第654話加奈子の上京(8)
明日の定食屋行きの話が一段落したので、加奈子、由紀、史は一階のカフェ・ルミエールに。
ここでも加奈子は歓待を受ける。
洋子は笑顔。
「加奈子ちゃん、おひさしぶり」
加奈子は、しっかりと頭を下げる。
「来年の3月過ぎに、東京に越してきます、よろしくお願いいたします」
結衣もうれしくて仕方がない。
「ねえ、都内のことを教えるから、京都のことを教えて」
加奈子もうれしそうに答える。
「わ!それはありがたいです、すっごく気が楽になった」
彩は、さっそく加奈子を誘う。
「たくさん女子会ができるね、楽しみ」
加奈子は笑い出した。
「そうですね、洋子さんもマスターも清さんもすごいから、いろんなお店をおしえてもらえそう」
・・・とにかく、盛り上がっている。
史は、途中から洋子の前に。
「ねえ、洋子さん、チョコレートとリンゴのケーキが美味しかった」
洋子
「お母さんと考えたけど、史君がそう言ってくれて安心」
史
「生クリームとかデコレーションもするんでしょ?」
洋子
「そうね、店限定でやるかな、それも考えている」
ただ、由紀は洋子と史が親密に話し込むのが、少し気に入らない。
「史って、年上趣味?それは一番落ち着いているけどさ」
「洋子さんも洋子さんだ、あんな史みたいなガキンチョ、どこがいいのかなあ」
由紀がそんなことを考えていると、結衣と彩も洋子と史の会話に加わってしまう。
結衣
「デコレーションもね、せっかくだから、いろんなデザインを考えようよ」
彩
「店の中で、いろいろ作って見比べる」
洋子
「夢があるのがいいなあ、可愛らしいのがいい」
加奈子も話に参加。
「私も何かしたいなあ、あのケーキはなんとでもできる」
史
「パウダー風の雪とか、どっさり積もった雪とか?」
洋子
「小さなお菓子の家を乗せる」
結衣
「チョコレートケーキを白いクリームで包んで、その上に色とりどりのマカロンとかは?」
彩
「いいねえ、天使も乗せたい」
・・・・・様々デコレーションで盛り上がるけれど、由紀は「ちょっと」入っていけない。
それでも加奈子が由紀を気にした。
「由紀ちゃん、何かアイディアある?」
由紀は「うーん・・・」と思いつかない様子。
その由紀を見て、史が余計なことを言う。
「無理、食べるだけだもの」
「でもダイエットするんだよね」
由紀の顔は真赤になっている。
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