スキマニュース日記

嘘を嘘と……

　６月に入っても(※執筆時)まだ最初の週は５月の雰囲気の延長なので、しばらくは心地の良い日々が続きますね。ジューンブライドは一番気候の良い時期だからって謂れだそうですけど、日本でもまだ６月の上旬なら確かに一番気候が良い時期と言えなくもありません(個人の感想です)。

　とは言え、最近は６月の上旬ですら晴れると真夏の日差しだったりしますけどね。やっぱり日本の場合、一番気候が良いと言えるのはGWの頃でしょうか。

　気候が良いと外に出て美味しいものを食べたくなりますよね。ピクニックでもいいし、屋台の食べ物でもいい。青空の下で食べる、それも気の合う友達とワイワイ騒ぎながらの食事はとても気持ちの良いものです。

　さて、気軽にそんな雰囲気を味わえるのが最近流行りのフードフェスティバルでしょうか。大掛かりなのではＢ-１グランプリとかもありますけど、他にも全国各地で様々なイベントが開催されて各地で好評を博していますよね。

　こう言うイベントの場合は、多くの味を楽しんでもらうために一食当たりのボリュームは控えめで、お値段もリーズナブル……でもない場合もありますけど、そこまで高くないものですよね、基本。そう言う訳で知らなかった味にも気軽に挑戦出来たりして、楽しい思い出のひとつになると思います。

　イベントによってはグルメ以外にもアイドルのライブがあったり、ゆるキャラが登場したりして、お客さんを飽きさせない工夫をするのもまた運営側の腕の見せ所になるでしょうか。

　で、そんなグルメイベントにかこつけた犯罪がどうやら起こったようですね。

　６月３日(※執筆時)、警視庁は架空のグルメイベントの開催を呼び掛け、参加希望の飲食店から出店料をだまし取ったとして、イベントを企画した「大東物産」前代表の大須健弘容疑者、自称コンサルタント業の田辺智晃容疑者ら４人を詐欺容疑で逮捕しました。同庁捜査２課は認否を明らかにしていません。

　被害者の会弁護団などによると、容疑者らは「グルメンピック２０１７」の名称で全国約５００の飲食店から計約１億３６００万円を集めたとされています。同課は田辺容疑者が首謀者とみて、実態解明を進めているそうです。

　具体的な逮捕容疑は昨年１１月下旬ごろから今年１月上旬ごろ、「特別枠の方には、出店料を半額にして、必要な器材は無償でお貸しします」などと嘘を言って、千代田区の会社と大阪市に住む飲食店経営者の３０代女性から、現金計約６５万円をだまし取った疑いです。

　田辺容疑者らは「日本最大級の食フェスに！」などとうたい、今年２月に東京と大阪で開催するとしていたそうです。東京会場では１０日間で延べ５０万人以上、大阪会場では８日間で延べ２０万人以上の来場を目標に掲げていました。

　うまい話には裏があると言いますが、このイベント会社の実績にはどんなものがあったのでしょうね？　普通はその会社の実績を見てから話に乗るかどうかの判断をすると思うのですが。

　説明の際に会社の実績も検証不能な嘘八百を並べ立てていたのかも知れません。

　この会社に実績があってもなくても、このイベントが成功すると思わせるだけの話術が巧みだった、それだけはきっと間違いないのでしょう。詐欺師ですもん、信じさせるのは得意だったのでしょう。

　しかし、そんな大東物産は今年の１月中旬、出店者に開催延期を通知。集めた出店料計約１億３６００万円の内、返金したのは約５００万円のみだったと言う話です。

　同社は２月２０日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けました。

　５００店から資金を集めて返金が５００万円。１店舗辺り１万円ですか。それっぽっちしか返さずに後は破産で逃げるつもりとは虫の良い話です。残りの１億３０００億円以上はどこに消えたのでしょう？　何に使ったのでしょう？

　既に被害者の会が結成されていますし、全額被害額が返済されるまで、是非とも頑張って欲しいと思います。

　飲食店を経営する皆さんの心を弄び踏みにじった容疑者の行いはしっかり裁かれて然るべきです。自衛も勿論必要だとは思いますけど、だからと言って騙された人を悪く言うのは違うと思います。人はいつ騙されるか分かりません。口の上手い人は普通なら騙せないような人でも言葉巧みにころりと騙してしまうのですから。怖い怖い。

　私達は騙された結果を知っているから偉そうな事も言えるんですよね。そこはしっかり自覚して、騙しに使われたテクニックを知り、それを忘れないようにパターンを覚える事だけを考えるべきです。いつか自分が当事者になってしまわない為に。

　詐欺に遭わない心がけ、うまい話に潜むからくり。急いては事を仕損じる。事件が報じられる度にしっかり学習して嘘を嘘と見抜けるようでありたいものです。

　嘘つきは常に私達の油断する隙を狙っている事でしょう。その笑顔が本物か偽物か、調子の良い話には常に眉に唾をつけておきたいものですね。