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2019年6月29日 15:39 編集済
(続き)折角なのでメインキャラについても…正ヒロインのリティアナについては、あのアベルに一途に思われているに値する魅力と闇を抱えたキャラになっていたと思います。最初は明らかに校長に恋をしている風だったのですが、でも、途中からは(個人的にはあの海へ行った回)辺りから、何か、かわったな…と思いました。本来は、もっと前から…VSグリュー戦で暴走しかけて、一旦アベルを避けるようになって、その後解決してから徐々に変化していっていたとは思うのですが、あの海の回でアベルがユーリィンをもたらし込んだ(語弊のある言い方)ので、そこから「流れが変わった」と言う印象が強いから、その場にいたリティアナについてもそう感じているのかもしれません。彼女は流石に正ヒロインだけあって、見せ場も、力も、成長する場面もいっぱいあって、何らヒロインとしておかしい所が無いというか、アベルとは違う方向性だけど、魅力的なキャラクターなのが本当に良かったです。リュリュちゃんは最初からいわゆる「ムードメーカー」系のキャラクターで(こちらも、当初はボクっ娘と言う事も有り)ノンセクシャル系だったのですが、ストーリーが進むにつれアベルに恋をして、どんどん奇麗に、そして女性としても魅力的になっていくのがとてもよかったです。特に、アベルの心が弱っている時に、こっちにも頼れ!と啖呵切るシーンは最高です!アベルはイイ女に支えられてるなぁ、この果報者め、と思いました。(逆に、それだけの女に支えられるに値するイイ男に育っているな、とも思いました。)ユーリィンはあえて恋愛要素が薄めで、達観しており、他の子達を上から見ているポジションなのが良かったと思います。班の中の精神的お姉さんポジションで、しかし、一旦班から離脱して敵対したのは驚きました。ただ、驚いた半面、絶対帰って来るだろうな、と思って読んでいたので、戻って来てくれたのはうれしかったです。森人=イメージはエルフ、だったのですが、刀を使うという方向で攻撃力をUPしたのも面白いな、と思いました。最終話でユーリィンが校長に就任していたのも、ある種「王道」なんだけど、それでもやっぱり良いな、と思いました。レニーについては、アベルが好きなのかな?とも思うのですが、グリュー君とのコンビも面白かったので、そっちとくっついても面白いかも……と思ってしまいました(笑)序盤は天使系のお嬢様、だったはずなのに、ストーリーが進むにつれて(キャラが崩壊しない程度に)ポンコツっぷりが披露されて、良いキャラだな、ぷふふ、と思えるお姉様でした。ムクロについては、ちょっと語ってしまったので(苦笑)アレですが、最初つんけんしているスゴイ技能を持つ子(敵、と言うより「好敵手」)と仲良くなれたのは熱い展開でよかったです。ただ、女の子になってから、ちょっと不思議だったのが33,5話でムクロが一人になっていた時何をしていたか…のエピソードでみんなにドン引きされていましたが、アレが何でなのか良く分からなくて……ん?いや、別にムクロ、そんなに悪い事してないよな??アベルの影に潜ってアベルの手伝いしたりアベルを見てたりしただけだろ???あれ???でも、あのアベルにまで引かれてる!?……つーか、ムクロの行動に違和感を感じないって事は、自分の恋愛脳レベルはムクロレベルか!?ちょ、まて、それはもしかしてヤバいのは!?と、ちょっと混乱したのがとても印象深かったです。(作者さまに読者は選べませんから、アレですけど…すいません、読解力、この程度のヤツの感想ではある訳です…あまりに的外れだったりすることを言っていたら、気にしないで下さい。恋愛系は、割と( ゚д゚)ポカーン…なタイプの読み手です。つまり、滅茶苦茶ストレートでないと認識できません。)