ぐんまーちほーであーそぼ!11

「二人に集まってもらったのは他でもない――このグンマーを、集落を救ってほしいのじゃ」

「グンマーを?」

「救う…ですか?」

 二人が声に出しながら疑問を出す。

「多分、シロとレイブンから聞いていると思うが、このグンマーという地は、勾玉をお守りとして掲げられているのじゃ」

「うん! さっきシロちゃんから聞いたよ」

「なんだか、不思議な呪いから集落を守っているようですね」

「ああ……しかし、このところ、呪いの力があまりにも強大になりすぎてしまったせいで、勾玉の加護が衰退しているのじゃ」

 そう言って、長老は窓の外から見える、木に備えられた巨大な勾玉を指差す。

「見てご覧、昔は透き通ったような水色をしていたにも関わらず、今は黒ずんでしまったいるだろう?」

「あ、本当ですね」

「濁ってるねー!」

「あの濁りはグンマーの呪いを吸収し、封じ込めているものだ。もしも、あの勾玉が砕け散ってしまうものなら――」

「マエ・ヴァースィだけでなく、グンマー全体が謎の呪いに覆われてしまうのです」

 長老の横にいるシロが言う。

「そ、それは大変ですけど……それと私達が呼ばれたのでは、どういう関係があるのでしょうか?」

 カバンが額に汗をかきながら言う。

「私達があなた達を呼んだのには理由があります――それは、さばんなちほーに暮らすものだけが持っている『さばんなおーら』というものに期待をしているのです」

「さばんなおーら?」

「それは一体、何でしょうか?」

 カバンが不思議そうに、シロに訊く。

「さばんなおーらとは、さばんなに愛されしものが、さばんなの神様に与えられる特別な加護の事――悪しき呪いや万病など、様々な不運に対して強い防衛機能を持つ特別な加護なんじゃ」

「は、はぁ……」

「すごーい! 私達って、さばんなおーらを身にまとっているんだね!」

 サーバルが目をキラキラと輝かせながら言う。

「二人のさばんなおーらの力を見込んで、我々は勾玉に宿る悪しき呪いを殲滅してものいたいじゃ!」

 長老は立ち上がりながら言う。

「げほっ…げほっ…!」

「ちょ…長老! 大丈夫ですかっ! 無理なさらないでくださいっ!」

 長老が突然立ち上がったかと思うと、そのまま力が抜けたように咳き込んでしまい、シロが崩れかかった長老の腰を労うように支えている。

「で、でも……私達、そんな……呪いを殲滅する力なんて……」


続く……

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