それでも僕は……

 最近、痴漢を疑われて逃げ出す人が多くニュースになっています。満員電車って、もうギュウギュウ詰めになるから不可抗力ってあると思うんですよね。

 すし詰め状態の満員電車の車内は人が多過ぎて酸素が足りなくなるんですもん。アレに毎朝耐えている皆さんには本当に頭が下がります。私は昔ほんの数週間体験しただけでヘトヘトになりました。


 勿論本当の痴漢はれっきとした犯罪ですが、問題なのはもしでっち上げられたとしてもその訴えが認められる事がほぼないと言う事なんですよね。捕まったら終わり。社会的にも終わり。このテーマについて語った映画でも主人公の訴えが認められずに終わっています。


 だからこそ疑われたら逃げるしかない、そう言う風潮が今でも根強く残っています。それで最近も疑われて逃げていく事例が頻発しているのでしょう。

 今回取り上げる事件も痴漢を疑われた人が焦って逃げた先での不幸な出来事でした。


 5月15日(※執筆時)の朝、東急田園都市線青葉台駅で、痴漢を疑われた30代の男性が下りホームから線路内に飛び降り、押上発中央林間行き普通電車にはねられました。その後、男性は搬送先の病院で死亡が確認されたそうです。


 神奈川県警によると、男性と同じ電車に乗っていた30代の女性会社員が「男性に痴漢された」などとホーム上で訴え、別の乗客が男性を取り押さえます。

 駅員がホームで男性に事情を聴いていたところ、突然暴れ出して線路に飛び降り、中央林間方面に走ったところで後ろから来た電車にはねられたと言う事です。


 痴漢冤罪――か、どうかは分からないにしても、この線路に降りて逃走事件でついに最悪の結果が出てしまいました。この事件以前にも似たような事件が続出していて、もしかしたらいつかそういう事も起こり得るかも知れないと危惧していた矢先の事件でした。


 取り押さえた人自体は勇気を持って自身の正義を信じてその行為をしたとは思うのですが、結果的に押さえられなかったと……ネットの意見の中には突き落とされたんじゃないかと言う意見もあって――情報が錯綜しております。


 痴漢被害を訴えた女性もこの結果に怯えたのか、その後に姿を消したそうです。本当に痴漢だったのか、それとも彼女の勘違いだったのか、もうその真相は闇の中なのかも知れません。


 こう言う事件を防ぐために電車内に監視カメラを設置するべきだと言う意見もありますが、きっとカメラの証拠程度じゃあ冤罪は晴らせない気がします。某映画でもその状況じゃ絶対に痴漢は出来ないと証明した所で判決は覆りませんでしたし。


 ここまで来たら男性と女性で車両を完全に別にするしかありません。せめて朝のラッシュ時だけでも。女性専用車両だけでは足りないんですよ。男性専用がないと。


 朝の混雑時にこう言う騒ぎが起こってその度に電車のダイヤが狂うと通勤の皆さん全員に迷惑がかかってしまいますよね。だからこそ一刻も早く普通の人が痴漢に間違われない仕組みが出来上がって欲しいと思います。


 後は司法関係も、もう少し痴漢冤罪に関して柔軟な考えを持って欲しいと思うのですが……こっちを変えるのは中々簡単な話じゃなさそうですよね。

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