第11話 ぼくの受け入れ状況
ぼくから逃げ回っているのは、どうやら 「おかあさん」と呼ばれている人だ。今までの人間とは、何となく違う気がする。なんか違う匂いがする。そういえば、ペットショップにいる時、おかあさんと同じ匂いがする仲間がいた。黒い点のやつが「女の子」と言っていた。そうか、おかあさんは女の子というものなのか。
おかあさんは、なんだか あんまりいい顔をしていない。なんていうか困っているような。ぼくをここに連れてきた人間は、笑っていたけど おかあさんは違う。
ぼくは ここに居ていいのだろうか。それに、どうしても動いているものを見ると追いかけたくなる。ぼくらは狩猟犬と呼ばれていたらしいから。これも黒い点のやつから聞いた話だけど。…困ったな。おかあさん、動くの止めないかな。ぼくだって追いかけたくないし疲れたよ。
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