第197話史と里奈の御茶ノ水と神保町デート(6)
史と里奈は聖橋を渡り、駿河台の坂をおりていく。
史
「駿河台というところは、家康が駿河の国から家臣団を連れてきて住まわせたところで、もともとは今川家の人もいたみたい」
「ここに大久保彦左衛門の屋敷跡の碑もある」
そんな説明をしていると、右手には明治大学の高くて大きくてお洒落な校舎がそびえている。
里奈
「へえ、ここが明治ねえ、かっこいいなあ」
「野球とかラグビーも名門だけど、柔道も強い」
「オリンピック選手を何人も出している」
そんなことを言って感激気味。
史
「ああ、見た通りの学生街で、楽器屋さんとかスポーツ屋さんも多い」
里奈
「そうだねえ、史君の使う楽器はあるの?」
史
「ああ、どちらかというと、ロックとかジャズのギターとかドラムが多いかなあ」
「だから、あまり入ったことはない」
そんなことを言いながら歩くと、二人は既に靖国通り。
時計も十一時半、史は里奈の顔を見て
「先にお食事しようか」
「お店は僕に任せて」
里奈は
「うん!史君にまかせる」
ということで、靖国通りを渡り、三省堂を通り過ぎ、すずらん通りを歩いてく。
里奈
「本当に本屋さんが多いねえ」
史
「うん、本と古本の聖地」
「同じ古本でもね、五百円と百円の違いがある場合もある」
里奈
「へえ・・・どうして違うの?」
史
「それは汚れとか、書き込みで違うんだ」
「あまり気にしない人は、安い方で十分」
里奈
「うん、それもそうだ」
そんな感じで気が合う二人は、一軒のレトロでリッチなビルの前に立った。
史
「ここ、学士会館ってところ、味は一級品」
里奈
「へえ・・・いいの?高くない?」
さて、本当に美味しいお店らしいけれど・・・
次回をお楽しみに。
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