第15話 (自慰表現あり)

「はぁはぁ……っ」

笙伍しょうごは部室から飛び出し、そのまま走って帰宅していた。

玄関の扉を閉めると同時にその場にしゃがみ込む。

――あんなこと、するつもりなかったのに。

真治しんじの匂いに欲情してしまったのか、悪戯では済まないことをしてしまった。

大体にして、真治しんじもほったらかしにして帰ってきてしまうとは。

「ほんと最低じゃん、俺」

笙伍しょうごは深い息を吐いた。

そこで、右手に違和感があることに気が付く。

乾き始めた真治しんじの蜜。

それを目の当たりにして罪悪感に苛まれる。

とりあえず洗い流そうと思い、笙伍しょうごは洗面所へと向かう。

だが、流しの前に立ったところで動きを止める。

真治しんじの精液……)

洗おうと前に差し出した手を凝視する。

脳内では、先程の真治しんじの甘い声が甦る。

そこで、下肢部分の圧迫感に気づき自分が欲情していたことを改めて思い知らされた。

もちろん、このまま我慢などできるわけがなく、下着ごとズボンを脱いだ。

露わになった自身は見事に勃ち上がっていた。

その勃ち上がっているものを、真治しんじの下肢を扱いたのと同じ右手で触り始める。

乾き始めていたとはいえ、真治しんじの精液がついた手で自身を扱いていると思うだけで笙伍しょうごは興奮した。

下肢部分からは既に蜜が溢れ出していた。

脳裏に真治しんじの姿を思い浮かべる。

真治しんじの中に入れたい。

中で、自分の欲を出してしまいたい――。

「うっ……!!」

笙伍しょうごはすぐに達した。

先程よりも強い罪悪感。

真治しんじを――汚してしまった。

「はぁ、はぁ。真治しんじ……」

その場にしゃがみ込み、好意を抱いている人の名を呟いた。

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