captur#8

#33

男は目を覚ました。




『お目覚めか』

楓が隣に座っていた。

『ファントムと戦ったのか?』

男がそう思ったのは楓の顔に絆創膏を付け、頭には包帯を巻いていたからだ。

『あんたを病院から連れ出すのに苦労したよ、何せ身元がわからないままだったからな』


『・・・・・』


『色々聞きたい事があるが・・とりあえずあんたの名前を教えてくれ』

男は少しためらったが次第に口を開いた。

『三島だ・・・三島和寿(みしまかずとし)・・』

『歳は?』

『39だ』

『風貌から年上だと思っていたが、以外に若いな』

『フケ顔は昔からだ』

『グレート・エスケープとファントムの関係を話してくれ』


三島は辺りを見回した、そこは病院とは言い難い薄暗い備品倉庫みたいだった。


『ここは鳥飼インダストリーAS研究所の地下室だ。そして僕の活動場所でもある』

『ここから始まったんだな・・』

『ここなら話は漏れない、僕とあんたの2人だけだ』



三島は決心したのか重い口を開いた。

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