あと、メロサー先生と仲良くなった釣りのシーンも感動しました。メロサー先生は、あまり主人公をフォローしてくれる訳でも無く、序盤のイヤミな大蟷螂って印象だったのが、あそこでガラッと180度、印象が変わりました。こう言うシーンこそ、読書のだいご味って感じがして、自分は大好きです。不覚にも、メロサー先生の独白シーンでは泣きました。(誇張ではなく。)こういう、わき役キャラが魅力的な話は本当に良いなぁ…と思いました。教頭のドゥルガン先生は、最初良い人っぽかったけど、結局は半分魔物で……でも、妙にたくさん人間の心が残っている感じが良いキャラだけど気の毒な人だと思いました。なんと言うか、「人工的に壊されたんだけど、必死に抗っていた人」と言うイメージでした。なぜならば、振り返って考えると、彼のやっている事が妙にちぐはぐだからです。(それが魅力ではあるのです)だからこそ、めっちゃ気の毒ではあります。しかし、どこでこんなに頭の中身を壊されたんだろう?とは思いました。多分、最初の戦災孤児の状態がそもそも壊された状態で送り込まれている間者だったとは推察できるのですが、となると、そこまで校長に恩義を感じているのが不自然なような気も…?かといって、一度、助けられた後に「壊された」とするとそれもまた不自然な気もして…ただ、その「不自然さ」がより「壊れてる」感を演出している、と言う意味では高ポイントではあるのですが。何とも救われないキャラだな、と思いました。「物語」としてはこういう、「不憫ではあるんだけど」この時点ではもう「どうしようもない」と言うキャラクターが存在する事が、逆に深みを与えていると思います。しかも、ストーリー全般から言うと、中ボスに当たるキャラなので、この人の散り際はカッコよくて面白かったです。途中、一旦、味方を離脱していたムクロ(と、明言されるのは後半ですが、ここまで読んで来た読者には完全に分かる)が助けてくれたのも熱い展開で良かったし、校長が倒されてしまうのも、王道ではあるんだけど、やはり中ボスはこのくらいしてくれないと!!!と言うロマンをがっつり満たしてくれたので、凄くよかったです。主人公以外の脇キャラと言うのは、このくらいボリュームのあるストーリーだと、「命」そのものを燃やし尽くして退場するキャラクターが複数存在した方が、盛り上がると思うので、このドゥルガンさんと言い、校長といい、ある意味、「男」として主人公の(超えるべき)壁となるキャラクターの使い方(生きざまの魅せ方)が本当に上手いなぁ、と思いました。ラスボスのセプテクトさんについては、なんであんな方向性になったのか分からないのですが、逆に下手に同情する余地も無かったのが「倒してすっきり」感としては良かったと思います。本当にアイツ、何だったんだろう…?何がきっかけで目覚めて、何がきっかけで人間をそんなに嫌う方向性になったんだろう??と思いました。ベルティナが同じような生命体でありながら、アレだけ人間味にあふれていたので、余計にそう感じました。ただ、その為、徹底して冷徹、人間味を消し去り、人間等肉の塊、実験用具、邪魔なゴミとしか認識せずに使い捨てる潔さは流石ラスボスの風格だと思いました。そして、ここまで面白い作品なのですが、一応、少々間延びした感があったな、と思ったのは最後の温泉旅行のシーンです。最終決戦直前(しかも、一週間後には●●がある…と、ある程度ミッション日程が読者側に提示されていたので)ちょっと間延びした印象がありました。(ただ、温泉旅行シーンは保険医の女医先生のエピソードやメロサー先生のエピソードもあったりして、内容的には面白かったです)それと、学校対決についても、戦争になる直前に強力するか、否か、で吹っ掛けて来られたのが「今からかよ!?」と言う印象にはなりました。圧勝しているので、読後感は良かったのです。最近流行りのラノベ系というよりも昔ながらの「児童文学系」の作風だと思いました。