第457話全員で学生街へ
愛華と加奈子は、大きな荷物は宅配便で京都まで送ってしまったので、かなり身軽な状態。
大旦那と奥様に、充分なお礼を述べ、史と由紀とともに、お屋敷を出た。
お屋敷から少し離れて史が
「大旦那も来たかったみたいだけど、今日は政府の仕事があるんだって、文化庁かなあ」
由紀も、それでクスッと笑う。
「うん、それはよかった、予定がなかったら絶対についてくるって大騒ぎになる」
愛華は、とにかく行き先が興味津々。
「なあ、史君、御茶ノ水、神保町なんやろ?学生街で本屋さんの街?」
加奈子も、うれしくて仕方がない。
「うん、いいロケーションやなあ、東京駅にも近いし」
そんな愛華と加奈子に史が
「少し本屋さんめぐりをして、江戸の総鎮守の神田明神も参拝しましょう」
由紀も
「お昼は、今までとは全然違うのを考えているの、まあ、いろいろあるけれど」
そんなことを言うものだから
愛華は
「うわーーー何やろ?楽しみやなあ」
加奈子は、少し考える。
「学生街の食事かあ・・・うーん・・・」
すると史
「えっとね、かなり老舗の天ぷら屋さん、蕎麦屋さん、ラーメン屋さん、カレー屋さん、パスタ屋さん、ハンバーグ屋さん、ステーキ屋さんもあるなあ、それから完璧に美味しい珈琲を出す喫茶店もある」
と、スラスラ説明をする。
愛華は、ますますニコニコ顔。
「うわーーー!悩むなあ・・・どれも関東風かなあ・・・全部は食べられんし」
加奈子は、顔が輝いている。
「だいたい、都内の学生街って聞いただけで、元気が出てくる、京都も大学あるけれど、どうしてもお寺とか神社があるから、イメージが少し違うんや」
由紀が、本屋街の説明を少しする。
「まあ、大きな本屋さんも並んでいるし、古本屋も面白いよ」
「同じ本でも、店によって値段が違うとかさ、珍しい本もあるし」
「本については、聖地なんだと思う」
一行は、そんな話をしながら、地下鉄に乗り込む。
途中から都営新宿線に乗り換え、神保町駅に到着。
そして階段をのぼると、靖国通り。
史が全員に声をかけた。
「さあ、本の聖地を探索です、見だしたらキリがないかも」
その言葉で、全員の目が輝いている。
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