第730話華蓮の計画(2)
華蓮が口にした名前は、「鷹司京子」という名前だった。
マスターは、その名前を聞いて、全く意外だったようだ。
「え?京子ちゃんを?史君のマネージャーに?」
「京都の財団のほうで忙しいのでは?」
「それに、もともと、和楽器とか・・・そっちが専門では?」
「和楽器と洋楽器のコラボの企画を関西でやっているって話は聞いたよ」
「クラシックとか洋楽のイメージは・・・あまりないよ」
マスターは首を横に振る。
華蓮は、そんなマスターに笑いかける。
「いやいや、京子ちゃんは、音大卒だよ」
「史君の通う音大とは違うけれど」
「音楽界にも知りあいは多いはず」
マスターは、それを聞いて「ふむ・・・」と、考え込み
「華蓮ちゃん、どうして、京子ちゃんを思いついたの?」
と尋ねる。
華蓮は、クスッと笑い、
「京子ちゃんね、しっとり系なんだけれど、仕事はできる」
「細かいし、人当たりが柔らかい、思いやりがある」
「史君にはあうかなあとね」
マスターは昔を思い出している。
「うーん・・・史君が京子ちゃんと遊んでいるって、イメージはないなあ」
「京子ちゃんは、史君から言えば、6歳上か・・・」
今度は華蓮が首を横に振る。
「マスター!そんなことないって」
「史君はね、加奈子ちゃんと、時々愛華ちゃんと遊ぶ、でも、それが由紀ちゃんが気に入らなくて、私に泣きながら逃げ込んだのは知っているよね」
マスターは「うん」と頷く。
華蓮はククッと笑う。
「それがね、時々、三回に一回くらいね、京子ちゃんのところに逃げ込むの」
美幸も出て来た。
「面白そうなお話・・・もっと聞きたいです」
華蓮
「でね、京子ちゃんは、絶対ですぎないタイプ」
「目立たないし、余分なことは言わないけれど」
「叱る時は、超怖いの」
「由紀ちゃんは、いつも史君をポカリし過ぎて、こんこんとお説教されてね」
マスターと美幸の目はこの時点で「点」
華蓮は笑った。
「でね、なんと由紀ちゃんがお説教で泣き出して・・・」
「それを史君がなぐさめるの」
マスター
「へえ・・・」
美幸
「ほーー・・・」
華蓮は、そんなマスターと美幸の反応を見ながら、スマホに何かを打ち込んでいる。
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