ハリーポッターの剣士版に異人種要素モリモリ、みたいな印象です。何でこんなに面白いのに星が伸びないのかなー?と自分も疑問です。一応、ここが硬いから取っつきづらいのかな?と思ったのは「第1話ー1」しか無くて、小見出しが無い点でしょうか?「少年の終わりは旅の始まり」とか「さらば愛しき思い出、こんにちは彼女と現実」みたいな…何か、こう読んでみようかな~?的なとっかかりがあった方が良いのでしょうか?あらすじも、凄く簡素・明瞭簡潔で、しかも分かりやすいのですが、逆に言うとそこから「オリジナリティー」は感じられません。(読み進めていくと、そんな事は無いと思うのですが…)それとも、ネット小説と言うジャンルで素人がどうこう言うレベルよりも「児童文学系」の新人賞とかに応募した方が良いのか?ちょっと、自分には良く分かりません。自分にとっては、とても面白かったので。一応、自分が粗?として感じた点は・もしかしたら、小見出し等でオリジナリティーを出すトコロがあった方が取っつきやすいのかもしれない。(↑自信は無いので、他の方のご意見もご参照ください)・ムクロちゃんは男の子の方がキャラは立って居た。・最終決戦直前のエピソードの出し方が少しグダグダした感じがあった。王子を味方に引き入れてからは一括そっちのストーリーを進めて欲しかった。(ほんわかエピソードを入れるなら、ムクロだけでも先に班に復帰させておいた方が良かったかも?)…このくらいです。あー!ひっさしぶりに、ぶっ通し12時間超で面白い長編読んだー!と言う爽快感がありました。ありがとうございました!!!!
作者からの返信
追記もありがとうございます。ていうか12時間ぶっ通し?!( д) ゚ ゚ めっちゃ速い!!感想も、キャラごとに丁寧に書いていただけるなんて物書き冥利に尽きます!一方で、こちらの練り込みが甘い部分や、逃げた部分などにも言及していて、読み巧者とはこんなにも恐ろしいものか…と改めて感じました。やっぱ手抜きはバレるもんなんやな……。リティアナ、リュリュは仰るとおり、如何に魅力的に恋をしていくかに腐心した覚えがありますね。特にリュリュは、元々は完全な当て馬で最後はリティアナに破れる予定でしたが、書いているうちに段々可愛く思えてきてああいう形になりました。一方で、他の三人は一歩引いているというか、色々立ち位置による違いを意識していましたね。ユーリィンはまさに姉ポジで、レニーはまだ恋というより好意が強い友人の延長と言ったところでしょうか。多分、レニーは後数年すればアベルLOVE勢に参入すると思いますwユーリィンは、どっちかというとべたべたするのは似合わないので、気づけばさらっとした恋人関係に自然と落ち着きそうです。ムクロはレニーより更に好感度が高いのですが、こちらは育ちが特別なため同年代の相手との接し方が判らない故「おはようからおやすみまで見つめるラ○オン」状態…要はストーカー化している状態ですね。突っかかっていた実力者が認めて好意を抱くようになるという条件が近しいレニーとの立ち位置の違い、及び友人でストーカーはさすがに重いだろうという判断も、ムクロを女性化する後押しのひとつだったりします。メロサーはキャラクターの特徴から気づかれる方もいるかもしれませんが、某アニメのとある教師をモチーフにしています。そのため、初期は主人公を認めないけれど、実際は生徒を思いやるいい先生であると心がけて描いたため、それが伝わってよかったです。男性教師陣は、アベルにとっては追いかける背中だけではなく、父や兄でもあってほしいと思っていたので頑張って書きましたが、その想いも汲み取ってもらえてほっとしました。ドゥルガンが改造手術を受けたのは、設定の時系列では戦災孤児として救われた→ガンドルス、預けて活動再開→改造されてから開放、となっています。