第20話 ちょっと長いお名前
オットー・ヴィンター=イエルム作曲
「交響曲第二番ハ短調」さん
ペーター・エラスムス・ランゲ=ミュラー作曲
「交響曲第1番ニ短調」さん
「交響曲第2番ニ短調」さん
・・・・・・・からのお手紙
『今回は、20回記念ということで、我々3人でお便りさせていただきました。
ぼくはヴィンター=イエルムさん(1837~1931)の、「交響曲第2番」です。
イエルムさんは、グリーグさんの先輩で、ノルウェーで初めて交響曲を書いた作曲家さんです。
グリーグさんの出世にも、力を尽くしたようなことを聞いております。
先生は作曲とピアノを、ハルダン・シェルルブさんのところでお勉強なさいました。そのあと、ライプチヒとベルリンで勉強を続けた方です。
そうして、2曲の交響曲を書きました。
先生の指揮で、オスロとベルリンで初演されました。
でも、いま、ぼくを聞いていただくのは、なかなかむつかしい状況かもしれません。ネットを見ても、どうやらCDは見つかりませんでした。
それでも、むかし、LPが出ていましたから、もし見つけたら、ぜひ聞いてください。
自分で言うのも、なんですが、いい音楽なんですよねー。
とにかく、メロディーが素晴らしいです。
オーケストラも、いい音で鳴ります。
きっと、ものすごく日本のかた向きの、民謡調のわかりやすい旋律でいっぱいなんです。
ぼくを聞かずにいるのは、あまりに惜しい! と、思うのです。』
~~~~~~~~~~~~~~~~~
1番:「日本の皆さん。ぼくはランゲ=ミュラーさんの『交響曲第1番』 です。」
2番:「どうも、ハローです。わたしは『交響曲第2番』で-す。」
1番:「ぼくたち交響曲二兄妹です。ヴィンター=イエルムさんの『交響 曲第2番』さんは、ちょっとなかなか、聞きにくい状況のようでお気 の毒です。ぼくたちは、CDが出ています。」
2番:「ランゲ=ミュラー(1850~1926)先生は、デンマークの 作曲家さんです。お名前が、なんだかとっても魅力的でしょう。美し い旋律を書いていそうじゃあ、ありませんか?」
1番:「そうそう。実際ぼくは、良い旋律の集まりですよ。しかも第2楽 章なんかは、かなり民族音楽風の楽しい音楽です。君は、少し地味か な?」
2番:「まあ、失礼な。音楽的には、ずっと充実しておりますの。」
1番:「たしかに、君は思慮深い感じはすると思う。」
2番:「はい。でも、終楽章のフィナーレなんて、けっこう盛り上がって ます。地味なだけじゃあ、ありませんよ。」
1番:「まあね。でも、旋律が良い、という事だと、『むかしむかし』くんが いるよね。」
2番:「確かに。あの方はもう音楽の始まりから、わくわくするの。」
1番:「そうなんだ。あの開始には、ちょっと敵わないな。『これからお 話が始まるぞー!』という、お客さんの期待感を、一気に頂点に持っ て行ってしまう。ああした芸は、そうたくさんあるわけじゃない。」
2番:「そうです。そのあとも、ずっと、楽しい、美しい旋律のオン・パ レード。そこがまた、すごいですね。」
1番:「うん。大方の日本の方には、言葉の問題があると思うけれど、旋 律だけでも楽しめちゃうんじゃないかな。」
2番:「うん。同感!みなさん、よろしくお願いいたします。」
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(参考)
* オットー・ヴィンター=イエルム作曲
「交響曲第2番ハ短調」
トマス・D・A・テレフセン作曲
「ピアノ協奏曲第1番ト短調作品8」
指 揮:シェル・インゲルブレッセン
管弦楽:ベルゲン フィルハーモニー管弦楽団
ノルウェーNKF LPレコード(30058)
* ペーター・エラスムス・ランゲ=ミュラー作曲
「交響曲第1番「秋」ニ短調 作品17」
「交響曲第2番ニ短調 作品33」
指 揮:ダグラス・ボストック
管弦楽:ボヘミア室内管弦楽団
デンマークCLASSICO(CLASSCD 370)
* ペーター・エラスムス・ランゲ=ミュラー作曲
「むかしむかし」
指 揮:ミヒャエル・シェーンヴァント
管弦楽:デンマーク国立放送交響楽団・合唱団 ほか
デンマークdacapo(8.224084)
ウェーデンのBISというレーベルからも、ちょっと抜粋してますが、こちらも楽しい演奏のCDが出てました。例によってすぐ見つからなくて・・・。
見つけました。
ペーター・エラスムス・ランゲ=ミュラー作曲
「むかしむかし」 そのほか
指 揮:モーシェ・アツモン
管弦楽:アールボリ交響楽団 ほか
スウェーデンBIS(CD-1214)
次回、一旦最終回にしようかな、と思っております。
やっぱり、最終回は、あの方ですよね!
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