第120.8話「死の国へ4」
お久しぶりです。
ダンジョン農家!2巻の作業から戻ってきました!
久しぶりという事で振り返ってみよう!in 7章!
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農業支援で死の国へ、そして神王から呼び出しという事で何故だか世界半周の旅に出たマイルズ(3歳)。
死の国へ農業支援は魔王国からの要望の為、魔王国最強部隊のトップ2名が護衛として同行。
1人は、優柔不断でイケメン、ギャルゲーの主人公?ことヴァンリアンス。
もう1人は、一見ギャル、瞳の奥に冷たいまなざしティリス。
そこに歌姫ミリアム、権三郎、香澄ちゃん、マモルン、勝さん1号と魔王国最強部隊のゆかいな旅が始まる。
魔王国で大いに設けたマイルズは死の国へ向かう途中、お肉さん(竜)を拾う。お肉さん(竜)は正義感にあふれており勝手に護衛を名乗り出る。その正体は竜人の異世界人遺産研究家。目的地が死の国という事で勝手にどうこうするお肉さん(竜)。
そこに、異世界宗教に国を追われた王子様が登場。
考えなしに保護したヴァンリアンスに権三郎の怒りが爆発。なぜか力比べをすることとなりその実力を。その一端を見せつける。
そして王子たちもこの状況に打開を見出そうとするが。。。
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「この度は……」
領主と名乗る方が、何やらヴァンリアンスさんとティリスさんに挨拶をしています。
私たちは今、とある国の王子を保護して、この辺境の地を収める伯爵に押し付け……いえ、後を任せるつもりで領都に訪れました。
先触れを出したせいか、大々的な歓迎をしてもらっております。
所謂『れぇっつぱーりーぴーぽー』ってやつです(……なにか違う気がします)。
さて、先程から感じているのですが……この方からは何やら策謀の匂いがします。策に溺れて島流しに会いそうな感じです。
あからさまな強欲はバレやすいのですが……。この手の方は自分が正義で、かつ何の根拠もなく自分が優秀だと思ってらっしゃる……。
見てください。この方の後ろで静かに冷や汗を流している側近の皆様方を。
ちなみにヴァンリアンスさんとティリスさんは次期魔王候補1位と2位です。
この後何事もなければどちらかが魔王に、もう一方も大国魔王国の中枢的存在、重臣となるエリートさんです。どこぞの国の様に競争相手は全て粛清などする国ではないのです。ですので媚びを売るのはよいことですが、あから様です。結果警戒されて何も成さないのです。浅はかです。
でも、この方……確か名前は……ダーェットさんでしたか……。
浅はかな方なので……ちょっと利用してもいいかもしれませんね。
「マイルズ様」
ヴァンリアンスさんが私を抱き上げ見つめてきます。
その顔は憂いに満ちたイケメンです。
……ふむ。内政干渉だからやめて……といったところでしょうか。
「そちらは?お2人のお子様ですかな?」
ダーェットさんが私に下卑た視線をおくってきます。
ああ、自信たっぷりなおバカさんです。
魔王国では一夫一婦制が徹底されており、婚前交渉などもってのほかなのです。
婚姻前に妊娠などもってのほかの文化なのです。そこでこの人は……。
「いいえ」
呆れたように短く否定するヴァンリアンスさん。するとこのダーェットさん何かを勘違いされました。そのぷにぷにの手で私の頭を荒々しくなで始めるました。
強いです。
そして、ダーェットさん。権三郎が殺気を爆発させてます。気づいて。貴方の部下が数名気絶してます。
穏便に。そう心に誓っていたのですが……、あまりにぞんざいな撫で方にイライラしました。
「はじめまして、ダイエット辺境伯!」
わざとの呼び間違いからのエンゼルスマイル!
あ、ダーェットさんがピキった。
「……教育の行き届いていない、糞がk……、……ヴァンリアンス様。そのお手は何でしょうか?」
「……マイルズ様へのそれ以上の無礼は、魔王国への不利を生みます。即刻手を離し、誠心誠意謝罪するのであれば、貴方と貴方の一族への罰は不問として……、頂けますか? マイルズ様」
あ、ダーェットさんを売りつつ最低限守り、そして私を悪役にしましたね……。
「ヴァンリアンスお兄ちゃん。僕、何のこと変わんなーい」
棒読みです。
おい、勝さん1号笑ってはいけません。心に響きます。やめて。
「はっはっは。ヴァンリアンス様も人が悪い。このような人間族の子供など何の価値がございましょうか? ましてや私はこのように愛でておるのですよっ」
力が強まりました。
そして権三郎が抜刀しようとしています。
「……そろそろ、その汚ぇ手ぇはなせや樽魔族……って、ヴァンリアンスお兄ちゃんが言っているんだよ?理解できないのかな?その樽の中身は空っぽなのかな?……じゃぁダイエット成功だね! ダイエット伯爵」
笑顔です。エンゼルなスマイルです。
「なんd……うぅあああああああああああああああああああああああああ」
ダーェットさんが私の頭の上に置いた手に力を籠めようとした瞬間、権三郎が剣の柄に手を載せ殺気を放つと、その場にいた数名が失神。ダーェットさんは腕を切り離された幻覚を覚えて私から手を離しました。
「ヴァンリアンス殿、これは魔王国からの宣戦布告ですかな? 獣王国、まーちゃん共和国、アルキア王国。受けて立ちましょう」
柄に手を添えたまま権三郎が言いきります。
「そんな馬鹿な! 高々人間ごときの為に獣王が動くなど!」
「3か国の首脳からの宣言文は2通受け取っています。1通は魔王が持っています。確認をとってみてはどうか? まぁ、魔王がどう言おうが、此度の無礼……この私が許しませんがね」
権三郎の顔が般若の様にゆがんでいます。
……ちょっ、戦争までは望んでいないのです。……穏便に。
「権三郎殿、此度の魔王国の無礼、平に平にご容赦願います」
90度に頭を下げるヴァンリアンスさん。
このパーティ会場で間違いなく最高位の魔族が、人間とその従者に最大の敬意をはらい、従者に頭を下げている。その事実がどれだけ衝撃的なのかは会場にいる貴族も理解できたのでしょう。青い顔をした魔族たちがざわついています。
「これで二度目です。貴方は魔王から何と言われてここにいるのですか?」
「身命を賭してマイルズ様を守るようにと……」
権三郎。そこまで怒らなくても大丈夫ですよ? 樽魔族程度いくら本気になっても傷一つつかないのですから……。ほう、それでもダメですか……。過保護ですね……。
……何でしょう権三郎の過保護が止まりません……。
誰か! この空気収めて!
「呼ばれて飛び出て!……」
あ、魔王様はお帰り下さい。
「しゅん……」
しゅんって声で言っちゃったよこの偉い人。
カクヨム+α
「まーちゃん。あんまり部下を煽るのやめてもらっていいかな?」
「魔王様、お話をお受けするときのお約束を思い出してください」
「……ノークレームノーリターンだったか? そういえば何の意味だ?」
「まーちゃんがすることには【ノークレーム】、どんなに問題行動があっても魔王都には【ノーリターン】。めんどくさいから!!」
「まーちゃん。恐ろしい子……」
「契約は絶対なのです!」
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