松山城に一体何が……

 日本の文化と言えば、思いつくものは色々ありますが、古来からその堂々とした姿を人々に見せているお城もまた立派な文化ですよね。日本のお城は日本にしかなく、その美しさは海外の人の心をも魅了します。全国各地にあるお城はそれだけでその地域のランドマーク的存在ですよね。


 このお城、今あるものは殆どが建て直されたもので、建築当時からその姿を保っているのは現在12守とされています。その12のお城も何度も修復されてその姿を保ったものが殆どです。木造建築物ですものね。

 だとしても数が少ない感じがします。きっと戦争で焼かれたお城も多かったのでしょう。大きいし目立ちますからね。


 地元にもお城はありますが、戦後に復元されたもので中身は鉄筋コンクリートであり、城の形をした何かです。だからこそ現存12守のお城を羨ましく思います。

 この地元の認識を県単位にまで広げれば、その貴重な12守の2つが県内にあります。すごいですね。ちょっと誇りに思っていいのかも知れません。


 で、その貴重なお城の話題がネットニュースに上がっていたので今回はそれを記事にしようと思います。


 6月26日(※執筆時)、愛媛県松山市は松山城の乾門東続櫓続東折曲塀いぬいもんひがしつづきやぐらつづきひがしおれまがりべいで、直径約3センチほどの円形の跡などを12カ所確認したと発表しました。

 何者かがゴルフボールをぶつけるなどした可能性があり、市は松山東署に通報。署は器物損壊事件の疑いもあるとみて調べています。


 市によると、26日午後2時頃に現場を通りかかった工事業者がへこみを見つけたのだそうです。塀のしっくい部分には目視出来るだけでへこみや瓦が欠けている部分が計12カ所あったのだとか。

 その約30分前にも市の職員が巡回していたそうなのですが、その際、城の傷には気がつかなかったのだそうです。


 松山城は21棟が国重要文化財に指定されていますが、この塀は1982年に市が復元したもので、文化財には指定されてはいません。これは不幸中の幸いだと言えるのかも知れないですね。


 27日に市は他にも被害がないか城内の建物を一斉点検します。担当者は「これまで色々な人が残してきた松山城を傷つけられて残念。市としても管理体制を強化して、後世に残していきたい」と話しているそうです。


 松山城は現存天守12守のひとつで地域の貴重な文化財です。文化も歴史もあり、松山市民を始め県内県外の人々にも愛されている立派なお城です。多分この凹みを付けた人はそんな歴史の重みを全く理解出来ない人だったのでしょう。嘆かわしい話です。


 松山城は山の上にあり、通常はリフトかロープウェイで登ります。敷地はかなり広く城内を歩き回るだけでいい運動になります。山の上のあるおかげで周辺で見上げれば結構な広範囲でお城が見えますし、逆に松山城からは松山市内が一望出来ます。良いロケーションなんですよ。


 今回は大きな騒ぎにもなっていますし、これでこの悪戯(?)も終わってくれたらいいのですけどね。もし、まだ被害が続くようならどうにか犯人を確保して欲しいと思います。そもそも器物破損ですし、犯行がエスカレートするようになると更に困りますからね。


 伝統文化は継承するからこそ守られ、維持されます。現存する文化財はその守って来た人々の思いが積み重なっているものです。その思いを肌で感じて、過去の人々の事に思いを馳せれば、大事にしようと思いこそすれ、傷つけようだなんて思わないはずなのですけどね……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る