第2話 南海の孤島にて~伝説と失踪と~


「ふぁ……」

「ほら、さっさと歩いて」

 抜けきらない眠気に大あくびをしながら、後ろをゆっくりとついてくる水棲人の少女・モラーリア。

 いつもと同じく、彼女の二の腕にある銀色の鱗をひっぱって海岸を急がせながら、ぼく――ナーヴァ・ルスの一日は始まった。

 時間はまだ月が高く昇っている深夜だ。

 しかし、ぼく達が住むアルディー島ではこれでも十分寝坊の烙印を押されてしまう。

 漁業を主産業とするこの島では、ぼく達みたいな見習いは日付が変わる頃には船底についた貝や藻を掃除して、船主の到着を待っていないといけない。今日は当然遅刻だ。

「痛たたたたたたっ!もう、乙女のやわウロコをつねるなんて、ナーヴァはひどいよ」

 二の腕を押さえるモラーリア。その腕で、水棲人としては不本意なほどに大きくなった胸が押し上げられる。

 紅潮してくる頬だけは絶対に見せないように明後日の方へ顔をそむけると、僕は文句を返す。

「いつも時間ぎりぎりまで寝てるモラーリアが悪いんじゃないか……最近のは、理由があるから、仕方ないとしても……」

 うっかり口から出てしまった言葉に、激しい後悔の念が押し寄せてくる。

「……ごめん」

 自然と、振り返って頭を下げていた。

「ううん、大丈夫……」

 頭を横に振ると、モラーリアは胸元にしまっていた首飾りを取り出す。そのヘッドにつけられた銀色の宝石が、月光を受けて輝きを増す。

 母からの贈り物だというそれは、まるで想いを伝えるように、温かみのある光をモラーリアに与えていた。

 宝石を見つめていくらか悲しみが和らいだモラーリアが、おもむろにつぶやいた。

「……なんで、ナーヴァはそんなに心配してくれるの?」

「それは、昔から一緒に暮らしてるし……もう、両親もいないし……」

 突然投げられた質問に、ぼくはぽつりぽつりと理由を口にのせていく。

「それに……」

 ちらり、と何かを期待したような顔でこちらを見つめるモラーリアを横目で一瞥する。

 目尻にたまった涙が、月の光を受けてきらきらと輝く。

 そのかわいさに、さっきとは別の意味で顔が熱くなっていくのが自分でもはっきりと感じられる。

 しかし――、

「……なんでもない」

 また、言えなかった――盛大なため息を心で吐きながら、ぼくは残念そうなモラーリアの先を歩き始める。

 意気地の無い自分を、どなりつけたくなってくる。

(昔は、いっしょに寝たりしてたのに……)

 幼かった頃の無邪気さが今はとてもまぶしい。

「あ!」

 と、考えごとに没頭していたぼくの意識を、後ろからのの声と、続いて追い抜いていったモラーリアの後ろ姿が現実にひきもどした。

「どうしたの?」

「あそこ、人が倒れてる!」

 急いで走りながら、モラーリアの指さす方を見る。

 波打ち際に、うつぶせに倒れた人影と、月明かりを受けて光るものがあった。

「あれ、鱗?」

「そうだよ!わたしと同じ、水棲人だよ!」

 会話を続けながらも、ぼくたちの走る速度はゆるまない。

 倒れていたのは2人、人間の男性と水棲人の女性だった。二人とも、傍目で分かるほどの大怪我や出血はしていないように見える。

 男性の方は、まさに船乗りといった服装で、腰に剣を帯びている。しかし、その身体は細長くて、服装とはミスマッチな印象だ。

 手の甲に浮き出ている痣のようなものが、彼の容態が危険な事を知らせるように赤く明滅している。

 女性の方は、男性の方に肩を貸した格好で倒れている。

 おそらく、潜水能力の高い水棲人の女性が男性を救助してこの海岸まで泳ぎ着き、そのまま疲労で倒れてしまったのだろう。

「大丈夫ですか!?」

 親方から教わっていた救命処置を続ける事数分、男性の方がたまっていた水を吐き出してくれた。

「ごほっ、がはっ……はぁ……」

 深呼吸を何度かして身体の奥に残っていた水を空気と交換すると、弱々しい瞳をぼくにむけてきた。

「近くに、まだ人が……彼女の子供たちと、僕の……」

 残っていた力を振り絞って、荒い息の中から必死に紡がれた言葉は途中で途切れ、そのまま男性は気を失ってしまった。

「モラーリア、親方を呼んできて!まだ遭難者がいるらしい!」

「う、うん!」

 あわてて港へ走り出したモラーリアが大人達をつれてきたのは、それから10分もしなかった。

 そして、遭難者の捜索は明け方まで続けられた――。


「う……っ!」

 全身を苛む痛みに、たまらず声があがる。

 それで、意識が無理矢理覚醒させられた。

「ここは……」

 ゆっくりと瞼を開くと、木で作られた天井が目に入る。

 どうやら、どこかの住居のようだ。それも、今までいた場所とはずいぶんと異なる様子の。

 暖かい空気を、窓から入ってくる潮の香りと湿気が混ざった風が攪拌していく様子に、トマスはおおよその状況を理解した。

(そうか、僕は沈むネオ・ユニコーンからマーミャに助け出されて……この家に運び込まれたのか……)

「……ん?」

 右足に感じる違和感に、ゆっくりと上半身を起こす。

 そこには、足の上に突っ伏しているマーミャの姿があった。

 その傍らでは、彼女の二人の子供達が同じ姿勢で寝息を立てている。

「シンシアたちも無事でしたか、よかった……。マーミャ、大丈夫ですか?」

「ん……トマスさん……ハッ!」

 一瞬だけ気だるげだった顔はすぐに驚きに染まり、続いて安堵のため息を漏らした。

「よかった……どこか痛む所はありますか?」

 マーミャの言葉に腕や肩を回してみるが、筋肉や骨に異常はなさそうだった。

 沈没した船から泳いできたのに傷がないというのは、本当に奇跡的だ。いや、それもマーミャのおかけなのだろう。

「いいえ、大丈夫そうですね。ありがとうマーミャ、本当にたすかりました。ところで、僕はどれくらい眠っていたか分かります?それと、ここはどこですか?」

 トマスの質問にしばし思考をめぐらせ、指を折って日付を整理すると、マーミャは口を開いた。

「えっと、ネオ・ユニコーン号から脱出して、今日で3日になります。それで、海岸に倒れてた私やトマスさんをこの家まで運びこんでくれたのは――」

 人の気配を感じたマーミャが振り返ると、部屋の入り口に2人の少年と少女が立っていた。

「彼らです」

「あ、目を覚まされたんですね……よかった。大丈夫ですか?」

 心配そうに近づいてくる少年と、その背中に隠れる少女に、トマスは礼を言う。

「おかげさまで、たいした怪我もなさそうです。君たちが助けてくれたんですね?本当にありがとう。えっと――」

「ナヴァー・ルスです。この島で漁師見習いをしてます」

 簡単な自己紹介をしてくれた少年の方は、程良く筋肉のついて引き締まった身体を陽に焼けた小麦色の肌で包み、見知らぬ人へ接する不安の中にも理知的な光をのぞかせる黒い瞳をこちらへ向けている。

「こっちの子はこの家の家主のモラーリアです」

 紹介に、少女の方へと目を向けたトマスの眉がぴくりとはねる。

 ナヴァーの後ろに隠れているモラーリアの二の腕には、マーミャと同じ銀色の鱗があったからだ。

「そこの君は……もしかして、水棲人ですか?」

「……はい」

 おずおずと近寄ってきた少女は、間違いなく水棲人の特徴を備えていた。

「まさか、こんな離れた場所にも水棲人がいるなんて……」

 トマスの口から漏れたつぶやきに、ナヴァーの目が期待に輝く。

「離れたって……あなた達はどこから来たんですか?」

「僕たちは、北の大陸にあるアロストル共和国から来たんです。南の世界を見るために」

 そこまで口にして、トマスは一つの気づきに目を大きく見開いた。

「マーミャ、ツバキは、ツバキはどこですか!?」

「大丈夫です。ツバキさんはもう元気に回復しました。今は、漁師さんたちの手伝いをしていると思います。皮肉ですけれど、マイクローゼの残滓のおかげかもしれませんね」

「そうですか……」

「ツバキさん、ひどいんですよ。わたしが『一緒にトマスさんの容態を看ていませんか?』って誘ったのに『コイツは絶対大丈夫だよ』って気軽に言って……」

 頬を膨らませるマーミャに、トマスは微妙な表情を浮かべる。

「それは、信頼されているんですかね?ま、彼女らしいといえば彼女らしいですが」

 苦笑交じりの顔をマーミャに向けると、今度は入り口の二人に船長としての顔を向ける。

「僕だけでなく、マーミャたちやツバキまで救っていただき、本当にありがとうございます。僕は、ネオ・ユニコーン号艦長のトマスといいます。それで、ほかに、救助された人はいませんか?」

