第2話
「10分間、休憩!!」
放課後、校舎裏にあるテニスコートから響く声。
声の主は、
テニス部の顧問でもある
そして、校舎端の教室へと視線を向けた。
視線を向けた先は図書室で、窓側の席にはいつも同じ人が座っている。
「また
そう言いながらやってきた
「こんなときじゃないとずっと見てられないからさ」
「変質者みたい」
「うるせぇ」
「ねぇ、前から聞きたかったんだけどさ、
――
そのため、彼女がどんな人物なのか知らないに等しい。
放課後には図書室の窓側の席に座っていること。
そのぐらいしかない。
それでも、
「……横顔、かな」
自分にその笑顔を向けてくれたら、どんなに嬉しいだろうか。
彼女の特別に俺がなれたら、なんて思ってしまう。
「
それがなければクラスでも打ち解けられるのに、と
確かに、彼女は人を寄せ付けようとしないオーラを放っていた。
そのこともあり、学校では誰かと一緒にいるところを見たことはない。
ただ、それも彼女らしさの1つだと
「俺の話ばかり聞くけど、
入学当時から仲がいいのだが、
「別に、俺のことはいいでしょ」
そう言うと、
毎回、こういった類の話は避けようとする。
「
「まぁ、そうなんだけど……」
「うちの学校の子?どんな子だよ」
「向こうは俺のこと、友人としか思ってないし」
「そんなの分からないじゃん。お前こそ、告白してみれば?」
「……その人に好きな人いるの知っているから」
だから、話したがらなかったのか。
「まぁ、友人のままが一番いいの分かってるからさ」
「休憩終わり!!練習再開するぞ」
いつの間にか10分経っていたようで、
「そんなわけで、お前は頑張れよ」
ぽん、と
そして、先にコートの中へと歩いて行った。
――頑張れと言われてもな。
「告白ねぇ」
そう呟いて、
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