ブンブンブーン

 7月20日現在(※執筆時)地元では相変わらず蝉が鳴きません。

 いや、たまには聞こえるんですよ。蝉が全然いないと言う訳ではありません。いない訳ではないのですが、遠くで鳴いているか、たまに鳴き声が聞こえるかなんです。


 こんな事は去年までは有り得ませんでした。鳴き始めるのが遅くても、一度鳴き始めたらその後は毎日が大合唱の日々が続いたものです。

 今年に入って急に木が減ったと言う訳でもありません。今でも蝉が近くにやってくればそりゃもう近所迷惑な程に元気よく鳴いてくれます。


 そう、単純に今年の夏は蝉の数が少ないんですよ。7月も下旬に入って、蝉だってどんどん地下から顔を出して成虫の時期を謳歌する頃です。それなのに数が少ないから蝉の鳴き声が聞こえない……この現象って地元だけなのでしょうか?


 虫の数が減ると言う事は多かれ少なかれ自然界に影響が出ます。生物の数のバランスで自然は成り立っていますからね。いつも多くいた種の数が急に減るとどうなるのかとても心配になります。


 そう言う流れで昨日はこんなニュースがありました。


 九州北部豪雨では、福岡県朝倉市で明治時代から続く養蜂場も大きな被害に遭いました。施設内で飼育するミツバチ25万匹は全滅。工場や売店なども浸水し、休業を余儀なくされたそうです。


 同市菱野地区の筑後川近くにある、1909年創業の藤井養蜂場。そこは製造工場の他、蜂蜜を使ったソフトクリームが売りの喫茶店や、養蜂を学べる施設が併設され、休日は親子連れでにぎわう人気スポットでした。


 7月5日(※執筆時)午後、たたき付けるような雨が降り続け、氾濫した川の泥水が約1万平方メートルの敷地に流入します。専務の藤井さんは「恐怖を覚えるほどの水量だった」と証言。従業員ら約50人は事務所の2階に上がり、不安な一夜を過ごしました。


 泥をかぶった巣箱のミツバチは全滅。4000本ほどの瓶詰めされた蜂蜜も水に漬かり、売り物にならなくなりました。従業員の中には自宅が流された人もいましたが、早期の営業再開へ向け総出で泥のかき出しに当たったそうです。


 同じく豪雨被害が発生した大分県日田市などにも巣箱があり、藤井さんは「犠牲になったのもいるのでは」と肩を落とします。一方、ここは全国の開花時期に合わせて巣箱を移す「移動養蜂」も手掛けており、北海道にいるミツバチが集めた蜂蜜で今後も販売を続けていくそうです。


 ミツバチが植物の受粉に果たす役割は大きくて、ミツバチがいなくなると多くの植物は実をつけられなくなると言われています。それが一気に25万匹もいなくなってしまったら地元の生態系に与える影響もきっと大きいのではないでしょうか?

 災害では人の被害ばかりが注目されてしまいますが、こう言う方面の被害も後々大きな影響をもたらしそうですよね。


 養蜂場の蜂もそうですが、自然の蜂はどうだったのでしょう? 少しでも多く生き延びていてくれるといいのですが……。


 子供の頃は蜂全般が苦手で、ミツバチもその例に漏れませんでした。今思えばあんなに丸っこくて可愛くてめったに刺さない蜂をどうして怖がったのだろうかと思います。ミツバチ、今では昆虫の中でもかなり好きな部類に入りますね。


 世界からミツバチがいなくなりませんように。ずっとずっと世界中の植物の恋の橋渡しをしてくれますように。そう願って止みません。

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