第196話史と里奈の御茶ノ水と神保町デート(5)
さて、熱々の史と里奈は、大鳥居横の甘味屋に入った。
里奈
「わ!すっごいレトロ!昭和?大正?」
あちこち見回している。
史は
「うん、これはこれで落ち着く」
里奈
「へえ・・・鑑定団の人のサインとかオモチャとか」
史
「そうだね、老舗で名店で」
そして史は夏なのに熱い甘酒、里奈も同じになる。
里奈
「ほっこりする・・・添えてある味噌が美味しい」
史
「うん、味が強いけど、それが江戸のパワーを感じる」
とにかく、ふたりとも満足な顔。
甘酒の後は、売店で
史は、葉唐辛子と母から言われたべっこう飴を買う。
里奈も葉唐辛子を買うけれど、二つ買っている。
そして里奈は、どうしても自分が払うというので、史は仕方がない。
ただ、「何故 二つ?」と聞くと、
里奈
「ひとつは我が家で、もう一つは史君と私のもの、おにぎり作る」
そんな話を店先でしていると、店の八十を過ぎたおばあさんが
「まあ、可愛い二人だねえ・・・いいねえ・・・若いって」
「みんな家で作っているからねえ、しっかり食べてね」
そんなことを言って、飴を何個かおまけに。
史と里奈は、超ゴキゲン。
いつものように、キチンとお辞儀で「ありがとうございます」で店を出る。
史
「ああいう江戸の味を伝えてくれているおばあさんは、ありがたい」
里奈
「なんか、人情があるって感じ、甘酒もそうだけど、ホッコリだなあ」
ますますご機嫌になっている。
その後は、湯島聖堂を見学。
孔子の像などを見て、聖橋を渡る。
途中で湯島天神参拝を忘れたことに気づいた史
「あ、湯島天神・・・」
里奈は
「えへへ、心配ない、史君を信じてる」
・・・ちょっと、甘すぎかもしれない。
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