「……ぼく達が助けられたのは、あなた達5人だけです……」

 ごめんなさい、と頭を下げるナヴァーとモラーリア。

 その場を、沈痛な雰囲気が支配する。

『なぁんて顔してんのさ。アタシ等は無事だよ』

 重くなった雰囲気を吹き飛ばすような明るい声が、部屋に響いた。

「これは……」

 声を耳にしたトマスは、はたと何かに思い至った表情を浮かべた。

 すぐさま自分の腕を前へつきだし、その手の甲へ意識を集中する。

 何事かと全員が注視するなか、手の甲に新たに浮かび上がった刻印から、光がほとばしる。

 閃光が終わり、瞼を開いた彼らの目の前には、トマスの手の甲に乗った小さい女海賊の姿があった。

『まったく、あんな程度で殺されちゃたまんないよ』

「レイナさん……」

 ふん、と鼻をならすレイナを見つめながら、呆然としたままのマーミャが彼女の名前をつぶやく。

「まさか、死にきれなくてこんな形で……」

『だから、勝手に殺さないでってば。今、アタシたちは海の底で元気にしてるよ』

「え?」

「普段使う刻印以外に、僕にはもう一つの印があるんです。それは「キャプテン・ユニコーンと契約を交わしている、契約者である」という印です。これがある事で、僕とレイナはお互いに居場所や状態を関知できる」

『そういう事。で、その契約の刻印を使うとこんな事もできるってわけ』

「普段全く使わないから、失念していましたよ。それで、仲間たちが無事というのは、どういう意味です?」

『ワタシの領域を使ったのさ』

 船に憑いた幽霊であるレイナは、自分の一部を霧状にする特殊能力を持つ。その『領域』を使う事で海底に沈んだネオ・ユニコーン号へ押し寄せる水圧と浸水範囲をある程度押さえ込んでいるのだという。

 トマスやツバキを救出できなかったのは、ほかの船員からかなり離れた位置にいたため、救助が間に合わなかったのだそうだ。

『飲食に関しちゃ問題は無いよ。幸い食料庫は無傷だったからね。アタシの領域もまだ大丈夫』

「そうですか……しかし、あまりのんびりとしていられる状況でもありませんね。船を修理する方法はありますか?」

『そいつは難しいね……修理の為に領域の密度を下げたら水が入り込んでくる。それに、マーミャたちに頼もうにも、またあの攻撃が来たらと思うとね』

 忌々しげに目を細めるレイナに、トマスは頭をひねって沈没時の状況を思い出す。

「あれは、いったいなんだったんですかね……マーミャ、何か覚えていますか?」

「私が見た時は、ゴーガ島の時の物にとてもよく似た筒が、水中をすごい速度で進んでいました。それと、その近くから水棲人の声がしたんです」

「水棲人の声だって!?」

 突然部屋に響いた大声に、顔をあげたトマスが見たのは、マーミャに驚いた視線を送るナヴァーとモラーリアだった。

「その話、もっと詳しく聞かせてください!」

「え、ええと……でも、私は声の主を見たわけじゃないのよ。ただ、海中で「助けてー」ってたくさんのつらそうな深声が聞こえてきただけで……そのすぐ後に、あの筒がすごい速度でネオ・ユニコーン号に向かっていったの」

「……」

「……」

 マーミャの話しを聞いた二人は、複雑な表情をして黙り込んでしまった。

『何があったのか、お姉さんたちに話してくれる?もしかしたら、力になってやれるかもしれないよ』

 手の甲に立つレイナの優しい問いかけに、水棲人の少女は顔を上げると、意を決した表情で話しはじめた。

「実は最近、漁にでた水棲人たちが次々と行方不明になっているんです」

「水棲人が行方不明?」

 少女の言葉に、今度はマーミャが食いつく。

「はい……漁に出るたび、いなくなってて……」

「そうなの……」

 今にも泣き出しそうなモラーリアの言葉に、不安げな表情を浮かべるマーミャ。

 そこに、考え込むトマスから言葉がかけられた。

「マーミャ、深声は途中で途切れたんですか?」

「えっと……ネオ・ユニコーン号に急いだので詳しくは覚えていないんですけど、たしか段々弱くなっていったと思います」

 マーミャの答えに、トマスは己の思考に筋道を立てて行く。

「囚われた水棲人……僕たちの船に水中を通ってぶつけられた砲弾……近くの島での水棲人消失事件……」

 ぶつぶつと単語を並べると、ややあって顔を上げる。

「僕達の船を沈めた相手が、この島の水棲人を拉致している可能性があります」

 トマスの静かな声に、マーミャはハッとして彼の方へ顔を向けた。

「…………」

 無言のまま、鋭い視線を窓の外へと向けるその横顔に、理由を問おうとしたマーミャの背筋が寒くなる。

(トマスさん……すごく怒ってる……)

