第729話華蓮の計画(1)
華蓮は、いろいろと考えている。
「史君の大旦那のお屋敷に引っ越し計画も無難に終わった」
「由紀ちゃんが大騒ぎになって、史君が苦しむかと思ったけれど、そうはならなかった」
「まとめたのは、晃さんかなあ、さすがだ」
「大旦那夫妻も、やがては隠居」
「そうなると、晃さんが文化系の財団を引き継ぐ」
「このカフェ・ルミエール文化講座の理事長も晃さんかな」
「適任、全く問題がない」
「史君は、取りあえず、由紀ちゃんストレスはなくなるけれど・・・」
「当面は、私がマネージャーか・・・」
「ずっとでもいい・・・だめかな」
「文化講座は、道彦君にやってもらってもいいけれど、時期が早すぎる」
「亜美ちゃんが、ご出産になると、難しいなあ」
「加奈子ちゃんに手伝ってもらうかな、アルバイトで」
「でも、学業もあるから、あてにはならない」
「由紀ちゃんは、細かい仕事には向かないから頼めない」
いろいろ考えている間に、カフェ・ルミエール文化講座事務局は、業務終了となった。
夜も6時。
華蓮は、カフェ・ルミエール夜の部に顔を出す。
「いらっしゃいませ」
美幸が、いつもの柔らかな笑顔。
マスターは、カウンターの奥で、ニヤリ。
華蓮は、カウンター前の椅子に座った。
美幸
「何か飲みます?」
華蓮
「スパークリング系がいいな」
美幸
「それでは・・・白のスパークリングワインなど」
華蓮が、スパークリングワインで、喉を潤していると、マスター。
「史君の家もなんとかまとまって良かったね」
華蓮は笑う。
「もっと、もめるかと・・・」
マスターは苦笑い。
「由紀ちゃんだろ?」
美幸も、少し笑う。
「私も、史君のお姉さんなら、心配で手離せないかな」
華蓮も笑う。
「柱に縛りつけても離したくないかな」
マスターが少し真顔。
「マネージャーは大変だよ、忙しくなったら対応できない」
華蓮も真顔。
「うん、すぐに忙しくなりそう」
「4月に文化講座も始まるしね」
「できれば、それまでに、ちゃんとしたマネージャーが欲しい」
美幸
「史君のこととかを、よくわかっている人ですよね」
マスターは考え込む。
「音楽業界にも詳しくて、一族のことも、知らないとトラブルになるかな」
華蓮は、途中で、「誰か」ひらめいたようだ。
そして、マスターの顔を見て、
「ねえ・・・マスター・・・」
声をかけている。
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