本当はアベルとは別視点でこの辺りをもっと説明できれば良かったのですが、当時はなろう系をほとんど読んだことが無いため、語り手の視点を変えることは良くないと思い込んでいたため書かなかったという経緯があります。温泉回も同様で、あの時点で王子が進軍しているためアベルたちは待機状態だったわけですね。同様に説明不足だとは判っていたのですが…アベルたちの視点から見たら何遊んでんだよお前と思われますよねそりゃw学校対決は、これはもう完全に構想の抜けから時間が空いてしまったための措置ですので、無理やり学校らしいイベント?をぶち込んだ結果不自然になってしまいました。もっとしっかり練らないと駄目ってことですね、ここは反省点。セプテクトは、あえて詳細な情報を出さないようにしていました。というのも、この作品は同じ世界を舞台にした別の話も書く予定でして、それらと併せて神々の情報を出していくつもりだったからです。…あんまりにも反応無さ過ぎて心折れたので、殆ど進んでませんが…orz最後ですが、「児童文学系」の作風と評されたときは驚きました。というのも、実は当時はまだなろうやカクヨムを利用したことがなく、またラノベも殆ど読んでこなかった(ロードスと妖魔夜行のみ)上、私の小説の原点はナルニア国物語だったため、児童文学系の書き方になっていたからでしょうね。そのため、他の方の作品と比べて・一話内の情報量がやたら多い・表現が硬い・序盤に盛り上がる展開がかなり遠い・視点変更が無いため、一部情報の取得に制限が掛かる・いちゃいちゃラブラブ展開が全体的に少ない・小見出しが無く、情報がわかりにくいといった点が評価されないのではないか、と思っていました。これらは小説投稿サイトで書く場合の今後の課題ですね。尚、賞の応募は考えたのですが…文字数制限に軽く引っかかってしまうので泣く泣く諦めましたT_T とりあえず、提案していただいたことのうち、直近で対応できそうな小見出しは何とかしたいと思います。ぶっちゃけ、自分でもどこでどんな話か判らなくて不便だしwあらすじも何とかしたいのですが…オリジナリティーですか。むむむ…ただいずれにせよ、ちょうど今新しい長編(いや中編かな?)の執筆に取り掛かっているところなので、それが落ち着いてからになると思います。単に褒めるだけではなく、忌憚の無い意見までお聞かせ頂き、誠にありがとうございます。あんまりにも無反応だったのでやる気が出ずに困っていましたが、伊坂様のおかげで頑張れそうです。改めて、心のこもった素晴らしい感想、ありがとうございました!
編集済
(続き)折角なのでメインキャラについても…
正ヒロインのリティアナについては、あのアベルに一途に思われているに値する魅力と闇を抱えたキャラになっていたと思います。
最初は明らかに校長に恋をしている風だったのですが、でも、途中からは(個人的にはあの海へ行った回)辺りから、何か、かわったな…と思いました。
本来は、もっと前から…VSグリュー戦で暴走しかけて、一旦アベルを避けるようになって、その後解決してから徐々に変化していっていたとは思うのですが、あの海の回でアベルがユーリィンをもたらし込んだ(語弊のある言い方)ので、そこから「流れが変わった」と言う印象が強いから、その場にいたリティアナについてもそう感じているのかもしれません。
彼女は流石に正ヒロインだけあって、見せ場も、力も、成長する場面もいっぱいあって、何らヒロインとしておかしい所が無いというか、アベルとは違う方向性だけど、魅力的なキャラクターなのが本当に良かったです。
リュリュちゃんは最初からいわゆる「ムードメーカー」系のキャラクターで(こちらも、当初はボクっ娘と言う事も有り)ノンセクシャル系だったのですが、ストーリーが進むにつれアベルに恋をして、どんどん奇麗に、そして女性としても魅力的になっていくのがとてもよかったです。特に、アベルの心が弱っている時に、こっちにも頼れ!と啖呵切るシーンは最高です!
