突然の知らせ

「…え」


今…何て…?


「だから、君のドナーが見つかったんだよ!」


医者が発した言葉に暫く思考は停止した。


祐介も、驚きを隠せないでいる。


ドナーって…嘘でしょ?


そんな俺と祐介に、医者は続けた。


「さっきお母さんにも説明したら、是非に、との事だ。手術は2日後だよ」


「ちょっと待って下さい…あの、涼は…助かるんですか?」


口を開いたのは祐介だった。


祐介の言葉に、医者は考え込み、暫くしてから重たい口調で話し始めた。


「…正直、成功率は低い。だが、このチャンスを逃せば…涼君の先は短いだろう」


手術をせず、短い一生を終えるのか。


それとも、一か八かの勝負に出るか。


「…どっちか…しか、ないの…なら…」


俺は覚悟を決め、渇いた声で絞り出すように、だがはっきりと言う。


「手術…します」


「涼…」


「祐介、俺なら大丈夫だから」


心配そうな顔で俺を見る祐介に、安心させるように笑った。


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