誰もが知る有名童話を視点となる人物を変えて再構成する。これ自体は比較的よくある手法ですが、この短編集は一話一話のクオリティが非常に高く、かつ一作ごとに雰囲気がガラリと変わる点が素晴らしいです。元の話のタイトルを書かなくても読めばちゃんとオリジナルが分かる書き方をしている点も巧いです。個人的には「蜘蛛の糸」の蜘蛛に視点を置いたエピソードが好きです。芥川龍之介のオリジナルは人間のエゴへの絶望で終わっていますが、こちらの話は敢えて人の可能性への希望を持たせたラストが奮っています。
キャッチコピーにある「書かれてなくてもあったかも」が素晴らしくこの作品を言い表していると思います。お馴染みの童話だけれど、本編では触れられなかった側面や、視点を変えればどう映ったかが絵本をひらくように描かれています。作者さまの視点にはすごく優しさを感じました。流暢な文章でとても読みやすいです。ぜひご覧ください。
童話の別視点オンパレードです。もともとの童話でも本当は恐ろしい話が混じっていたりするものですが、他の人物視点で語ることで、新たなる価値観が生まれていると感じました。乙姫様なんかは、どのような気持ちで玉手箱を渡したんでしょうね?
誰もが知っている物語なのですが、視点を変えただけで印象が大きく変わってくるのが面白いです。一話ごとにそれぞれ別の話になっていますが、タイトルが表記されているわけではないので、いったい何の物語なのか考えながら読むのも面白いです。中には原作よりもこっちの方が好きだという話もあるかもしれません。このレビューを書いている時点で掲載されている中では、「切れた糸」と「オレンジの味」が気に入っています。
みんなが知ってる童話をいろんな視点から掘り下げています。もとがなんの作品なのか考えながら読むと、とても楽しめます!
とても読みやすい文章で且つ面白いです。もしリクエストを受け付けて頂ければ、シンデレラの姉目線のお話など読んでみたいです。
誰でもが幼い頃に馴染んだ昔話や童話を題材にしたショートショート。物語は主人公だけで成り立っているのではなく、様々な脇役の存在が不可欠。人だけでなく、動物や虫、小物たちも語りかけてくれます。テンポのいい文章は読みやすく、丁度良い文量の作品です。ぜひ、ご一読ください!
誰もが身近に触れてきた童話のキーワード満載の素敵な物語です。丁寧な文章で綴られるお話もとても魅力的で、楽しくストーリーを読み進めることが出来ます。エピソードの中には心にジンとくるような展開もありますので、是非、皆さんもご一読くださいませ!
有名な童話や昔話の、ブラックユーモア集。笑えそうで、ちょっと怖くて、楽しめました。どの話も短いので、読み安いです。もっと書いてほしい。