アベルはイイ女に支えられてるなぁ、この果報者め、と思いました。(逆に、それだけの女に支えられるに値するイイ男に育っているな、とも思いました。)
ユーリィンはあえて恋愛要素が薄めで、達観しており、他の子達を上から見ているポジションなのが良かったと思います。班の中の精神的お姉さんポジションで、しかし、一旦班から離脱して敵対したのは驚きました。
ただ、驚いた半面、絶対帰って来るだろうな、と思って読んでいたので、戻って来てくれたのはうれしかったです。
森人=イメージはエルフ、だったのですが、刀を使うという方向で攻撃力をUPしたのも面白いな、と思いました。
最終話でユーリィンが校長に就任していたのも、ある種「王道」なんだけど、それでもやっぱり良いな、と思いました。
レニーについては、アベルが好きなのかな?とも思うのですが、グリュー君とのコンビも面白かったので、そっちとくっついても面白いかも……と思ってしまいました(笑)序盤は天使系のお嬢様、だったはずなのに、ストーリーが進むにつれて(キャラが崩壊しない程度に)ポンコツっぷりが披露されて、良いキャラだな、ぷふふ、と思えるお姉様でした。
ムクロについては、ちょっと語ってしまったので(苦笑)アレですが、最初つんけんしているスゴイ技能を持つ子(敵、と言うより「好敵手」)と仲良くなれたのは熱い展開でよかったです。
ただ、女の子になってから、ちょっと不思議だったのが33,5話でムクロが一人になっていた時何をしていたか…のエピソードでみんなにドン引きされていましたが、アレが何でなのか良く分からなくて……
ん?いや、別にムクロ、そんなに悪い事してないよな??
アベルの影に潜ってアベルの手伝いしたりアベルを見てたりしただけだろ???
あれ???でも、あのアベルにまで引かれてる!?
……つーか、ムクロの行動に違和感を感じないって事は、自分の恋愛脳レベルはムクロレベルか!?
ちょ、まて、それはもしかしてヤバいのは!?と、ちょっと混乱したのがとても印象深かったです。
(作者さまに読者は選べませんから、アレですけど…すいません、読解力、この程度のヤツの感想ではある訳です…
あまりに的外れだったりすることを言っていたら、気にしないで下さい。
恋愛系は、割と( ゚д゚)ポカーン…なタイプの読み手です。
つまり、滅茶苦茶ストレートでないと認識できません。)
あと、メロサー先生と仲良くなった釣りのシーンも感動しました。
メロサー先生は、あまり主人公をフォローしてくれる訳でも無く、序盤のイヤミな大蟷螂って印象だったのが、あそこでガラッと180度、印象が変わりました。
こう言うシーンこそ、読書のだいご味って感じがして、自分は大好きです。
不覚にも、メロサー先生の独白シーンでは泣きました。(誇張ではなく。)こういう、わき役キャラが魅力的な話は本当に良いなぁ…と思いました。
教頭のドゥルガン先生は、最初良い人っぽかったけど、結局は半分魔物で……
でも、妙にたくさん人間の心が残っている感じが良いキャラだけど気の毒な人だと思いました。
なんと言うか、「人工的に壊されたんだけど、必死に抗っていた人」と言うイメージでした。
なぜならば、振り返って考えると、彼のやっている事が妙にちぐはぐだからです。
(それが魅力ではあるのです)だからこそ、めっちゃ気の毒ではあります。
しかし、どこでこんなに頭の中身を壊されたんだろう?とは思いました。
多分、最初の戦災孤児の状態がそもそも壊された状態で送り込まれている間者だったとは推察できるのですが、となると、そこまで校長に恩義を感じているのが不自然なような気も…?かといって、一度、助けられた後に「壊された」とするとそれもまた不自然な気もして…ただ、その「不自然さ」がより「壊れてる」感を演出している、と言う意味では高ポイントではあるのですが。
何とも救われないキャラだな、と思いました。
「物語」としてはこういう、「不憫ではあるんだけど」この時点ではもう「どうしようもない」と言うキャラクターが存在する事が、逆に深みを与えていると思います。
しかも、ストーリー全般から言うと、中ボスに当たるキャラなので、この人の散り際はカッコよくて面白かったです。
途中、一旦、味方を離脱していたムクロ(と、明言されるのは後半ですが、ここまで読んで来た読者には完全に分かる)が助けてくれたのも熱い展開で良かったし、校長が倒されてしまうのも、王道ではあるんだけど、やはり中ボスはこのくらいしてくれないと!!!と言うロマンをがっつり満たしてくれたので、凄くよかったです。
主人公以外の脇キャラと言うのは、このくらいボリュームのあるストーリーだと、「命」そのものを燃やし尽くして退場するキャラクターが複数存在した方が、盛り上がると思うので、このドゥルガンさんと言い、校長といい、ある意味、「男」として主人公の(超えるべき)壁となるキャラクターの使い方(生きざまの魅せ方)が本当に上手いなぁ、と思いました。
ラスボスのセプテクトさんについては、なんであんな方向性になったのか分からないのですが、逆に下手に同情する余地も無かったのが「倒してすっきり」感としては良かったと思います。
本当にアイツ、何だったんだろう…?
