第18話 ぼくの気持ち

伊藤家の皆は帰ってくると、ぼくを目一杯、可愛がってくれた。撫ででくれたり、チューしてくれたり。ぼくも思わすペロペロしてしまった。

さっきまで、とても寂しく とても悲しかったのに。ぼくの この気持ち、どうしてくれるんだ!って怒っていたのに。伊藤家の皆の行動で、その気持ちが消えた。

そして、夕食。

いつものように ぼくには、なんか硬いのか、やわらかいのか、わからないものが出された。伊藤家の皆は、おいしそうな物を食べている。

「くぅー」って泣いてみた。どうせ、くれないだろうけど。

「はい、どうぞ。」と お母さんが 草のような物をくれた。

「えっ!ダックに人間の物をあげてもいいの?」すかさず、子供達が騒いだ。

「だって、今日 ダック、お留守番したでしょ。だから ご褒美。それに、キャベツだし、やわらかくしてるし。」って、お母さんが説明した。

お留守番すると、人間の物が食べれるんだ。

ぼくは、嬉しかった。せっかくだからキャベツとやらを頂いた。口当たりが サッパリして

うまかった。

すると長男の ゆうきが「いいの?本当に。お母さんが犬に人間の食べ物はダメって言ったよね。」と厳しい声で言った。

「今日は、いいの。」お母さんは面倒くさそうに言った。

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