第436話銀座、日本橋散歩(2)

一行は、東京メトロの銀座線で、銀座へ。

大旦那が心配して車で送ると言ったけれど、愛華と加奈子は「嫌や、絶対にメトロに乗りたい」と、断った。


さて、その東京メトロに乗った愛華と加奈子は、キョロキョロして、面白くて仕方ない様子。


愛華

「ねえ、加奈子ちゃん、表参道とか青山一丁目とか、赤坂見附とか、面白そうやなあ、雑誌で見て憧れている地名や」

加奈子

「そうやねえ、かっこいいビルが並んどるんかなあ、京都の場合は、いきなりお寺さんとか目に入るけどなあ」

愛華

「あれは観光客には受けるけどなあ、やはり都内の雰囲気とはなあ・・・」


やはり、愛華と加奈子は、東京ならではの雰囲気を味わいたくて仕方ない様子。


さて、四人を乗せた銀座線は、ほどなく銀座に到着。


史が、

「地下道でも、地上に出てもいいけれど」

と、愛華と加奈子に聞くと、二人とも「お任せ」としか言わない。


史は、結局、地上の道を選択した。

「じゃあ、今日は天気もいいから」

そのまま四人で、階段をのぼって、地上に出た。


すると、まず加奈子が目を丸くした。

「うわーーー!やはり都会やなあ・・・こんなにビルばかりで・・・歩いている人も多くて」

愛華の目も輝いた。

「ねえ、あれが和光?あらーーー歩こうよ、初めてやもの、しっかり見たい」


由紀も、そんな愛華と加奈子の笑顔にホッとする。

「ふぅ・・・まあ、これなら大丈夫かなあ」


そして、史の顔を見る。

「でも、お昼、どこで食べよう・・・史は、何を考えているのかなあ」

由紀は、そう思ったので、史に声をかけた。

「ねえ、これから、どういうルートで、お昼とかは?」


史は

「えっとね、まず和光がある四丁目交差点を中心に、お香のお店とか、七丁目の楽器屋さんとかは、行こうかと」

「それとお昼は、夜が大旦那の屋敷で、和食って言っていたから、全く違うものにしたい」

と、まで答えて、愛華と加奈子には聞かれないように、由紀に何かを耳打ち。


由紀は、ニッコリ。

「ふふ、そうだね、それは楽しみだ、あそこなら関東も関西も関係ない」

「史にしては、よく考えた」

珍しく、史を誉めている。

そして史に、もう一言。

「マスターに後で、自慢しよう」

史は、由紀の言葉で、笑いだしてしまった。

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