第16話 朝の出来事

朝、伊藤家は大騒ぎしていた。「ダックがいない!。」ようすけが騒いでいた。「うそ、本当に?。」おかあさんが びっくりしたように言った。

そこへ、おとうさんが起きてきた。

「おはよう、ダックが夜 泣いてたから、おとうさんのところへ連れて行ったんだよ。」

「なあんだ!びっくりしたなぁ、もう。」

ようすけがダックをだっこした。

「おとうさんだけ、ずるいな。今日の夜は ぼくと寝ようね。」

ようすけの話を聞いて、おかあさんが「ようすけは アレルギーあるでしょ!だめだめ。」

「ちぇっ。」

「ちぇっ じゃありません!言うことを 聞かなきゃだめ。」

「はーい。」

ぼくと寝たいんだな。アレルギーは ぼくのせいじゃないけど おかあさんに注意されたのなら言うことを聞いてね。ぼくは そう、思った。

それにしても気分のいい朝だ。

伊藤家は、何やら うまそうな匂いのするものを食べている。誰かの側に行くと食べさせてもらえるかな?

ぼくは、ようすけの側に行ってみた。そして、ようすけをジッと見つめた。

「ダック、玉子焼き食べたいの?」

ぼくは、ありったけシッポを振った。

ようすけが ぼくに玉子焼きを食べさせようとした時、「だめ!。」

また、おかあさんの声だ。

「ダックは、犬のものしか食べられないからね。人間のものを食べると、体に 脂のコブとか出来るからね。」

えっ?ぼくは、人間のものを食べちゃいけないの?

ぼくの前には、茶色のカラコロしたものが置かれた。

結局、ぼくは変わりばえのない いっのご飯になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る