ぐんまーちほーであーそぼ!10

「長老、サーバルちゃんを連れてまいりました」

「うむ、ごくろう」

 サーバルがシロに連れられてやってきた場所は、マエ・ヴァースィのおさが住んでいる民家だった。

「サーバル、初めまして。私はマエ・ヴァースィの長を務める者だ」

「へぇー! 何ていう名前なの?」

「名前…? ああ、ドラゴンだよ」

「どらごん? あの火を噴くあのどらごん?」

「ああ、私は元々ドラゴンで、サンドスターから生まれて今の姿になったんだ」

「すごーい! 伝説の生き物が目の前で生きて喋ってるー!」

「(あわわ……サーバルちゃんが、長老様に失礼なこと言ってるー!)」

「ほほほ……珍しかろう、珍しかろう。ただ、私は恥ずかしがり屋でね、あまり大きな声で言わないでくれると嬉しいのう」

 長老は表情を変えること無く、笑顔でサーバルに言う。

「わかった! 気をつけるね!」

「ありがとう、サーバル」

「(はぁ……危なかった。長老様は、怒ると集落を一つ火の海にしてしまうから……)」

「ところで、あなたはなんで私のことを呼んだの?」

「…ん、ああ…そうだったね。説明しなくては……」

 長老が、松葉杖をついて思い出した様に言う。

「レイブン、入ってきなさい」

「承知……」

 長老が部屋の奥の方へと話しかけると、艶めかしい声が奥の方から聞こえ、そして――

「サーバルちゃん!」

「あ! カバンちゃんだ!!」

 レイブンがカバンと一緒に奥の方から出てきたのだ。

「カバンちゃん、こんなところまで隠れに来ていたんだねー! それじゃあ私が本気出しても見つけられないわけだー」

「へっ……隠れていた?」

「うん。だって、グンマーでかくれんぼしていたんでしょ?」

「グンマー? かくれんぼ?」

 サーバルから発せられる言葉についていけないのか、一つひとつの言葉に対し、はてなマークを浮かべて返事をする。

 そんな中、サーバルとカバンが二人揃ったことを長老が確認し、何やら目を光らせているようで――

「……これでようやく、グンマーを救える」

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