 普段はきさくで誰に対しても愛想が良いトマスだが、一方で自分の中のルールを侵す者には容赦がない――マーミャたち近しい人間だけが知っている一面だ。

『アタシもその考えは合ってると思うよ。マーミャ、怒り心頭って雰囲気出してる息子を頼むよ。それと、あんた達も十分気をつける事』

「はい。なるべく早く、レイナさんの船に戻れるようがんばります」

 マーミャの言葉にしっかり首を縦に振ると、真紅の女海賊は姿を消した。

「それでは、行きましょうか」

 ゆっくりと身体を動かしてベッドから降りるトマスに、マーミャはあわてて肩を貸す。

「ありがとう、マーミャ。けど、大丈夫ですよ」

「ん……トマスさん……」

「あ、にーちゃん起きた」

「おはようございます。シンシア、スタール。すこし、お母さんと出かけてきますね」

「気をつけてくださいね」

「うん、いってらっしゃーい」

 寝ぼけ眼をこする二人に海に近づかないよう言い含めると、トマスたちはナヴァーたちの案内で部屋から出ると、その足で海岸へと向かった。


「あ、トマス!大丈夫!?」

 砂浜にツバキは、回復した幼馴染の様子に明るい表情を見せた。

「それはこちらのセリフです。本当に、無事でよかった……ところで、何をしているんです?」

 ツバキの足元には、破れた網と糸が置かれていた。

「見てのとおり、漁で使う網の修理。最近、水棲人が行方不明になってるらしくて、人が足りないんだって。だから、少しでも力になれたらと思って」

 昔やってたしね、と遠い目をするツバキの視線に気づき、トマスはわざとらしく笑みを浮かべる。

「あんなに遊びまわっていたあなたが、きちんと漁師の仕事を覚えているとは思いませんでしたね」

「あたしだって漁師の家の娘だもの……それで、これからどうするの?」

「幸い、レイナや他の船員は無事に海底にいるそうです。僕達は、ネオ・ユニコーンを沈めた相手を突き止めます」

「よかった……皆無事だったんだ……それで、突き止めるってどうするの?」

「この島で起きている水棲人行方不明事件の犯人が、僕達の船を沈めた相手らしいんです。だから、まずは相手について色々調べてみようと思ってます」

「そっか……相手にとって不足なし、だね」

 口元から八重歯を見せて笑みを浮かべるツバキ。

「おう、元気になったみたいだな」

 と、聞きなれない野太い声が彼らにかけられた。

 座ったままのツバキに合わせていた視線を上げると、そこには筋骨隆々な壮年の男性が立っていた。陽にやけた縦にも横にも大きな身体の上には、白み始めた頭と彫りの深い顔がのっている。

「親方」

「ナヴァー、遭難者の介抱頼んじまって、すまねえな。こっちは連日対策会議で場所があけらんなくてな」

「そんな……ぼくが出来る事なんて、これくらいで……」

「十分だ」

 照れて俯くナヴァーを、太い腕でがしがしと撫でてやりながら、親方はトマスたちへ視線を向ける。

「災難だったみてえだな……オレはカギーリュって言う。ま、漁で纏め役やってたらいつの間にか島の連中の代表みてえになっちまった。皆からは親方で通ってるから、あんたたちもそう呼んでくれ」

 がはは、と大口を開けて笑うカギーリュの笑みに、トマスとツバキは懐かしい物を感じていた。

 彼らの生まれた島の漁師たちが、まさにカギーリュのような感じや雰囲気を持った人たちだったからだ。

「この度は助けていただきありがとうございます。ネオ・ユニコーン号の船長、トマスです。こちら、幼馴染のツバキと、船員で昔から馴染みのマーミャです」

「二人も女連れてるなんざ、やるねぇ」

「そういうわけじゃないんですけど……」

 3人を面白そうに眺める親方の生暖かい目と、左右から突き刺さる鋭い視線を咳払いでかわしつつ、トマスは本題に入る。

「ナヴァー君から聞いたんですが、なんでも最近、水棲人が行方不明になっているそうですね」

「ああ、全くどうなっていやがるんだか……」

 親方は、苦虫を噛みつぶした表情を海に向けながら、経緯を話しはじめる。

「今から、1ヶ月くらい前、漁に出た水棲人が予定時間になっても船に戻らなかった時があった。そいつはベテランだったから、何事かってんで仲間の水棲人がそいつが担当していた海域に潜ったのさ。だが、そこには水棲人どころか一匹の魚すら残っちゃいなかった。それからさ。漁にでると、必ずどこかの班が消えるようになったのは……」

「班……?」

「ああ、ウチの漁法は、水棲人たち数人の班で魚の群を追い立ててもらって、陸近くで待機している船が網で捕まえるって方法をとってる。水棲人と人間の合わせ技ってヤツだな。一つの班につき3人の水棲人がいる」

