おそロシ……ロシアじゃなかった!

 今回は久しぶりの海外からの話題です。日本のニュースも色々あったのですが、インパクトでこのニュースに勝るものがありませんでした。

 コメント出来るニュースをネタに語るこのエッセイもどき。基本的に世の関心よりもネタ度の高いものを取り上げる傾向があります。どうかお見知りおきを。


 で、恐ろしい事件は全てロシア発――そう言う意味も含めてのネット用語におそロシアと言うものがありますが、実際、ロシア発の話題はその言葉の通り恐ろしいものが多いですよね。で、今回取り上げる話題も中々に恐ろしいものがあり、ホラーな世界観なのですが、ロシア発ではありませんでした。

 それでもこの言葉をタイトルに思わず使いたくなってしまうような、そんな背筋も凍る事実が発覚しております。その話題の舞台はUSA!


 アメリカ、ミシシッピ大学医療センターの地下で、約7000以上もの遺体が眠ったままになっている事が大学の発表で明らかになりました。該当する敷地には、かつて同州初の精神病院が建っていたのです。


 いやもう、精神病院と言うだけでホラーじゃないですか。そう言う病院に入院と言う事は当時としてはもう家族と縁を切るような状態だったのではないかと思います。

 だから引き取り手もなく敷地内で死体を処理するしかなかった――そんな想像もしてしまいます。


 大学によると、1955年のセンター設立当初から地下に遺体が埋まっている事は分かっていたものの、これほど大量の数とは考えられていなかったとの事です。

 やがて時は流れ、2012年~2013年に敷地内北東部分を工事中、66個のひつぎが地中から見つかった事で、事態は明るみになりました。発掘された遺体は19世紀後半から20世紀初頭のものと見られているものの、現在も個人の特定には至っておりません。


 何て杜撰な管理をしていたのでしょう。もしかしたらこれらの遺体については公式な書類を残したくない状況だった可能性も考えられますね。当時の精神病の治療はまだ分からない事も多く、人体実験的な事も少なからず行われていそうですし……(汗)。


 2014年に駐車場建設の為の土地調査をしていたところ、地中に更に2000体以上の遺体が埋まっている事が発覚します。駐車場の建設場所は当然変更となりました。


 5月9日(※執筆時)に発表された最新の情報では、眠っているとされる遺体の数は5000~7000体程度。当初全て掘り起こすには2100万ドル(約23億4000万円)が必要とされていましたが、現在は320万ドル(3億5600万円)程度で実行出来る方法を検討中なのだそうです。

 慰霊碑と共に研究施設が併設され、患者の過去の生活や病歴などに関する調査も行われる予定なのだとか。


 見方によっては隠蔽工作とも見られるこの過去の負の遺産、どうか少しでも亡くなった患者さんの身元が判明するといいですよね。埋葬されていたのがどこの誰かと言う事が分かればそれだけでも慰みになるかと思います。

 ただ、詳細な資料がまだ残っていればいいのですが……。


 このミシシッピ州立精神病院は1855年に設立され、1935年にウィットフィールドへと移設されるまでの間、3万5000人程度の患者が収容されていたと考えられています。

 同州初の精神病院という先駆的な施設でしたが、海外の報道によると1855年~1877年に入院した患者1376人の内、5人に1人が死亡していたとする資料もあり、それなりに過酷な環境だった事が分かっています。


 普通に考えて入院中に死亡したら遺族の元に遺体は戻されますよね。それが出来なかった遺体だけで7000体と言う事は実際の入院死亡率は5人に1人程度どころではなかったのではないでしょうか? そもそも入院して退院する率の方が低かったくらいなのでは? と勘ぐってしまいます。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル


 この当時の精神病院は入院したら最後的な場所だったのでしょう。今の精神病院はこう言う過去の病院が積み重ねて来た結果をもとに成り立っているのですね。


 昔の精神病院は怖いです。そう言うイメージがあります。ホラー映画の舞台の定番のひとつですしね。このニュースを見てその怖いイメージがさらに固定化されてしまいました。おそロシ……アメリカの話ですが。


 物語とかで患者が非道な扱いをされるMADな病院が舞台になる事がありますが、このニュースが示す事実は実際にそう言う病院は実在したと言う事なのでしょうね。本当、事実は小説より奇なりです。


 どうかここに埋葬されていた彷徨える魂が無事あるべき場所に還れますよう、お祈り申し上げます。どうか安らかに。

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