第二部『プロット講評会』


第一部が終わり、第二部のプロット講評会に。

参加者は全員、事前に記入フォームから、

必要事項を記入するようになっていました。

事前の記入フォームにあった項目は

「タイトル」「キャッチコピー」「登場人物」「プロット」の4つ。

今回は「登場人物」「プロット」の2つを載せます。


ですがちょっとしたトラブルがありまして。

「登場人物」の文章を保存していなかったようです。。。

そんな事情もあり「登場人物」に関しては、

記憶を頼りに復元したものです。

書き直したい部分も多々ありますが、

記憶を頼りに、できるだけ提出したものに

近い形のものを載せています。


「プロット」の方ですが、

こちらは提出したものと完全に同じです。

記入フォームでは改行不可だったので、

編集者さんが目を通しやすいように、

【起】【承】【転】【結】を入れています。

多少の不自然さはご容赦ください。


長くなりました。

登場人物、プロット、頂いたアドバイスです。


~ 登場人物 ~

【遊坂】(ゆさか)年齢:29 性別:男

教室長。文系担当。実家が飲食業を営んでいたため、幼少の頃から、接客のコツを自然に身につけてきた。受験や教育に信念を持っており、それに反するものにはたとえ上司でも全力で吠える。性格や立場上、怒る側にまわる場面が多いが、本当は優しく、ユーモアがある。ゾウになりたい。


【今井】(いまい)年齢:28 性別:男

教室2番手。理系担当。仕事にも慣れてきた、塾業界3年目。子供たちに楽しく勉強してもらえるように、勉強の楽しさ、教科の楽しさを伝えたいと思い、働いている。現実よりも理想が好きで、夢という言葉を聞くと全力で応援したくなる。


【立樹】(たつき)年齢:14 性別:男

中学に上がると同時に引きこもりになる。ウェブ上にホームページを開設して、その掲示板で外とのコミュニケーションをとっていた。勉強や受験に対して実感がなかった。その話を掲示板ですると、高校生だという投稿者から遊坂の塾を紹介される。その投稿者の高校が一高だと聞き、それだけの理由で一高を目標に勉強を頑張ろうと決意。母と子の二人暮らし。




~ プロット ~

【起】英語6点。数学3点。国語8点。 それが立樹の入塾テストの結果だった。 中学1、2年を引きこもりで過ごしてきた立樹。 そんな立樹の目標高は「一高」だった。県内屈指の難関校。その挑戦は夢物語としか思えなかった。

「今から一生懸命勉強すれば行けますか?」

その質問に、今井は迷いなく答えた。

「条件は多いけど大丈夫。行けるよ」

それが立樹との一年の始まりだった。

今井は教室長の遊坂に、立樹の件で話をされる。

「なんで合格できる、なんて言った。挑戦して、途中でやっぱりダメでした、なんて最悪だろ」 今井は何も言い返せなかった。遊坂は最後に一言。

「責任取るのは俺だ。お前は自分で言ったことを絶対やり通せよ」


【承】 立樹の勉強は小学5年生算数から始まった。

「最小公約数ってなんですか?」「……1だね」

立樹と今井は基礎的な内容を確実にこなしていった。 解ける問題が多くなり、立樹は「勉強が楽しい」と言った。 同時に立樹の中に不安もあった。

「僕、こんな調子で大丈夫ですか?」 その質問に今井は、過去問集を開いて、第一問(2)を解くように言った。 ペンを走らせる立樹。不安げに答えを見せた答えに、今井は笑顔で丸をつける。

「最小公倍数が分かれば、分数の問題がとける。立樹が勉強していることは全部入試につながっているよ」

立樹の成績は順調に伸びていった。 そんなある日、立樹は今井に相談をする。

「勉強が楽しくなったから、学校に行きたい」

今井は悩んだ。 学校に行ったほうがいい。学校は他の子と一緒に過ごす大切な場所だ。 でも、今学校に行けば勉強内容の食い違いが起こる。合格のためには行かないほうがいい。 人生か、夢か。 決められない今井は遊坂に相談した。

遊坂は迷わず「学校だ」と答えた。

「ちゃんと教えてやれ。立樹がやろうとしていることがどういうことなのか。その上で、背中を押してやれ。子供に自信をつけて、背中を押してあげるのが俺たちの仕事なんだから」

今井は立樹に話をした。立樹は学校に行き始めた。


【転】 立樹の成績は伸び悩んだ。 立樹は学校で疲れた体を押して目をこすりながら、塾で勉強した。 テストの成績は少しずつ取り戻してきた。 そんな折に、遊坂は今井に、タイムリミットを告げた。

「次のテストで370を超えなかったら立樹の志望校を下げる。それをお前が伝えろ」

今井は立樹に話をしてテストを受けさせた。

立樹は自己ベストを出した。

5科目で362点。8点のショート。

「約束だ。志望校を下げる。受験するなら合格させるし、合格できないなら受験させられない」

「失敗を恐れて挑戦しないなんて、そんなの教育じゃない」

「落ちた奴はみんな言う。合格できなくてごめんなさいって。お前はそれを立樹に言わせるのか。一番信頼しているお前 に、不合格は自分のせいだって、言わせる気か」

今井は奥歯を噛んで受け入れ、立樹に志望校を下げることを告げた。

次の日から、立樹は塾に来なくなった。


【結】 3日後。立樹は塾に来た。 受験届けを一高に出したと言った。

今井は遊坂にそのことを報告した。

「受験させるなら合格させろ。最後まで走らせろ。それだけだ」

受験までの残り数日を立樹は勉強をし続けた。 受験が終わり、合格発表の日。 立樹は「ごめんなさい」と言って泣いた。

夜。今井は遊坂と話をした。

「毎年、合格発表の日が辛い。心に傷を負うから。それが不合格だ。もうこんな想いたくないと思う。だから腕を磨いて、一 人でも多くの子を合格させられるスキルを身につける。また来年が来る。次の子供達の挑戦のために、立ち止まってる暇 はないよ」

こうして立樹と一緒に戦った一年が終わった。

高校生になった立樹はたまに塾に遊びに来る。

「1日13時間勉強してます」 ついこの前もそう笑顔で塾に報告をしに来た。

その言葉と笑顔に、今井もまた、気持ちを引き締める。




~ 編集者はこう見る ~


【最初のジャブ】この仕事はご職業ですか?

受験を取り扱っているのはいいですね。

子供も、親も読みますから。


【チェックポイント1】これ、主人公は今井ですよね?

このプロットだとどのキャラクターを立たせたいか、が分かりにくいですね。『主人公が受身なので、キャラが立っていない』です。今井が他の人の行動に対してどう動いていくのか、がないと。

塾であれば他の生徒もいるでしょうし、他の先生もいるので、『主人公が他の人と、どう違っているのかを出していけると、ストーリーにもキャラクターにも奥行が出ます』


【チェックポイント2】このプロットだと、まだ第一話みたいな感じです。

『大きな挫折があって、それでこの先どうなっていくのか』。もしくは『他の人との関わりでどう変わっていくのか』。それこそが大切なところなので。

今井の、人間味や周りの人との関わりで、『どう変わるのか、どう成長するのか』をもっと見たいです。主人公が変わったり、周りが変わったり。そう言ったムーブメントが欲しいですね。

例えば、立樹の点数の話を出して大きな変化を見せたり、立樹が実際に高校に見学に行って、そこでトラブルがあったり。

『ピンチ、って読む側にとっては惹きつけられるイベント』ですよね。大きな転機とか。そう言った起伏があるといいです。

今のままだと、「こうなりました」をそのまま読んでいる感じです。少し盛っても良いくらいです。


(今のままだと、「こうなりました」をそのまま読んでいる感じ、

という言葉が刺さり抉られたので、ちょっと脱線ですが)


【こちらから質問】プロットの書き方ってどうしたらいいですか?

【答】人それぞれですね。読む側の受け取り方が様々なので。

最低限、タイトル・キャラクター・ストーリーがわかれば。

枚数だとA4で多くても3~4枚くらい。

大切なのは『この場面でこう変わって、最後はこうなった』が分かることです。

あらすじと原稿はセットで読むので、あらすじに全部入れようとしなくても大丈夫です。

今回のプロットで言えば、『誰に、何が起こって、どうなったのか』をセリフを削って、文章でエピソードっぽく、想いや考えたことを書くといいです。セリフだと雰囲気やキャラクターは伝わりますが、多過ぎるとちょっと。

あとは「伝えたいこと」がわかるといいですね。

ファミリーテイストなのか、しっとりな感じなのか。


(ここで時間に。最後に何かありますかに対して)


【最後の質問】ラストはやっぱり、ハッピーエンドの方がいいんですか?

【答】不合格でも問題ないですよ。

むしろ今回は低い位置からスタートしているので、合格すると作り物っぽくなる可能性が。

大切なのは、一緒に頑張ったから合格しても、不合格でもいい。

そう言えるくらい『頑張る過程』です。しっかり過程を積み立てを作れば、不合格でも大丈夫です。


ぜひ頑張って書いてください。



~ まとめ ~

・主人公が他のキャラクターとどこが違うのかをはっきりさせよう。

・変化(成長)をわかりやすく明確にしよう。

・ピンチを作って、乗り越えよう。

・挑戦する場合は、過程をしっかり書こう。


どこかで聞いたような、ありきたりなまとめになってしまいました。

つまりは、そういったありきたりなポイントを、

いくつ意識して、意識的に作品に落とし込めたか。

が大切なのだろうと、思います。



以上で第二部は終了です。

お仕事コンテストに特化した内容でしたが、

第一部、第二部を通して、

書き手として勉強になった会でした。



ユーザーミティングの内容は以上で終了ですが、

最後におまけをひとつ載せたいとおもいます。


前回のユーザーミーティングで、

お世話になりましたカワノさんにご挨拶をしながら、

「面白い作品の発掘の仕方」を聞きました。

その内容をおまけとして載せたいと思います。


聞いた内容は「発掘の仕方」ですが、

書き手にとっては「こうすると読まれやすい」

という内容ですので、

興味のある方は是非参考にしてみてください。


後日更新します。

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