第16話 -起業7-


 第16話 -起業7-


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 アパートに戻った僕は、買ってきた美少女フィギュア3体をテーブルに飾った。

 そして、一体づつ手にとって、様々な方向から穴が開くほどじっくりと眺めた。


 ――こんなところを妹にでも見つかったら、大事なものを失いそうだな……。


 1体は、キャストオフ可能なタイプだった。

 やはり、こういった付加価値を付けたほうが売れるのだろうか……。

 キャラクターものじゃないので、こういうエロ要素が無いと誰も買ってくれないような気がする。

 モデルにする使い魔の肖像権を侵害するような気がしてあまりやりたくはないのだが、背に腹はかえられない。


 最初に買った1/4サイズのフィギュアは、知っているキャラだったが、後の2つは、作品名は聞いたことがあるものの、内容を知らないものだったのでキャラ名も知らなかった。

 完全にインスピレーションで選んでみたのだ。サイズは、1/4と1/8だった。


 今日は、秋葉原で多くの美少女フィギュアを見たし、買ったフィギュアをじっくりと観察もした。

 まずは、【工房】で作ってみようと、僕は椅子から立ち上がった――。


 ◇ ◇ ◇


『ロッジ』


『ロッジ』の扉を召喚して中に入る。

 いつものテーブルのいつもの席にテーブルを背にして座った。


『フェリス召喚』


「ご主人サマ……」


 ――さて、誰をモデルにしようか……?


 エルフの使い魔は、300人以上居るが、一番エルフらしいエルフは誰だろうか?

 フェリスは、少し背が高い気がする。

 異世界のエルフの女性は、160センチメートルくらいが標準的な身長だったようだ。

 髪型は、フェリスのような輝くような金髪のロングヘアが一般的だろう。


 ――胸のサイズはどうだろう?


 僕の知る限り、巨乳のエルフは一人も居なかった。

 小ぶりな乳房のエルフが一番多かったように思う。中には貧乳や微乳のエルフも居たが。


 その条件に当てはまるエルフは、何人も居るが、パッと思い出せるのは、最初にノーランディン族の集落に訪れたときにメリルレンと一緒に居たフィーネだろう。

 確か、フェリスの妹のサーシャの使い魔だったはずだ。


「ご主人サマ……? こうやって放置されるとゾクゾクしてしまいますわぁ……」


 フェリスを召喚したまま無視して考え事をしていたら、フェリスがおかしなことを言い出した。


「フェリス、サーシャを召喚してくれ」

「分かりましたわぁ……」


 僕の前に白い光に包まれてサーシャが現れた。


「ご主人様……」

「サーシャ、フィーネを召喚してくれ」

「分かりました」


 サーシャの隣にフィーネが召喚された。


「……ご主人様」

「えっと、3人とも僕に協力して欲しいんだ」

「勿論ですわ」

「ご命令下されば、何でもいたしますわ」

「命令してください」

「僕が元の世界に戻ったのは知ってるよね?」

「はいですわ」

「そうだったのですか?」

「知りませんでした……」

「それで、元の世界でお金を稼がないといけないんだけど、そっちの世界のようにモンスターが居ないし、通貨も違うから簡単に稼げないんだよね」

「それでわたくしたちがご主人サマに代わってお金を稼げばよろしいんですの?」


 フェリスがそう言った。


「いや、そうじゃないよ。こっちの世界にエルフは居ないから君たちは人前に出せないし……。ただ、架空の存在としてエルフは広く認知されているんだよね。だから、君たちをした人形を作って売れば、お金を稼げると考えたんだ……」