何がきっかけで目覚めて、何がきっかけで人間をそんなに嫌う方向性になったんだろう??と思いました。
ベルティナが同じような生命体でありながら、アレだけ人間味にあふれていたので、余計にそう感じました。
ただ、その為、徹底して冷徹、人間味を消し去り、人間等肉の塊、実験用具、邪魔なゴミとしか認識せずに使い捨てる潔さは流石ラスボスの風格だと思いました。
そして、ここまで面白い作品なのですが、一応、少々間延びした感があったな、と思ったのは最後の温泉旅行のシーンです。
最終決戦直前(しかも、一週間後には●●がある…と、ある程度ミッション日程が読者側に提示されていたので)ちょっと間延びした印象がありました。
(ただ、温泉旅行シーンは保険医の女医先生のエピソードやメロサー先生のエピソードもあったりして、内容的には面白かったです)
それと、学校対決についても、戦争になる直前に強力するか、否か、で吹っ掛けて来られたのが「今からかよ!?」と言う印象にはなりました。圧勝しているので、読後感は良かったのです。
最近流行りのラノベ系というよりも昔ながらの「児童文学系」の作風だと思いました。
ハリーポッターの剣士版に異人種要素モリモリ、みたいな印象です。
何でこんなに面白いのに星が伸びないのかなー?と自分も疑問です。
一応、ここが硬いから取っつきづらいのかな?と思ったのは「第1話ー1」しか無くて、小見出しが無い点でしょうか?
「少年の終わりは旅の始まり」とか「さらば愛しき思い出、こんにちは彼女と現実」みたいな…
何か、こう読んでみようかな~?的なとっかかりがあった方が良いのでしょうか?
あらすじも、凄く簡素・明瞭簡潔で、しかも分かりやすいのですが、逆に言うとそこから「オリジナリティー」は感じられません。
(読み進めていくと、そんな事は無いと思うのですが…)
それとも、ネット小説と言うジャンルで素人がどうこう言うレベルよりも「児童文学系」の新人賞とかに応募した方が良いのか?
ちょっと、自分には良く分かりません。
自分にとっては、とても面白かったので。
一応、自分が粗?として感じた点は
・もしかしたら、小見出し等でオリジナリティーを出すトコロがあった方が取っつきやすいのかもしれない。
(↑自信は無いので、他の方のご意見もご参照ください)
・ムクロちゃんは男の子の方がキャラは立って居た。
・最終決戦直前のエピソードの出し方が少しグダグダした感じがあった。王子を味方に引き入れてからは一括そっちのストーリーを進めて欲しかった。
(ほんわかエピソードを入れるなら、ムクロだけでも先に班に復帰させておいた方が良かったかも?)
…このくらいです。
あー!ひっさしぶりに、ぶっ通し12時間超で面白い長編読んだー!と言う爽快感がありました。
ありがとうございました!!!!
作者からの返信
追記もありがとうございます。
ていうか12時間ぶっ通し?!( д) ゚ ゚ めっちゃ速い!!
感想も、キャラごとに丁寧に書いていただけるなんて物書き冥利に尽きます!
