朝売新聞「サンドスター技術完全解禁」(2035年12月27日付)

環境保護政策の大転換―環境保護法案の漸進的撤廃へ―

 昨日、科学技術に関する立法としては異例の与野党の攻防を経て、「サンドスター等の使用等の規制による環境維持と保護に関する法律」(通称「サンドスター自由使用」法)と、従来の環境保護法案の事実上の廃案について定めた諸法案が、参議院で可決された。公害対策から始まった我が国の環境保護政策は大きな転換点を迎えることとなる。

 本法案によって、一部の特別な許可を受けた民間企業などでしか使用できなかったサンドスター技術が完全に解禁され、また、サンドスター技術を導入した企業には従来定められていた環境保護法の効力が及ばなくなった。サンドスター技術の発展により、サンドスターそのもののコストが低下していることから、製造業などは速やかにサンドスターを導入すると見られている。

 既に米、中、印ではサンドスター技術が民間に導入されており、環境保護を考慮する必要のなくなった製造業は特に目覚ましい成長を遂げている。その為、本法案の成立は、国際競争力を維持したい日本の製造業の大きな圧力が裏にはあったとされる。


批判相次ぐ―与党内部からも批判が―

 しかし、一部の環境保護団体からは批判の声が上がっている。徹底的な研究にも関わらず、未だに真相の見えないサンドスターを大々的に導入するのは危険だと指摘する有識者もいる。また、環境保護団体内部、さらには一般国民の間でも本法案の評価は紛糾しており、立法府が本法案を可決したと言っても、果たして国民の賛同が得られていたかどうかは疑わしい。与党内部にも「時期尚早だ」との声が上がっている。

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