第14話 初めての夜

ぼくが伊藤家に来て、初めての夜を迎えた。

ぼくに食事を出してくれたけど、ここの食事に慣れてなくて最初は食べれなかった。お腹は減っていたけど、なんか匂いが違う。

食事を目の前にして、こてっと横になっていた。

「ねえ、ダックは何を食べるの?」

伊藤家の人たちは、ぼくが食事を食べない事で会議を開いてた。

「やわらかいのを食べるのかな?」

ツブツブのポリポリのタイプだったが、食べない ぼくのために缶詰の食事を買ってきてくれた。

ん?これだ、この味だ。

急に元気が湧いてきた。そして、おいしく食べた。

「ようやく食べたね。」伊藤家の人たちは喜んでくれた。

ぼくは、しばらく子供たちと遊んでいた。

楽しんでいたら、子供たちに おかあさんが「ダックは、ここで寝るんだよ。」と話した。その様子を見ていたら、ぼくは急にフワッと浮き上がった。首を後ろに向けたら、おとうさんだった。そして、また狭小住宅に入れられた。ペットショップの狭小住宅の2倍はあったが、何で?って思った。なんだか悲しくなった。ぼくは家に入って伏せて顔だけ上げていた。伊藤家の皆を、目の前の縦の線の間から見ていた。子供たちも ぼくを見ていた。少しすると、皆はいなくなり、暗くなった。


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