それは歴史のロマン……ッ!

 地元、台風一過です(※執筆時)。久しぶりの晴れ間であります。地元は台風被害はありませんでしたが、皆さんの方ではどうでしたでしょうか? 避難勧告が出たり、実際に被害に遭われた地域もあるかと思います。どうか少しでも多くの方が無事でありますように。


 さて、昨日は選挙でしたが、大方の予想通りの結果になったのではないかと思います。選挙と台風の話題が多くてそれ以外の話題の報道、昨日は少なめな感じがしました。事件なんて突発的なものはそりゃ定期的に発生するものでもありませんよね。


 それでも千葉県の鴨川シーワールドホテルでレストランのバイキングを食べた宿泊客58人が食中毒を起こしたり、山口県で真っ白なスズメが発見されたり、滋賀県で市道が17mに渡って陥没したりと様々なニュースがありました。


 今回取り上げるのは歴史のロマンを感じる話題です。大昔の宝物が遺跡から発掘されると言うのは夢がありますよね。しかもそれが美しい遺物とかだったなら最高です。


 10月19日(※執筆時)、元興寺がんごうじ文化財研究所はJR京都駅南の平安京跡から、平安後期(12世紀後半)に使われたとされるすずりに使う水を入れるガラス製の容器「水滴すいてき」が出土したと発表しました。

 同様の出土品は奈良国立博物館所蔵のものしか知られておらず、平安京内では初の出土なのだとか。


 見つかったのは水滴の注ぎ口部分で、長さ2センチ、幅1・5センチの鉛ガラス製。鉛をまぜている為、青緑っぽい色になっているのだそうです。

 平安時代の鉛ガラス製容器は古代中国製に限られており、今回の水滴も彼の地で作られた物とみられています。


 今回の調査地の12世紀後半~13世紀の遺構からは畿内各地だけでなく、播磨(兵庫)、吉備(岡山など)、東海地方などの土器類が多数出土しています。


 京都駅付近は平安後期、鳥羽天皇の皇女・八条院暲子しょうし内親王をはじめとする貴族の屋敷が立ち並ぶ高級住宅地でした。

 この付近は、高級品だった水滴など、各地からの貢ぎ物を貴族らの屋敷群に供給する物流拠点だった可能性があるそうです。


 記事には出土した水滴の写真も載せられていましたが、水滴の名に相応しく、見事な水色をしております。千年近くの時代を経てこの美しさですから、当時の美しさは筆舌に尽くし難い程のものがあった事でしょうね。


 平安の昔に思いを馳せて、歴史の妄想の旅に出るのもいいかも知れません。平安貴族の優雅な生活……竹取物語とか源氏物語とか、あの辺のイメージでしょうか……。


 いやぁ、歴史のロマンですねぇ。多くの国では勢力の変わる度に前政権に関わっていたものを破壊したりして、勢力維持に努めたりするのが常で、遺物がいい状態で見つかる事は稀だったりするそうです。焚書も多く行われていますしね。


 その点、日本は比較的そう言う動きも少なく、動乱の歴史もあったものの、権力は維持されたままで、古いものが比較的多く保存されていたり、遺跡からいい状態で多数出土したりしております。これって誇るべき事ではないかなと思います。


 きっとまだまだ埋もれた遺物はあちこちにあるのでしょうね。いずれ何処かで大発見があって、歴史の常識がひっくり返ったりして。なんて事を夢想したりも出来る古代のロマンのお話でした。

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