第十七話 絶対できるから 集中してほら

「慌てず騒がず、エラーログ」


 何かが動かないとき、確認すべきはエラーログ。


 サーバ系のアプリケーションは、特に動きが目に見えない部分が多いから、エラーログは特に重要よ。


「じゃ、 /var/log/httpd/error_log を開きますかね」


 apache のエラーログだ。


「ふんふん……データベース接続でエラー……あ!」


 期待通りに記録されていたエラーメッセージを眺めれば、原因は一目瞭然だった。


「そうよね。 Perl と MySQL はインストールしたけど、 Perl から MySQL に接続するドライバインストールしてなかったっけ」


 Perl のデータベース接続は、 DBI と呼ばれる Database Interface と DBD と呼ばれる Database Driver を組み合わせて使用する。


 DBI は特定のデータベースに依存せず、共通の手法でデータベースに接続するための仕組み。


  DBD は、 DBI を通して特定のデータベースに接続するためのドライバ。


 接続したいデータベースへの DBD が入っていれば、データベースの種類を意識せずに DBI を通した画一的な手法で簡単にデータベースに接続できるって寸法よ。


 そんな訳で、 Perl の MySQL 用の DBD が入っていなかったのが、今回のエラーの原因。


「はい、 yum install perl-DBD-MySQL !」


 Perl で使用するライブラリは、通常 cpan と呼ばれる Perl のパッケージ管理の仕組みを通してインストールするんだけど、 CentOS には代表的な Perl のパッケージは CentOS 自体のパッケージとして用意されている。バージョンを気にしなければ、OS に用意されているものを使った方が何かと楽。 yum という CentOS のパッケージ管理システムを通して入れるわけ。


 実行すると、依存関係も自動的に解決して、入ってなかった DBI も一緒に入れてくれた。自力で一つ一つインストールするのは相当面倒だから、パッケージ管理システム様々ね。


「さて、と」


 インストール完了したところで、ブログの管理画面にアクセスすれば。


「うん、成功!」


 あっさりと表示された。


「これで、再構築すれば、データベースを元に各ページを生成してくれるわね」


 ブログにはアクセスする度に動的にページを生成して返すタイプと、事前に HTML の形で出力して静的なページにしてしまうタイプとがあるんだけど、あたしが使ってるのは後者のタイプね。


 アクセスされる度にデータベースを読んだりページを生成したりするより、静的なページを生成する方がサーバに掛かる負荷は軽いんだけど、


「生成に時間が掛かるのよね……」


 ページ数にもよるけど、軽く千ページを越えるブログは、結構な時間を必要とする。


「ま、これでひと段落ね」


 新しい缶ジュース(未成年お断り)を開けて、飲みながら待つことにする。



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