用語集
・呪文(スペル)
精霊に働きかけて魔法現象を起こさせる文字。精霊と完全に意志を通じ合わせるには何かが足りないとされ、研究者たちの間では最大の謎となっている。始祖語の劣化版。→始祖語
・始祖語(オリジンガ)
はるか昔、人間と精霊は同じ言語を使用していたと伝えられており、研究者たちはこれを始祖語(オリジンガ)と名付けた。しかし、人間が自分たち専用の言語を作り精霊と語り合わなくなったため、始祖語は時を経て失われた言語になってしまった。研究者たちが古文書の記録から、その言語を文字に起こし、不完全ではあるが工夫して使用することによって精霊魔法を使えるようになった。その文字(いわば劣化版始祖語)が呪文(スペル)。→呪文
・呪文譜(スペルピース)
人間から精霊へ、最も細かく意志が伝わるように開発された形式。また、その形式で作られた本のこと。特に複雑な魔法効果を期待する際に使用される。外見は薄い冊子で、材質は布に近い専用紙。構築師と編成師の技術によって魔法陣のような呪文譜が封じ込められており、開くと空中に文字や線だけではない映像的なエフェクトが展開する。詠唱師がそれを読みとり、独特の発声法で詠唱することにより、精霊魔法が発動する。基本、一冊に一つの魔法効果のみ。呪文の内容によって、一度の詠唱しか使えなかったり、長期保管できたりする。
・呪文記録(スペルレコード)
文字に起こした呪文が収納されている特殊な空間。国際魔法センターの職員は、アクセス用端末ピーラを用いることで、ここにアクセスできる。
・ピーラ
呪文記録にアクセスできるツールであり、国際魔法センター職員の身分証明書兼通信端末でもある。木枠のついた薄い長方形の水晶板で、ぱっと見には透明だが、杖で触れると起動して様々なものを映し出す。手帳型カバーがついており、皮ケースに入れて腰に着けている職員が多い。
・構築師
呪文構築師。呪文記録から呪文を取り出して主呪文(メインスペル)を組む。本で言えば作家、歌でいえば作詞・作曲家(主旋律(メロディ)を作る人)。
・編成師
呪文編成師。構築師の書いた主呪文を、詠唱師が使えるように呪文譜に編成する職業。歌で言えば編曲者、本で言えば編集・装丁デザイナー。
・詠唱師
呪文詠唱師。世間一般的に『魔法使い』と呼ばれ、精霊魔法がらみでもっとも華やかな職業。現場で精霊と向かい合い、呪文譜を効果的に詠唱する役割を果たす。特殊な発声法の訓練を受けている。歌で言えば歌手、本でいえば朗読者。
・国際魔法センター《ザ・ワンド》
精霊魔法に関する研究・業務を一手に行う場所。人間の手に負えない事故・事件などの解決も請け負っている。主塔の形状から《ザ・ワンド》(魔法に使用する杖状のもののこと)と通称される。巨大な塔といくつかの建物で構成され、様々な人種の人々が働いている。
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