「それじゃ、かなりの人が……」

「ああ……だが、オレたちは漁無しにゃやっていけねえ。島の外との貿易もそうだが、そもそも自分達の飯なんだ」

 悔しさとふがいなさに細められた親方の目は、複雑な表情を浮かべるモラーリアに向けられる。

「すまねぇな……だが、オレ達には調査に割ける人手もねぇ……被害を増やさないよう対策を考えるのに手一杯で、親友のアイツらを探す事すらできねえ……」

 慚愧の念に顔をゆがめながら頭を下げる親方。その足下に、ぽつりぽつりと滴が落ちる。

「なら、僕たちが何とかしますよ。どうやら、相手は僕たちの船を沈没させた張本人のようですから」

「いいのか……?」

「はい。僕たちを助けてくれたお礼をさせてください。食事の世話までしてもらって、何もせずにいるわけにはいきませんからね」

「さすがトマス!」

 ぱぁん、と幼なじみの背中を叩いたツバキは、自信満々の顔をして言った。

「こっちの方はあたしが聞いて回るよ。意識が戻ったからっていきなり一日炎天下の中聞き込みなんてさせられないからね。他の方を探してもらえる?マーミャ、悪いけどトマスのお守り、おねがいね」

「任せてください!」

 堅く拳を握るマーミャに頼もしそうな表情で笑いかけると、ツバキは修繕が終わった網を持って、船の整備をしている老人の元へと歩いていった。

「ナヴァー君、一通りこの島を案内してもらって良いですか?」

「いいですけど、大丈夫ですか?」

「そこまで大きな島というわけでもなさそうですし、大丈夫でしょう。それに、多少歩かないと、身体がなまってしまいます」

「それなら、いいですけど……無茶はしないでくださいね」

 心配する瞳で何度も自分を振り返るナヴァーに微笑みを見せつつ、トマスたちは再び歩き始めた。


 トマスの想像通り、島はあまり大きくはなかった。

 住民も島の中心に広がる鬱蒼とした森(通称、日無しの森)を避け、海岸とその近くの平野に居を構えている。日無しの森の中は天然の迷宮のようになっている上、獰猛な獣がすんでいる為、とても人が入っていける場所ではないそうだ。

 住人のほとんどが漁業に関係する職業に就いており、主な交易品も海産物や、それの加工品。

 そして、この島で特筆すべき事として、水棲人の扱いがある。

 トマスたちの地方では、水棲人は差別されるかありがたがられる種族という感覚があったのだが、この島ではまったくそんな事はなく、ふつうの隣人としてつきあっているようだった。

 また、水棲人の方もトマスたちの地方のように海底や洞窟など人目につかないところに集落を作るなどはせず、人間の家の横に家族が集まった家を建てていた。

「こんな生き方も、あるんですね……」

 一緒になって楽しそうにはしゃぎ回る水棲人の子供と人間の子供を見つめるマーミャの口から漏れた言葉が、トマスには重く感じられた。

 それだけに、連続水棲人行方不明事件は、島の全員が心を痛めてるようだった。

「海にでられないんじゃ、この島は死んだも同然だ。昔は人も多く訪れていたものだったが、今やすっかり寂れてしまった」

 傾いた太陽に照らされながら船の整備をする老人がこぼしたつぶやきは、島民全員の心境を代弁したようにトマスやマーミャには思えた。


「これで、島はだいたい回りましたけど……身体の方は、大丈夫ですか?」

「ええ。大丈夫ですよ」

「そういえば、あの人のところに行ってないね」

 帰路につこうとしていたナヴァーに、モラーリアが声をかけた。

「あの人?……ああ」

 合点がいった表情のナヴァーは、少しすまなそうにトマスに声をかけた。

「えっと、もう一人会ってほしい人がいるんです」

「会ってほしい……とは?」

「その人も、あなた方と同じく遭難してこの島に流れ着いたんです。でも、目覚めた時には記憶喪失になっていて……外から来た人と話せば、何か思い出せるかもしれません」

「それは、ぜひ協力させてください。その人の家はどこです?」

「集落から少し離れた場所に一人で住んでます。なんでも、あまり人が多いとひどい頭痛がするとの事で……」 

「大勢に囲まれて暴力でも振るわれたのでしょうか……」

「わかりません……これくらいの人数なら大丈夫だと思いますけど……」

 いささか不安が残るナヴァーの言葉に身構えながら海岸沿いを歩く事数十分。その家――というより小屋は、まるでせり出している森の木々に隠れるようにひっそりと建っていた。

「こんなに森が近くに……いいんですか?日無しの森には、危険な動植物が蠢いているんですよね?」

「ぼくたちも何度も忠告したんですけど、どうしてかここに住みたいとこだわっていて……」

「もう、ナヴァーは心配性なんだから。大丈夫、エルダートさんは悪い人でもなんでもないんだから。ほら、さっさと入ろう。エルダートさーん、モラーリアでーす。お客さんも一緒だよー」

