第9話 はかせとじょしゅ 4
ジャパリパークの長い日中の終わりを予兆する、赤い日没の空。
夜行性のフレンズ達が行動をし始める時間帯へと変わる。
コノハ博士に連れられ到着した場所は、森の中にひっそりと
「んー? なんだろう?」
「博士の研究所なのです」
「です。二階へとどうぞ、なのです」
一階の階段から二階へと
二階は一階と反して、生活感のある空間となっており、過去に使用されたと思われる寝床の様なものまで配置されている。これが正確に寝床であるかは不明だが、コノハ博士とミミちゃん助手は普段からこれを利用して休息を取っているのだ。
そして、何やらがらくたにも見えるものが部屋の隅に小さな山を作っている。
「これはなんなのだ?」
「それはわれわれが使う研究材料や、がらくたです」
「がらくたなんだー」
「研究材料です」
「どっちなんだ!?」
コノハ博士とミミちゃん助手の意見が割れる。二人は無表情で顔を見合わせ、息ぴったりで言葉を発する。
「「がらくたです」」
「がらくた……」
アライさんはそのがらくたの一つを拾い、物を凝視した。
それは
小山の材料は何故か、光物が多く見られた。
アライさんはそれを元の小山へと戻し、投げ捨てると、寝床に腰を掛けた。フクロウ二人も古びた椅子に座り込むと、皆が向き合う形になる。
フェネックもアライさんの隣に腰掛ける。
すると、コノハ博士が口火を切った。
「サンドスターの件でしたね……」
「そうなのだ!」
「博士、何か知っているのですか?」
「勿論ですとも、助手」
「流石です! 博士」
「それで博士は何を知っているのー?」
「それは方向ですよ。あの大きな光はかなり標高の高い場所で吹き出したものと思われます」
「博士も見ていたんだねー」
「はい。われわれはこうざんの
サンドスター噴出時、コノハ博士はリコと共に、私情でこうざんのジャパリカフェへと向かっていた。柱の様に上がったサンドスターの光は、行動中のフレンズ達の興味を一心にひきつけたのである。
「そう、それなのだ! それを確認するために追っているのだ!」
「新しいフレンズを……ですね」
「そうなのだ!」
「では、助手。あれを持ってきて欲しいのです」
「了解です。博士」
ミミちゃん助手はコノハ博士に指示されたブツを持ってきてその場に広げた。
「これはー?」
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