第6話

真治しんじに昨日のことをどう切り出すべきか、メールの内容を見てからずっと考えていた。

だが、そんな簡単に見つかるわけもなく、いつの間にか朝を迎えていたのだった。

どんな言葉で繕ったとしても、真治しんじを傷つけてしまう。

それに、話を切り出せたとしても真治しんじがその内容を信じてくれるか分からない。

好いている人の悪いことなんて誰だって聞きたくないだろう。

笙伍しょうごはため息をつき、奈沙なずなの方へと目を向ける。

クラスでは静かで、成績優秀な彼女。

その本心が昨日の――。

(あぁ、もう!!)

笙伍しょうごは頭を悩ませていた。

真治しんじを傷つけずに、告白を阻止できる方法。

そんなことが出来るのだろうか。

放課後までには絶対に言わなければ――。



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