 少女の声に答えるように、木でできた扉が少しだけ内に引かれる。

 中からは、湿った埃っぽい空気が漏れでてくる。

「失礼しまーす」

 勝手知ったるとばかりに上がり込むモラーリアに続いて小屋に入っていく一行。

「っ……!」

「どうかしましたか?トマスさん」

 小屋の中へ入った瞬間、手を押さえたトマスに、マーミャがあわてて駆け寄る。

「いや、何でもありません。少し、刻印がうずいただけです」

 トマスの言葉に、マーミャの表情がひきしまる。

「……わかりました。もし、ひどくなるようなら、すぐに言ってくださいね」

 マーミャの言葉に頷くと、トマスは手を後ろに組んで小屋を歩き始める。

 中は、清潔さとはほど遠い有様だった。

 積もった埃で床にくっきりと残る足跡、壁の木材はそこかしこに隙間があいており、結果的に照明がなく真っ暗な内部に日の光を呼び込んでいる。

 家具は急ごしらえと分かるテーブルとベッドが一つずつしかなく、その真新しさが小屋の主が最近住み始めた事を教えてくれる。

「やぁ、モラーリアさん。ご無沙汰しています。それで、お客さんとは誰でしょうか?」

 波音にかき消されそうな小さな声が部屋の奥から聞こえてくる。

 ようやく暗さに慣れてきた目で奥にあるベッドを凝視するトマスは、そこに腰掛けている男に言葉をうしなった。

 脂肪のまったく無いやせ細った身体は、常人に比べて長い両手足のせいでさらに細い印象を増しているように見える。しかし、ひ弱そうな印象を抱かないのは、細いなりに全身を覆う筋肉のせいだろうか。

 身につけている服は、島民たちの服装とはまったく異なっていた。さらに、今まで見て回ってきたどこのものとも合致しない。

 その上には、痩せこけながらも神経質そうにせわしなく周囲を伺う顔が乗っている。

「この人が、この小屋の主のエルダートさん。えっと、こちら、遭難者のトマスさんとマーミャさん。ずいぶん遠くから航海してきたそうなんですけど、何か思い出しませんか?」

