ぐんまーちほーであーそぼ!8

 シーンは戻ってサーバル視点


「ふんふーん♪ あなたの集落に招待してくれるんだー、うれしーなー!」

 サーバルはニコニコとスキップしながら移動している。

 鼻歌を歌いながら、静寂とした森の中を明るくさせる。

「うん、サーバルちゃんは悪い子じゃなさそうですから」

「うん! 私はいい子だよー! あなたもすっごくいい子だよ!」

「ふふ……ありがとうございます。ちょっと恥ずかしいけど」

 そう言いながら、顔を赤らめて顔を手で隠す。

「それにしても、あなたも名前を思い出せないないんだねー」

「う…うん! そうなのっ! ちょ……ちょっと記憶がなくって!」

「それなら、私が名前をつけてあげようか?」

「な、名前っ……?」

「うん! 私は名前をつけるのが上手なんだよー! あなたにも素敵な名前をつけてあーげる!」

「えっ…その……」

 女の子の動揺が目に入っていないのか、サーバルは目を瞑って新たなる名前を生成するマジナイを始める。

「うー…ん、うーん、あなたは真っ白できれいな髪の毛をしていて、白鳥のようにかわいーから……」

 サーバルが指をこめかみに当てて、円を描くようにして知恵を絞り出している。

 そして――

「よし! あなたの名前は『シロちゃん』 白い白鳥のようだからシロちゃん! どうどう? かーわいーでしょ!?」

 サーバルが笑顔で女の子に問いかける。

「…………」

「……んー?」

「う、うん! すっごくいい名前ですね!」

「ほんとー! よかったー! うーれしー!」

「…………」

「…………」

「(ふふ…シロちゃんか……)」

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