さ、サイン下さいっ!

 有名人になるとただ名前を書くだけで価値が生まれてしまうものですが、その風習はやはり海外からもたらされたものなのでしょうね。日本で最初にサインに価値を見出したのは誰なんでしょう?


 さて、サインと言えば誰もが物心ついた時に一度は自分のサインを考えるものですよね。私も小学生の頃に自分が有名人になった体でオリジナルのサインを沢山考案したものです。今でもそれが残っていたら恥ずかしくて焼却処分するに違いありません。


 サインは有名人になればなるほど価値も上がって、ついにはサイン鑑定人なんて言う人まで現れるようになりました。これもサインに価値が生まれたからこそ誕生した職業と言えるでしょう。

 何故そう言う人の需要があるかと言えば、偽物が横行しているからに他なりません。高く売れるなら真似してお金を稼ごう。こう考える人が出てくるのは世の常なのです。


 5月10日(※執筆時)。岡山県警は東京都の無職工藤聡容疑者を詐欺の疑いで逮捕しました。容疑者は人気アニメ映画「君の名は。」の新海誠監督らの偽のサイン色紙をインターネットオークションで販売していたそうです。動機について「生活費のため、偽物を作って販売した」と話し、容疑を認めています。


 岡山中央署によると、工藤容疑者は昨年10~11月、新海監督と宮崎駿監督の偽のサイン色紙をオークションサイトに出品し、岡山県の男性と愛知県の男性にそれぞれ落札させ、送料を含め計2万5550円をだまし取った疑いがあるそうです。

 イラスト入りの新海監督の「君の名は。」の偽色紙は1万7千円、宮崎監督の「風の谷のナウシカ」の偽色紙は7750円で落札されたのだとか。


 何故岡山県警が動いたのかと思ったら岡山県の被害者が被害届を出したからみたいですね。岡山県警の皆さん、お手柄です。


 工藤容疑者はサインとイラストを本物に似せて自分で描いていたそうです。オークションの出品情報には「先生の直筆のサイン色紙で、イラストとサインの部分の両方とも直筆(肉筆)となっております」と書き込んでいました。


 これ、記事には写真も載っているのですが、監督を知る人から見れば絵もサインもお粗末なものでした。だから岡山の被害者の人は偽物だと気付いたのでしょう。出来れば落札する前に気付いて欲しかったですが……。ただ、監督の事をよく知らない人が見たらころっと騙される可能性はありますね。


 県警は自宅にあった偽のサイン色紙十枚以上を押収。取引履歴を確認したところ、昨年7月~今年3月に計279件がオークションサイトで落札され、約240万円を売り上げたとみられます。


 これだけの人が騙されていますし……(汗)。きっとこれらの人は監督の事をあまりよく知らない人達なのではないかと思います。それか人を疑う事を知らないピュアな人か……。


 大体、ネットオークションに出品されるサインの多くは偽物だって言われています。簡単に捏造出来るので詐欺としてのレベルも初歩の初歩でしょう。

 もし私がオークションで買うとしたなら本当にそのサインを本人が書いたと言う証拠付きでないと信用しません。例えば本人がサインを書いている様子を動画で見せてくれるとか。


 私はサインにあまり価値を求めていないので、サインに大金を払う人の気持はよく分かりません。

 けれど、そう言う人の気持ちを利用する人は許せませんね。


 サインって有名人が自分の為に時間と労力を使ってくれていると言う、その行為に対する感謝の気持ちがメインにあるんじゃないかと思うんですよ。そこに価値がある。ただ書き上がったサインを後から貰ってもコレクション的な意味しかないんじゃないかなと思います。


 私もいつか有名になって、誰かにサインをねだられる日が来る夢くらいは見ていようと思います。そうだ! そうなった時の為にサインの練習をしなくっちゃ。

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