 モラーリアの紹介に、エルダートは周囲を警戒していた視線をトマスとマーミャに向ける。

「…………いえ、すいませんが、何も」

「トマスさんたちの方はどうです?」

「いえ、特に見覚えはありませんね。服装も、僕たちが知っている様式とはずいぶん異なるようです」

「そうですか……」

 二人の答えに、モラーリアは落胆の表情を浮かべる。

「わざわざ連れてきてくださったのに、すいません。ところで、トマスさんたちはなぜ遭難をしたんです?」

「何者かの攻撃を受けて、船が沈んでしまいまして……」

「それは……お気の毒でしたね……ボクは、気づいたらこの島の海岸で倒れていたんです。どうしてこの島にたどり着いたのか、仲間はいたのか、それすらも分かりません……」

「大変ですね……」

 想像の及ばない辛い境遇に、トマスもマーミャも言葉を続けられなかった。

「ところで、エルダートさん。ぼくたち今、水棲人連続行方不明事件について調べてるんだけど、何か知らない?」

「ちょっと、ナヴァー」

 ナヴァーのつっけどんな態度に、モラーリアがムスっとした顔で抗議する。

 二人のやりとりを特に気にした様子もなく、エルダートは首を傾げたまま、言葉を探しながら口にのせていく。

「さぁ……なにぶん、ボクはこの島に来てから日が浅いもので……」

「いったい、いつからこの島に?」

 トマスの問いに、エルダートはしばらく思考を巡らせる。

 ややあって、自信のなさそうな答えが返ってきた。

「たしか……救助していただいてから1ヶ月と少しになりますかね」

「一ヶ月ですか」

「はい。食事を皆さんから分けてもらって、だいぶ体力は回復してきました。本当に、この島はやさしい人が多いですね」

「普段は何を?」

「人が多い所がダメなので、漁師さんたちの手伝いが出来ないんです……。ですので、海岸で貝殻を集めたりしてます。すこしでも足しになるならと思いまして」

 歯がゆそうに話すエルダートを見つめるトマス。

「トマスさん、話おわった?」

「え?ええ……」

 むすっとふくれ面を浮かべたままのナヴァーは、トマスの言葉を聞くと、そのまま外に出て行った。

「ちょっと、ナヴァー!ごめんなさいエルダートさん、失礼します」

 用はない、と言わんばかりなナヴァーの背中を追うモラーリア。彼らと一緒に、トマスとマーミャも外へでる。

 こうして、なし崩し的にエルダートとの話し合いは幕を閉じたのだった。


「もう!どうしてナヴァーはいつもエルダートさんに態度悪いのよ!さっきだって、トマスさんもまだ聞きたいことあったかもしれないのに!」

「別に……なんか、嫌いなんだよ、あの人」

「だからって態度に出さなくてもいいじゃない」

「まあまあ、誰にだって相性はありますから。それに、僕の方は大丈夫ですよ。少し、気になる事もできましたしね……」

 帰り道、文句を言い続けるモラーリアをなだめつつ、トマスは疼きの消えた手の甲をさすっていた。


「おかえり~、どうだった?」

 モラーリアの家に戻ったトマスたちを待っていたのは、スタールやシンシアを寝かしつけたツバキだった。

 そのまま、手伝いのお礼にもらった魚をおかずに、全員揃って夕食をいただく。

 食事の後、ナヴァーとモラーリアは漁の準備があるとの事で先に寝室へと向かい、居間には大人3人が残った。

「ツバキさん……」

「ほんと、あなたの子供たち行儀いいわね」

「すいません……お守りをしてもらっていたみたいで……」

 頭を下げるマーミャに、ツバキは手を振る。

「全然、気にしないで。本当、子供ってかわいいね~~」

「……僕に視線を向けないでほしいですね。今は一隻の船と船員を預かる船長なんですよ?それで、何か情報は得られましたか?」

 軽い咳払いで場の雰囲気を戻したトマスの問いに、ツバキは神妙な表情で口を開いた。

「あたし、さらわれた水棲人に共通点はないかなって思って、漁師さんたちに聞いてみたんだけど……そしたら、気になる話が聞けたのよ」

「気になる話?」

「そう。行方不明になった人たちは、普段から真面目に漁に精を出す人たちだったみたい。その分、仲間からも慕われてたって、漁師さんたち辛そうにはなしてくれたわ」

「真面目……ですか?それは、真面目だから漁に出ていて、被害にあったという訳ではないんですか?」

 いささか拍子抜けした様子のトマスに、ツバキは大まじめに首を振る。

「違うのよ。この島、なんでも昔はキャプテン・エメラルドって海賊が最後にいた島だって言われて、多くのトレジャーハンターが訪れてたらしいの」

(ああ、なるほど)

 幼なじみの報告に、妙に引っかかっていた老人の言葉に合点がいった。

「キャプテン・エメラルド……たしか、魔術品専門の海賊であり、冒険家……」

『そうさ。世界の海を駆け巡って、魔力のこもった危険な品物を片っ端から集めてた、自称正義の海賊。ま、だいたいは長い銀髪から《銀の女傑》っていわれてたかね』

 突然会話に割り込んできた声に、トマスは腕を前へと掲げる。

 光とともに現れたレイナは、懐かしむように視線を遠くへむけていた。

『おもしろいヤツだったよ。まさか、この島でくたばってたとはね……』

「でも、トレジャーハンターたちの探索も一向に成果をあげられず、しだいに噂も薄れていったみたい。それで、今まで以上に漁をしていかないと明日の食事も怪しいような状態になったんだって。だから時が経った今でも、特別な理由がないまま漁にでなかった人には分け前がほとんどないらしいのよ」

「ずいぶん厳しいですね……」

「他に資源が無い上に、何が住むか分からない危険な森と隣り合わせとなれば、自給自足、自力救済が常となってしまうのでしょう……僕たちの住んでいた島も、おどろおどろしい森はありませんでしたが、似たようなものでしたよ」

「漁師組合みたいな互助組織もあるみたいだけど、天候その他の連絡をするための連絡網って感じね」

「それじゃ、そんな体制に不満を持った人たちが今回の拉致を計画した……とかでしょうか?」

 マーミャの推測に、ツバキは首を横に振る。

「それは無いと思うよ。だって、真面目な人たちをさらったら自分たちが働かなきゃいけないんだから」

「う~ん……」

 再び、思考を回転させるマーミャ。

 その後も、いくつかの案が出たものの、どれも推測の域を出ないままだった。

 そろそろ明日の捜査項目へ議題が移ろうとした時、トマスが思い出したように口を開いた。

「……あの記憶喪失の青年で、少し気になる事があったんです」

「記憶喪失の青年?」

「あ、はい。実は、私たちより前にこの島に漂着した人がいたんです。でも、その人は記憶を無くしていて、自分が誰かも分からないそうです……島の人たちは、エルダートって呼んでいるみたいです」

「なんでそんな人を怪しむの?」

「彼の住む小屋にいた時、ずっと刻印が脈動していたんです。あれは、なにか良くない魔法陣が近くにある時の感覚なんです」

「良くない魔法陣って?」

「僕が昔遭遇した魔法陣は、異世界の武器を呼び出す物でした。レイナとマーミャに手伝ってもらってなんとか抑えられましたけどね」

 トマスの思い出語りに、マーミャが苦い表情になる。

「あれは、大変でしたね……爆発で周囲一帯に破片をばらまくのは、近づくのに難儀しました」

「あんたたち、どんな冒険してたのよ……で、そんな危険な魔法をその人が持っているってこと?」

「本人が自覚しているかどうかは分かりませんけどね。気弱そうな人ですし、あんまり強引な手には出たくないんですが……」

「なら、今からあたしが見てこようか?」

 ツバキの提案に、トマスはわずかな時間逡巡する。

 ツバキは、自身の莫大な魔力保有量とマイクローゼに長時間晒されていた結果、意識的に幽体離脱を行えう事ができるのだ。しかし、肉体を離れて人の姿を取る意識体は他の人間からも視認できてしまうという欠点を抱えている。

