お前……誰だ?

 5月中旬って気候が良くていいですよね。暑くもなく寒くもなく。ずっとこの気候だったらいいのにと思います。花粉症もそろそろ治まる時期ですし。

 そう言えばパタリロの舞台のマリネラ王国は常春の国って設定ですけど、もしかして一年中こんな感じなのかな。と、そんな想像をしてしまいます。


 パタリロと言えば印象的なのが皆同じ顔のタマネギ部隊ですが、みんな同じ顔だと見分けがつきませんよね。こっそり入れ替わっても体格が一緒だと気付かれなさそうです。

 同じ顔と言えばカイジのスピンオフの中間管理録トネガワでもグラサン達の見分けがつかないのをネタにしていましたっけ。あれは笑いました。


 さて、同じ顔でもないのに別人になりすまして、しれっと他人が仕事をしていたある特殊な職場がありました。それが今回取り上げるニュースです。


 5月16日(※執筆時)、朝日新聞の取材によると静岡県警裾野警察署が民間業者に委託している清掃業務で、作業員の殆どが登録の名簿とは別人だった事が分かりました。それぞれ登録上のネームプレートをつけ、署員による点呼の際にもなりすまして返事をしていたそうです。


 問題が発覚したのは13日に行われた定期清掃業務。身元が確認出来ない人物の出入りを防ぐ為、署は事前に請負業者から作業員名簿の提出を受けていましたが、実際に作業していた10人の内8人が別人だったのだとか。彼らは下請けや孫請けの作業員とみられると言う話です。


 きっと人員を変えるとなったら手続きがやこしいのでしょうね。何しろ警察ですし。それで業者が安易な手段を使った。それが真相だとは思いますけど、それにしても10人の内の8人が別人って……メンバーを固定しているなら警察署員も顔は覚えているはずなのに、何で誰も気にしなかったんだろう。敢えて見逃していた?


 署によると、作業員らは刑事、交通各課や署長室の他、金庫のある会計課内にも立ち入っていました。作業開始前には担当署員が点呼をとっていましたが、全員が名簿上の名前で返事をしていたと言う話です。

 作業終了近くになって、署員が予定になかった身元確認を実施したところ事態が発覚したそうです。


 ここがまた怪しい経緯なんですけど、何でこの時に限って予定にない身元確認をしたんでしょう? 別の人が仕事しているって言うのはきっと黙認していたのだと思うのですが。それを許せなかった一部の署員が行動を起こしたとか? それにしても点呼での返事程度で確認出来たとか管理がザル過ぎです。いやはや。


 さらに点呼時に作業員は9人だったのが、終了時にはいつの間にか10人に増えていたのだそうです。

 署はこの「なりすまし」について、警備上の問題があるとみており、詳しい経緯や、これまでにも同様の事がなかったかについて業者から事情を聴いています。

 現場には署員が立ち会う決まりになっている為、「ものが紛失するなどの問題は起きていない」(同署)との事。


 人数が増えているって……(汗)。多分途中でヘルプを呼んだんでしょうけど、これを警察側が把握していないのがすごい。立ち会っているならいつの間にか増えたって事はないでしょう。何時頃から人員追加と認識していて然るべきです。その程度の認識で立ち会っているって言えるのでしょうか?


 問題はこのなりすましがいつから行われていたかですよね。この業者を警察署が採用したのがつい最近なら、作業員の顔も覚えていなかったと言う可能性はあります。とは言え、覚えていないなら尚更作業員の顔と名前は一致出来るように念入りにチェックすべきでしょう。その情報が外部に漏れてはならない職場でこんなに管理が杜撰なのは呆れるばかりです。


 よく物語でスパイや活動家が清掃業者になりすまして政府機関に潜り込む描写がありますけど、アレって実際に可能なんだなとこのニュースを読んで思いました。


 警察は隠蔽体質があるので問題が起きていないと言う言葉も簡単には信用出来ません。物が盗まれていなくても情報は盗まれ放題だった可能性もあります。もしそんな事が本当に起こっていたなら、信頼はさらにガタ落ちになりますね。


 今回は静岡県警で発覚したこの問題、果たしてこの署だけの事例だったのでしょうか? 全国各地の警察署でも同じような事になっていないのでしょうか?

 事が事だけに全国の警察署でも今一度しっかりと外部業者のチェックは行って欲しいと思います。こんな方法で情報が筒抜けになっていたとしたら本当洒落になりませんからね。

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