だぞおい。
「俺が?神様的なことするの?」
『いえ、そんな特別な事ではありません、この世界に現れたイレギュラーを消してほしいのです、もちろん私も善処しますが、あなたがこの世界で直接行ってくれる方が安全かつ最も自然なデバッグなのです』
「イレギュラーを消すって・・・殺すって事か」
『そうです』
「まて、イレギュラーって俺も含まれません?」
『含まれますがあなたは何度でも復活できるでしょう、消せないのであればどこかに移す・・・戻すしかありません」
「それを一番最初にやってくれませんかね?」
『ではタクヤよ!頼みましたよ!!』
「聞けっておい、そんなに都合の悪いことn」
次の瞬間俺の体は宙に浮いていた。
ミーニャを抱きかかえ、ミーニャの家を前にして走って転ん・・・おいいいいいいい!!!
【GAME OVER】
『戻しすぎちゃった♪』
「クソゲー!!!」
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