「……いえ、まだその手段は使わないでおきましょう。僕たちはあくまで余所者です。変な動きをすれば、僕たちの方が島民から怪しまれてしまう」

「そっか……じゃあ、明日はあたしも一緒にその人の所に行ってみるよ。もしかしたら、あたしの中の魔力がなにか感じ取るかも」

「お願いします。船主、そちらはあとどれくらい保ちそうですか?」

『まだ保つって、大丈夫だよ』

「具体的な日付を聞かせてください」

 鋭い視線に、根負けしたように肩をすくめたレイナは、渋々時間制限を伝えた。

『あと1週間ってとこだね。それを越えるとクルーたちが限界だ。まったく、変な所だけ気が回るねぇ』

「変に濁すからですよ。とにかく、わかりました。急ぎます」

『よろしく』

 短い言葉とともに、手の甲から光が消える。

「では、僕はエドワードに調べ物をお願いしておきます。いくつか、気になる事があるので」

 刻印に再び意識を集中すると、”雷撃”改め”図書海賊”の二つ名を持つユニコーン海賊猟団の一人、トルステン号艦長エドワードの顔を思い浮かべる。

 そして、調べてほしい事柄を一つずつ思考に乗せて、彼へと飛ばしていった。

「……ふぅ、完了です。さて、明日からが正念場です。あまり時間はありませんよ」

「はい」

「うん」

 方針が決まり、立ち上がる3人の耳に、ぺたぺたという足音が届いた。


「もう、時間ですか?」

「!……はい」

 起きているとは思っていなかったナヴァーは、扉の向こうから聞こえたトマスの声に肩を大きく震わせた。

 しかし、数秒後には落ち着き払った声を返す。

 その後ろには、未だ半分眠っているような状態のモラーリアが背負われている。

「彼女、大丈夫?漁はきちんと眠っておかないと辛いわよ?」

 ツバキの指摘に、背負った幼なじみを一瞥して未だに夢とうつつの間をさまよっているのを確認すると、ナヴァーは辛そうに語り始めた。

「モラーリアは、最近ほとんど眠れていないんです。両親が帰ってきた時、元気よく『お帰りなさい』って言うんだって聞かなくて」

「彼女のご両親も、行方不明なの?」

「……はい。おじさんやおばさんには、ずっと良くしてもらっていたのに、ぼくは何も返せていない……」

「そういえば、ナヴァー君は水棲人じゃないのに、どうしてこの家に住んでいるの?」

「ツバキ、失礼がすぎますよ」

 まるで遠慮なく人の事情を詮索するツバキをたしなめるトマスに、ナヴァーは首を横に振ると、語り始めた。

「ぼくの親は、ぼくが生まれてすぐに病気で亡くなったそうです。それで、両親とつき合いが深かったこの家が残ったぼくの面倒を見てくれる事になったんです。モラーリアとは、歳の近い兄妹みたいなものですよ」

 そう言うと、優しいまなざしで、寝息を立てるモラーリアを見つめるナヴァー。

「そうだったの……」

「だから、いなくなったおじさん達の代わりに、ぼくがモラーリアを守らなきゃいけないんです」

 ナヴァーは、改めて自分に刻み込むように固い決意を口にする。

 しかし、周りにトマスたちがいた事を思いだし、あわてて話を切り替えた。

「えっと、トマスさんたちって、ずっと航海を続けてきたんですか?」

「そうですよ。思えば、色々な場所を巡ってきましたね」

 トマスのこれまでを懐かしむ言葉に、ナヴァーは目を輝かせた。

「いいなぁ……ぼく、いつか世界を見て回るのが夢なんです」

「世界を、ですか?」

「はい。いつか、しっかりとした船乗りになって、モラーリアと一緒に――」

 ナヴァーの未来を語る様子を、トマスは微笑ましく見つめていた。

「では、ひとつ助言を。世界を見たいのなら、まずは今いる島を記憶に刻みつけておくといいですよ。自分の故郷を決して忘れなければ、たとえ長旅に出ても自分の軸はぶれません」

「そうなんだ……ありがとう」

 すっかり年相応の態度になったナヴァーは、漁の準備があるからと急いで家を出ていった。

「トマス、さっきの助言は実体験ね?」

「悪い意味ばかりではありませんよ。皆の墓に花を手向けて、改めて思ったんです。ここが、僕の故郷なんだと」

「そう……。あの子、とってもまっすぐで良い子ね」

「はい。ツバキさんを追いかけてた時のトマスさんそっくりです」

「……面はゆいですね……」

 微妙にいたたまれない雰囲気の中、トマスはツバキやマーミャ一家とともに眠りにつくのだった。

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