点滴、無駄だな……減らすか

 今日(※執筆時)の地元は晴れてこそいるのですが、薄い雲が空を覆っている感じですね。やっぱり梅雨が近いからなのかな、と思います。とは言え、まだそこまで湿度は高くないので不快ではないのですが。

 室温は執筆時で26℃。微かに風も吹いていますし、過ごしやすい日曜日です。毎日こんな気候だったらいいのに。


 さて、昨日は、短距離のサニブラウンが陸上の全米選手権で100メートル9秒97の日本新記録を叩き出したり、トヨタが立ち乗りタイプの電気自動車を2020年に発売すると発表したり、スポーツ用品のナイキが英ロンドンの店舗に設置したプラスサイズふくよかな体型のマネキンが好評を博していたりと、この他にも様々なニュースがありました。


 今回取り上げるのは、とある介護老人保健施設の経営方針についての話題です。どこでも裏ではそう言う判断をしているのかも知れませんけど、言語化されるとやっぱりちょっとキツイものがありますね。


 6月7日(※執筆時)、熊本県は同県八代市の介護老人保健施設で昨年2~5月の常勤医不在時に入所者11人が死亡した問題で、施設ではこの間、一部の人の点滴量を半分以下に減らしていた事を明らかにしました。この処置の事を施設は本人や家族には伝えていなかったのだとか。

 県は「死期を数日早めた可能性がある」と説明しています。


 県高齢者支援課によると、この施設は医療法人社団「優林会」が運営する「アメニティゆうりん」。法人理事長は県医師会理事の林邦雄医師が務めています。

 この林医師が点滴の量を減らしていると言う情報提供があり、県職員の医師が点滴の減量と入所者の死亡との因果関係をカルテや死亡診断書などで調べました。


 その結果、死亡した11人の内の一部の人への点滴による水分補給が、必要な量の半分から3分の1に減らされている事を確認。「死期を数日程度早めた可能性がある」と判断しました。

 ただ、死因については「不審な点は見られなかった」と結論付けたそうです。


 終末期には患者のむくみなどを抑えるため、点滴の量などを徐々に低減する事はありますが、本人や家族への十分な説明と理解が必要とされています。

 林医師は家族らに点滴を減らす事を伝えていなかった上、職員からは「経費節約が目的だった」とも言っていたのだとか。


 県は家族への説明がなかった事について「ありえない。同意をとるべきだ」と指摘しています。

 林医師は家族らへ説明していなかった理由について「単純な水分補給のための点滴だったから」と主張しているようです。


 説明をしなかったのは面倒だったからなのでしょうね。医師からしてみれば、そのような処置をするのは当然の行為でもあったのですから。後、経費削減発言も本音だったのではないかと思います。

 ただ、ネットコメントによると点滴の量を減らした程度では大した削減にならないようです。そこから考えると、身内だけに話すちょっとした冗談のような発言だったのかも知れません。


 お医者さんは患者と向き合う時、その人だけを見るのか、周りの家族や人間関係まで考えるのかで対応が変わってくる気がします。この林医師は入所者が誰かにとっての大切な人だと言う認識が欠けていたのではないでしょうか。

 対応が変わるとその理由を知りたくなるのは当然です。そこで説明をしないと言うのは誠意が足りなかったですよね。行為として正しいと思っていたなら、なおさら説明をするべきでした。


 問題が発生する施設は、やっぱり他の施設に比べて何らかの理由があるものです。この施設の場合は、理事長の指導等が問題を引き起こす引き金となっていたのでしょう。

 施設を選ぶ時は十分に吟味して、入所者を人間扱いしてくれるところを選びたいものですね。

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