第8話 はかせとじょしゅ 3
じゃんぐるちほーの片隅。
体力の回復を確認後、三人は癒しの空間を後にする。
ミミちゃん助手の先導で、コノハ博士の元へとサンドスター発生の手掛かりを聞きに向かうアライさん一行。
「博士と助手は、普段はどこにいるのー?」
「しんりんちほーのジャパリ図書館を住処にしています。しかし、博士は多忙な身のため、各拠点を行き来することが多いです」
コノハ博士は多くのフレンズの中でも、知性の高い事で知られており、それをかわれ運営の手伝いなども行う事があった。そして、自主的にもこのジャパリパークを調査している為、普段から多くの拠点を飛び回っているのだ。
「そのため、助手の協力が必須というわけなのですよ。つまりは、博士は助手が居なければ駄目なのです」
「な、なるほどー……」
「なら、ジャパリ図書館にすぐに向かうのだ!」
「いいえ、今は違います」
「?」
「今は別の拠点、つまり、博士と助手の別荘に向かっている、のです!」
「べっそうー??」
「そうです」
「その別荘って言うのは、なんなのだ?」
「凄く良い所なので、今日はそこに泊まるといいですよ」
ミミちゃん助手は日が落ちかけている事を
「た、助かるのだ……」
「助かるよー。これで夜を過ごせるね! アライさんー」
「うむ」
*
「ずいぶんと歩いた気がするのだ……」
「そういえば、アライさんさー」
「?」
「投げるの上手かったよね? 橋の時」
フェネックは先程の件を褒める。
橋の茂みからセルリアンの気を引く為に、ジャパリまんに向け投げた石が、精確に飛んだ事についてである。
「練習の成果なのだ。あれも真似事だけど、自慢の手のおかげなのだ」
「?? アライさんは
「教えてもらったのだ」
「それは誰に?」
すると、ひゅ~~と風の様な音と共に、低空飛行で一行に近付く物影が。
ドンッ!
「ぎゃあああああああ」
アライさんの後頭部に物影の足が直撃し、地面を転がる様にのた打ち回る。
「博士!」
「これは助手。待っていたのです」
そこに現れたのは噂のコノハ博士であった。
外見はミミちゃん助手同様に、無駄の少ない人型でアフリカオオコノハズクに模した色合いの体色。暖かそうなコートに身を包み、羽角や髪色も再現。前髪の一部が薄黄色になっているのはクチバシを
挨拶がてらに足をぶつけるのは、決してワザとではない。と、思われる。助手に少し微笑み、フェネックと転がるアライさんと見詰めると、無表情になる。臆病な性格の為、交友の少ないフレンズの前では自然と無表情に変わるのだ。
「どうも」
「どうも、じゃないのだ!」
アライさんは起き上がると、後頭部を掻きながらどうにか痛みを耐えた。
「アライさん、頑丈だねー」
「痛いのだ……」
ミミちゃん助手がコノハ博士に今まで状況をひそひそと説明する。
「……と、言うわけなのです」
「なるほど。分かりました。では、こっちです」
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