第198話史と里奈の御茶ノ水と神保町デート(7)
史と里奈は、仲良く学士会館の中に入った。
里奈は学士会館の中に入っても
「これはレトロで超リッチだ、すっごい、歴史も古そうだ」
「後で、パンフレット持って帰って、しっかり見よう」
となり、ちょっと緊張気味。
史はその学士会館の中でも、フレンチのレストランに入った。
店の人は、史を知っているらしい。
また、予約もしてあったようだ。
混雑はしていたけれど、すぐに予約席に案内してくれた。
史は
「ここは昭和3年の建築。今も当時のままで、ラタンというレストラン」
里奈は
「天井が高いなあ、カーテンも窓も豪華」
「あの・・・注文わからないから・・・任せる」
ますます緊張してきている様子。
給仕が注文を取りに来た。
給仕は
「史君、お久しぶり」
うれしそうな顔をする。
史も
「はい、ご無沙汰です、大旦那と来て以来ですね」
うれしそうな顔。
「それで・・・ステーキコースを二つお願いします」とあっさり注文。
里奈もホッとした顔になる。
ステーキコースとしては、前菜とサーロインステーキの180g。
前菜は、鶏胸肉のサラダとステーキはデミグラスソースとなっている。
それ以外は、ランチなのでパン・デザート・コーヒーになる。
料理が運ばれてくると
史
「うん、完璧、サラダはニース風かなあ」
「鳥の胸肉だね、アンチョビとかオリーブ油も上手に使ってある」
里奈は
「このステーキが最高!美味しくてたまらない、すっごい幸せ」
もう、満面の笑みになっている。
話もできないほど美味しそうに食べる。
いや、史と里奈には、もうすでに言葉などいらないようだ。
何しろ、「目と目」で会話をしているのだから。
二人はパンにもデザートにも珈琲にも大感激。
給仕から
「お二人でまた来てください」で、またニコニコしてレストランを出た。
里奈
「史君、何から何までありがとう、ほんと、幸せ」
ぎゅっと史の手を握る。
史は顔を赤らめて
「えっと・・・本探そう・・・」で、再び手をつないで、すずらん通りへ戻ることになった。
そして歩いている途中で史がポツリ
「里奈ちゃんと一緒にいる時が、一番落ち着く」
「だから、ずっと一緒」
里奈は、
「・・・泣いちゃう・・・史君」
身体をピッタリ史に寄せている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます