第3話 マヨネーズ王国へ
<前回のあらすじ>
ケチャップ王とマヨネーズ王の前に現れた、世界調味料委員会のソルト。くだらない言い合いをしていた王たちの元に、フライド王国のフライド王が来るという知らせが舞い込んできた。
「「よし。馬を引け!」」
2人の王は見事に声をそろえて命令した。
~マヨネーズ王国への道中~
「私が前だ!」
「いや、僕の国へ行くんだ。僕が前に決まっているだろう?」
「じゃあ2人とも並んじゃえばいいじゃない」
当然のような顔で飛んでいるソルト、子どもの様に前を取り合う2人。そんな光景を見て2人の側近、トマト、たまご、オイル、ビネガーはそろってため息をついた。
「そういえば、マヨネーズ王国の家来達多くない?」
ソルトは不思議思い尋ねた。
「「「あぁ、王が寂しがり屋なもので」」」
「へー。意外だなぁ。でも、うちの王様も結構寂しがり屋なんだよね」
さすがは家来同士というところか、話が合うらしい。結局、どの王に仕えても苦労するところは同じのようである。
「さぁ。そろそろ着くよ。僕の国、マヨネーズ王国へ!」
近すぎるんじゃないかと思った読者にお伝えしよう。この2つの国は、島にある。島に。しかも、小さい。すっごく小さい。それはもう、なんで1つの国にならないんだというぐらい小さい。
それでも、長い歴史の中では一度も戦争は起きていない。起きているとしても、それは王同士のささいな口喧嘩くらいだ。
「あ、そろそろオーロラ橋ですよ。ああ、その橋は壊れて……」
ドンガラガッシャーンボッチャーン
古くベタな音を立てながら、2人の王は川へと流された。
「「うわぁっ、助けて/くれー」」
ちなみに、このオーロラ川。全部オーロラソースでできている。つまり、全身オーロラソース人間(?)のできあがりだ。
「はいはい、今助けますよー」
「落ち着いて、しっかりお互いの手を握って下さい」
側近達は必死に救助活動をする。と、そこに……
「あ、何をしてるのー? 新しい遊びー? 」
ザッザッザッザッ
ソルトとマヨネーズ王国の兵士達が救助に来てくれたようだ。
「「おぉ! ありがたい」」
側近+兵士の力を借り、どうにか川から出た2人。その2人の間に流れる空気は、いつもの空気とは少し違っていた。
しかし、そんな空気もすぐにいつもどおりに戻った。
「あら、ここは?」
「オーロラ川ですって」
「良い色をしていますわね」
「お姉様、私遊びたいですわ」
「いいわよ。私達も遊びましょう!」
「ちょっと、お姉様。マヨネーズとケチャップを混ぜた川なんて嫌ですわ」
「まあまあ、いいじゃないの。川遊びなんて何年ぶりかしら」
突然わらわらと現れこんな会話を始めたのは、ポテト姫たちだ。
「……あれ、食べて良いのか」
「いや、ダメでしょ。でも、ソース付けちゃったらしなしなになっちゃうよね」
「あぁ。あのほくほく感がいいんだが……」
一方、そんな姫達を見てこんな会話をする2人。しばらくそのままボーッとしていたが、何かを思いついたような顔をした。
「「そうか。その手があったか」」
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