第2話 言葉の難しさ

 彼の目の前で茎馞は国語辞書を持って説明し出した。

「これね、こうやって使うの」

 茎馞はパラパラと軽く開いた。

「人の言葉の意味が分かる本だよ」

「……!!」

 彼は目を丸くして見ていた。

「鴉はかしこいって聞くから……どうかなって」

「……」

 茎馞は彼に国語辞書を渡した。

「ちょっとずつでいいから、覚えてみて」

「……」

 彼は茎馞の言葉を聞くと、国語辞書をソファに座って国語辞書を開いて見ていた。

「そういえば星環ってまだ見れるのかな?」

 ベランダの扉を開けて、空を仰いだ。ふと下を見たら紙切れが落ちていて、それを拾い上げた。たった一文字、書かれていた。

ひらく……これってあなたの名前?」

 啓は、分からず困り果てて作り笑いをした。

「そう……」

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