身内に甘いヨ!

 さて、誰でも身内には判断基準が甘くなりますよね。身内に甘い組織と言えば第一に思い浮かぶのが警察と言う組織ではないかと思います。

 自分達は少しの犯罪にも厳しいのに、その実行犯が身内だと処分が甘々。

 先日もホストに入れ込んでお金を使い込んだ婦警さんに対して、親が全額返済したのでお咎めなしと言う事件がありました。


 今話題になっている内部犯行が疑われている事件に広島県警の署内多額窃盗事件があります。署内で保管していたはずの8572万円が忽然と消えてしまったこの事件、かなりの確率で内部犯ではないかと言われています。


 警察内でもこれは内部犯だと確信しているのか、この無くなったお金について以下のような発言をしています。


「見つからなければ、公費で弁済せざるを得ないかも知れない。あってはならないことで捜査に全力を尽くす」


 これは県警幹部の話だそうです。公費って税金ですよね? 自分達の管理が甘かった事に対する責任は何処へ?


 そもそも盗難に遭った現金は、生前贈与を持ちかけて手数料名目で現金をだましとったとされる多額詐欺事件の証拠品。

 県警は今年2月、容疑者グループ5人を逮捕し(うち2人が詐欺罪で起訴)、東京都内の関係先で計約9000万円を押収。同署会計課の金庫で保管していました。

 被害は全国400人以上、総額約1億6500万円に上る大がかりな詐欺事件とみて、捜査を続けているそうです。


 この押収した現金8572万円は国の制度に基づき、詐欺事件の被害者の手元に戻される可能性があるお金なのだそうです。そんな大切なお金の管理、一体署内ではどう言う形でなされていたのでしょうね。


 盗難は詐欺事件の刑事裁判にも影響を与える可能性もあるのだとか。この詐欺事件の被告は起訴内容の一部を否認。被害弁済の有無は情状酌量の判断にも関わる事から、弁護人の一人は「被告にとっても悪影響だ」と話しているそうです。


 ネットコメントでは署員のボーナスカットなどでそのお金を工面すべきと言う意見が多いようですね。今の状態で公費補填は理解を得にくいかと思います。

 法の番人である警察官だからこそ自らの罪には厳しくあって欲しいと言う思いはありますが――その正反対の場合が多いのが現実です。


 大体、警察署内で盗難事件が起こる事自体があってはならない事。昔、別の警察の事件で署員が証拠品を捨てていたなんて事もありました。自分達が取り締まる側だからこその気の緩みもあるのでしょうね。日本の捜査機関は証拠品の適正管理への認識が低いと言う意見もあります。


 この盗難事件の結末がどうなるかは分かりませんが、どんな結果になったにせよ、高額の現金を警察署内で保管すると言う今の方法は変わっていくべきかと思います。警察官だって人間ですものね。

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