一方で、こちらの練り込みが甘い部分や、逃げた部分などにも言及していて、読み巧者とはこんなにも恐ろしいものか…と改めて感じました。
やっぱ手抜きはバレるもんなんやな……。
リティアナ、リュリュは仰るとおり、如何に魅力的に恋をしていくかに腐心した覚えがありますね。特にリュリュは、元々は完全な当て馬で最後はリティアナに破れる予定でしたが、書いているうちに段々可愛く思えてきてああいう形になりました。
一方で、他の三人は一歩引いているというか、色々立ち位置による違いを意識していましたね。
ユーリィンはまさに姉ポジで、レニーはまだ恋というより好意が強い友人の延長と言ったところでしょうか。多分、レニーは後数年すればアベルLOVE勢に参入すると思いますw
ユーリィンは、どっちかというとべたべたするのは似合わないので、気づけばさらっとした恋人関係に自然と落ち着きそうです。
ムクロはレニーより更に好感度が高いのですが、こちらは育ちが特別なため同年代の相手との接し方が判らない故「おはようからおやすみまで見つめるラ○オン」状態…要はストーカー化している状態ですね。突っかかっていた実力者が認めて好意を抱くようになるという条件が近しいレニーとの立ち位置の違い、及び友人でストーカーはさすがに重いだろうという判断も、ムクロを女性化する後押しのひとつだったりします。
メロサーはキャラクターの特徴から気づかれる方もいるかもしれませんが、某アニメのとある教師をモチーフにしています。そのため、初期は主人公を認めないけれど、実際は生徒を思いやるいい先生であると心がけて描いたため、それが伝わってよかったです。
男性教師陣は、アベルにとっては追いかける背中だけではなく、父や兄でもあってほしいと思っていたので頑張って書きましたが、その想いも汲み取ってもらえてほっとしました。
ドゥルガンが改造手術を受けたのは、設定の時系列では
戦災孤児として救われた→ガンドルス、預けて活動再開→改造されてから開放、となっています。本当はアベルとは別視点でこの辺りをもっと説明できれば良かったのですが、当時はなろう系をほとんど読んだことが無いため、語り手の視点を変えることは良くないと思い込んでいたため書かなかったという経緯があります。
温泉回も同様で、あの時点で王子が進軍しているためアベルたちは待機状態だったわけですね。同様に説明不足だとは判っていたのですが…アベルたちの視点から見たら何遊んでんだよお前と思われますよねそりゃw
学校対決は、これはもう完全に構想の抜けから時間が空いてしまったための措置ですので、無理やり学校らしいイベント?をぶち込んだ結果不自然になってしまいました。もっとしっかり練らないと駄目ってことですね、ここは反省点。
セプテクトは、あえて詳細な情報を出さないようにしていました。
というのも、この作品は同じ世界を舞台にした別の話も書く予定でして、それらと併せて神々の情報を出していくつもりだったからです。
…あんまりにも反応無さ過ぎて心折れたので、殆ど進んでませんが…orz
最後ですが、「児童文学系」の作風と評されたときは驚きました。
というのも、実は当時はまだなろうやカクヨムを利用したことがなく、またラノベも殆ど読んでこなかった(ロードスと妖魔夜行のみ)上、私の小説の原点はナルニア国物語だったため、児童文学系の書き方になっていたからでしょうね。
そのため、他の方の作品と比べて
・一話内の情報量がやたら多い
・表現が硬い
・序盤に盛り上がる展開がかなり遠い
・視点変更が無いため、一部情報の取得に制限が掛かる
・いちゃいちゃラブラブ展開が全体的に少ない
・小見出しが無く、情報がわかりにくい
といった点が評価されないのではないか、と思っていました。
これらは小説投稿サイトで書く場合の今後の課題ですね。
尚、賞の応募は考えたのですが…文字数制限に軽く引っかかってしまうので泣く泣く諦めましたT_T
とりあえず、提案していただいたことのうち、直近で対応できそうな小見出しは何とかしたいと思います。ぶっちゃけ、自分でもどこでどんな話か判らなくて不便だしw
あらすじも何とかしたいのですが…オリジナリティーですか。むむむ…
ただいずれにせよ、ちょうど今新しい長編(いや中編かな?)の執筆に取り掛かっているところなので、それが落ち着いてからになると思います。
単に褒めるだけではなく、忌憚の無い意見までお聞かせ頂き、誠にありがとうございます。
あんまりにも無反応だったのでやる気が出ずに困っていましたが、伊坂様のおかげで頑張れそうです。
改めて、心のこもった素晴らしい感想、ありがとうございました!