「では、私たちをモデルにするおつもりですの?」

「うん。基本的にフィーネをモデルにするつもりなんだよね」

「そんなぁ……私では駄目ですの?」

「標準的な身長や髪型、胸のサイズで判断したんだよ。フェリスはエルフにしては、背が高いでしょ?」

「確かにそうですわね……」

「でも、まぁ、フィーネだけに恥ずかしい思いをさせるのは忍びないので、二人にも協力して貰おうと思ってね」

「勿論ですわぁ……。脱げばいいんですの?」

「そうだね。まずは、3人とも裸になってくれるかな?」

「はいですわっ!」

「分かりましたわ」

「畏まりました……」


 3人の身体が光に包まれて何も装備されていない全裸の状態になった。


「じゃあ、正面にフィーネ、僕から見て左前にフェリス、右前にサーシャという感じで並んで」

「では、この辺りでいいですか?」

「うん」

「私は、この辺りですわね」

わたくしは、ここで」


 裸の3人が僕の前に並んだ。


【工房】→『アイテム作成』


『美少女フィギュア』


【工房】を起動して、そうイメージした。

 視界にウインドウが開いて、脳内のイメージが映像化される。

 そのウインドウを隅に移動させた。


 そして、僕は3人の裸のエルフを穴が開くほどじっくりと観察した――。


 ◇ ◇ ◇


「はぁああん、ご主人サマぁ……そんなに見られてはぁ……イッてしまいますわぁ……」

「視線が突き刺さって……駄目ぇーっ!」

「そんな……見ちゃ駄目です……ハァハァハァ……」


 僕は、欲情する度に【戦闘モード】を起動して抑えたが、3人のエルフたちは完全に楽しんでいた。


『やっぱり、エルフって淫蕩な種族なんだろうな……』


 以前は、フェリスだけがエルフの中では特殊な部類なのかと思っていたのだが、エルフたちを使い魔にしてから皆似たり寄ったりだということに気付いた。

 黙っていると清楚で理知的なイメージなのでギャップが凄い。そのギャップもまた僕を興奮させる要素となっていた。


 僕は目を閉じた――。


 じっくり観察したことで、フィーネと寸分違わぬ立体映像を【工房】で作成することができた。

 ポーズもいろいろと指示したので、【工房】のイメージ映像も僕のイメージ通りのポーズを取らせることができるようになった。


 しかし、このままフィギュア化することはできない。

 性器や肛門を普通の人形のようにのっぺりと平らに隠す必要があった。

 勿体ない気もしたが、警察沙汰になるのは勘弁なので処理を施した。


 次は装備だ。

 この処理をキープしたまま。フィーネに着せる装備を作成することにした。

 基本的には、いつものエルフの装備でいいだろう。

 インナーのボディスーツの代わりにブラとパンティを着せたほうがいいと思う。

 エルフの下着と言えば、草色のストラップレスのブラとシンプルなパンティじゃないだろうか。

 僕は、アニメやゲーム等でエルフが着ていそうな下着を作成した。


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 ・エルフのブラ【装備】

 ・エルフのパンティ【装備】


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 実用性は必要ないので、素材はコットンだ。


『トレード』


 目を開けて、フィーネに『トレード』で渡した。


「フィーネ、その装備を付けて、エルフの一般的な格好をしてくれる? ソフトレザーアーマーでレイピアを吊してるやつね。あ、ボディアーマーは着ないで」

「畏まりました」


 全裸のフィーネが白い光に包まれて装備を身に纏った。


 僕は、装備を身に着けたフィーネをじっくりと観察し始めた――。


 ◇ ◇ ◇


【工房】のイメージ映像では、ほぼ完璧な立体映像が完成した。

 しかし、このまま美少女フィギュアとして、実体化すると装備をキャストオフできなくなる。

 あえて、自然体の直立不動のポーズにすることでキャストオフ可能にしようと思ったのだが、装備は身体に貼り付いているので、そのポーズでも取り外せないだろう。

 複雑なポーズでキャストオフできないようにするほうが王道かもしれないが、どちらが売れるかと言えば、キャラクターものじゃないフィーネのフィギュアは、前者のほうが売れるだろう。

 まずは、精巧さとキャストオフ可能という点で売るしかないと思う。


 僕は、装備を外すことができるようなギミックをイメージ映像に施した。

 イメージ映像内のフィーネに似た立体映像を脱がせていく。

 全裸にしたところで、次は装備を装着していく。


 サイズは、1/4で作成した。名前は、『フィーネのフィギュア(1/4)』とした。


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 ・フィーネのフィギュア(1/4)【アイテム】・・・22.48ゴールド


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 22.48ゴールドで実体化させることができるフィーネを模した1/4スケールのフィギュアが完成した。


[レシピから作成]


 テーブルの上に実体化する。

 白い光に包まれて、まるで本物のような質感のエルフのフィギュアが現れた。


「凄い……」


 しかし、凄すぎる。

 こんなものを販売したら、どうやって作成したのかと問い合わせが殺到するのではないだろうか?


 キャストオフさせてみた。

 見た目は、本物の裸のようだ。

 胸に触れてみる。


「柔らかい……」


 フェリスの胸と触り心地を比べてみる。


「あんっ、ご主人サマっ……」


 タプタプとした感触がよく似ている。

 しかも、柔らかいのは胸だけではない。

 全身が本物のような感触だった。

 髪の毛もサラサラの金髪で一本一本が再現されているようだ。


「もしかして……」


 関節部分を動かしてみると、ポーズを取らせることが可能だった。

 人間に可能なポーズなら全て再現可能なようだ。

 切断して中の構造を見てみたかったが、流石に使い魔を模した人形を切り刻むのは、気分が悪くなりそうなので止めておいた。


 確かにこのフィギュアなら高値で取引できるだろう。

 オークションなら身元を特定されずに取引できるかもしれない。

 これくらいのアドバンテージがないと最初は売れないかもしれないし、このフィギュアで売ってみようかと僕は思い始めた。


「フェリス、サーシャ、服を着て」

「はいですわ」

「分かりました」


『フェリア召喚』『ルート・ドライアード召喚』『ルート・ニンフ召喚』


 光に包まれてメイド服姿の使い魔たちが召喚された。


「ご主人様」

主殿あるじどの

「旦那さま」

「悪いけど、またトロール討伐に行ってきて。その際には、全ての使い魔を召喚してから戦って」

「畏まりました」

「御意のままに」

「分かった」


『密談部屋3』


 僕は、『密談部屋3』の扉を召喚した。


 使い魔たちが『密談部屋3』の扉から出て行った――。


 ◇ ◇ ◇


 ――ガチャ


 10分と経たずに使い魔たちが戻ってきた。


「ただいま戻りました」


 メイド服姿のフェリアがそう言った。


「お帰り」

「ただいまですわ」

「ただいま戻りましたわ」

「ご主人様、ただいま戻りました」

「主殿、戻りました」

「旦那さま、ただいま」


 フェリス、サーシャ、フィーネ、ルート・ドライアード、ルート・ニンフが入ってきた。

 僕は、『密談部屋3』の扉を『アイテムストレージ』へ戻した。


「じゃあ、お風呂に入ろうか」


 そう言って、僕は『ハーレム』の扉に移動した――。


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