第7話 会社 かいしゃ
「……」
自室に戻った
なぜなら、死んだと言われていた父親から手紙が届いたのだ。私でも『死者からの手紙』は、さすがに驚く。
「…………」
そもそも私、
だから、正式に家業を継いだのは私の旦那である『永習さん』だった。でも、永習さんは……
「
そう尋ねてきたのだ。
最初は、「なぜ、こんな事を?」という疑問を頭に浮かんだが、私は回答に困り、そのまま無言になってしまった。
「確かに、俺がこの家業を正式に受け継ぎましたけど……」
そう前置きをすると、さらに言葉を続けた。
「でも俺は、言ってしまえば『
「……それを聞いて、どうされるのですか」
「そうですね。参考に……いえ、むしろ仕事の方向性を変えてみようかと……」
「なっ、何をおっしゃっているんですか! 今までの仕事を変えるだなんて……」
「まぁ、
「そちらの方に方向性を変えていく……という事ですか?」
そう尋ねると、永習さんは無言で頷いた。
確かに、永習さんの言っている事は……分かるが、必ずしも上手くいく……という決まりも当然ない。
「でも、やってみるのは悪くないと思うんです。女性は男性の後ろに居なければいけない……そういった考えを改めて、女性ならではの思想を活かすべきだと……俺は、そう思っているんです」
永習さんは、固い決意の……強い眼差しを向けた。
でも、それ以上に私は、『女性ならではの思想を……』と言った事に驚く。それは、この時代の男性にはあまり聞かれない言葉だったからだ。
確かに、永習さん言った通り『女性だからこそ……』という仕事はたくさんある。
「……どうでしょうか、
不安そうに永習さんに尋ねられた私は「では、こういったのは……どうでしょう」と一つ提案してみた。
それは昔から思っていた事だ。でも、まさかその提案を永習さんが採用してくれるとは思っていなかった。
そして、私が提案したその仕事の会社の『社長』は永習さんになり、私はその副社長として携わる事になった。
ちなみに私が提案したのは、自社で着物のデザインをし、実際に工房で染め、そして販売をする……といったモノだ。
しかし、いざやってみようと思ってもなかなか上手くいくモノではないはずだ。
いくら、
そもそも私は、会社の経理とかは分かるし、今までそういったことの手伝いをしてきた……。
でも実は、着物の作成は……興味があって少し調べた程度で、私は……そこまで考えず、
「はぁ……」
しかし、まさか、
「はっ!」
でも、私はすぐに首を左右に振り、その考えを打ち消した。
「はぁ」
目の前にある資料を見ながら、ため息をついた。それくらい問題は山積みだ。
「……ん?」
そんな時、ふと私の目に留まったのは、ある『書物』だった。
「……まずは、行動……よね」
そう小さく呟くと、私は早速その『書物』に書かれていた場所に
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「…………」
私が訪れたのは、染め物で有名な土地で、もちろん、そこは私が今まで生活していたような場所とは違い、緑がとても豊かな場所だ。
しかし、
初めてご自宅を訪れた時の
いや、だって私と
まぁ、
でも、
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